簿記2級 重要仕訳TOP100 固定資産の減価償却(改定償却率)

仕訳問題

難度:高・・低

重要度:A・B

 当期末(×5年3月31日)において、×1年4月1日に購入した備品(購入代価 ¥ 900,000、付随費用:¥ 100,000、耐用年数:5年、残存価額:ゼロ、償却方法:200%定率法、保証率:0.10800、改定償却率:0.500、記帳方法:間接法)の減価償却を行った。なお、当社の決算日は3月末日(会計期間は1年)である。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金 当座預金 普通預金 未収入金
仮払金 備品 備品減価償却累計額 未払金
仮受金 固定資産売却益 減価償却費 固定資産売却損

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費 108,000 ※1 備品減価償却累計額 108,000

※1 (900,000円+100,000円)×60%×60%×60%×0.500=108,000円

解説

 固定資産の減価償却(改定償却率)に関する問題です。

 200%定率法は、期首未償却残高に償却率を乗じて減価償却費を計算しますが、何も策を講じないと耐用年数が過ぎても帳簿価額がゼロになりません

  • 取得原価1,000,000円、耐用年数5年の場合
    • 1年目の減価償却費:400,000円(=取得原価1,000,000円×40%)
    • 2年目の減価償却費:240,000円(=期首未償却残高600,000円×40%)
    • 3年目の減価償却費:144,000円(=期首未償却残高360,000円×40%)
    • 4年目の減価償却費:86,400円(=期首未償却残高216,000円×40%)
    • 5年目の減価償却費:51,840円(=期首未償却残高129,600円×40%)
      • 耐用年数到来時の帳簿価額:129,600円-51,840円=77,760円

 そこで、耐用年数の到来とともに帳簿価額がゼロになるように(※正確には備忘記録として帳簿価額を1円残します)、あるタイミングで償却額を調整します。

 具体的には、200%定率法の償却率により計算した償却額が、取得原価に保証率を乗じた金額(償却保証額)を下回る年度から、その年度の期首未償却残高(改定取得原価)に改定償却率を乗じた金額を減価償却費として計上します。

  • A:200%定率法の償却率により計算した償却額
  • B:取得原価に保証率を乗じた金額(償却保証額)
  • A>Bの場合:「Aの償却額」が当期の減価償却費
  • A<Bの場合:判定時の期首未償却残高×改定償却率の金額」が当期の減価償却費

 これを本問の備品に当てはめてみると、以下のような結果になります。なお、備品の取得原価は購入代価と付随費用の合計額になります。

取得原価=900,000円+100,000円=1,000,000円

1年目
(×1年度)
2年目
(×2年度)
3年目
(×3年度)
4年目
(×4年度)
5年目
(×5年度)
取得原価または期首未償却残高 1,000,000 600,000 360,000 216,000 108,000
200%定率法により計算した償却額(A) 400,000 240,000 144,000 86,400 -
取得原価に保証率を乗じた金額(B) 108,000 ※2
判定結果 A>B A>B A>B A<B -
判定時の期首未償却残高×改定償却率の金額 - - - 108,000
※3
-
計上すべき減価償却費の金額 400,000 240,000 144,000 108,000 107,999
※4

※2 取得原価に保証率を乗じた金額(B)=1,000,000円×0.10800(保証率)=108,000円

※3 判定時の期首未償却残高×改定償却率の金額=216,000円×0.500(改定償却率)=108,000円

※4 ×5年度の減価償却費=108,000円-107,999円=1円(※備忘記録として1円残す)

 本問では、×4年度(×4年4月1日~×5年3月31日)の仕訳が問われているので、108,000円の減価償却費を計上します。

解答:×4年度の減価償却の仕訳
(借)減価償却費 108,000
 (貸)備品減価償却累計額 108,000

参考:×1年度から×5年度までの減価償却の仕訳

 ×1年度から×5年度までの減価償却の仕訳は以下のとおりです。上述のとおり、償却済みの資産があることを帳簿に残すため、最終年度(×5年度)の償却にあたって帳簿価額を1円だけ残します。

  • 1年目の減価償却費:400,000円(=取得原価1,000,000円×40%)
  • 2年目の減価償却費:240,000円(=期首未償却残高600,000円×40%)
  • 3年目の減価償却費:144,000円(=期首未償却残高360,000円×40%)
  • 4年目の減価償却費:108,000円(=期首未償却残高216,000円×0.500 )
  • 5年目の減価償却費:107,999円(=期首未償却残高108,000円-1円)
    • 耐用年数到来時の帳簿価額:108,000円-107,999円=1円
参考:×1年度の減価償却の仕訳
(借)減価償却費 400,000
 (貸)備品減価償却累計額 400,000
参考:×2年度の減価償却の仕訳
(借)減価償却費 240,000
 (貸)備品減価償却累計額 240,000
参考:×3年度の減価償却の仕訳
(借)減価償却費 144,000
 (貸)備品減価償却累計額 144,000
解答:×4年度の減価償却の仕訳
(借)減価償却費 108,000
 (貸)備品減価償却累計額 108,000
参考:×5年度の減価償却の仕訳
(借)減価償却費 107,999
 (貸)備品減価償却累計額 107,999
管理人

改定償却率の問題は、均等償却に切り替わる年度(本問の場合は×4年度)の処理を問われる可能性が高いです。きちんと判定できるように準備しておきましょう。



Q&A

 本問の内容に関する疑問・質問は、サイト内のメール送信フォームからお気軽にお問い合わせください。こちらの欄にて回答いたします。

重要仕訳一覧

  1. 商品売買(全14問)
  2. 債権・債務(全13問)
  3. 外貨建取引(全4問)
  4. 有価証券(全9問)
  1. リース取引(全6問)
  2. 社会保険・税金(全11問)
  3. 純資産(全11問)
  4. 本支店会計(全4問)
  5. その他(全6問)

ページの先頭へ