原価計算初級の試験情報
試験科目 | 制限時間 | 合格基準 | 試験料 |
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原価計算 | 40分 | 70%以上 | 2,200円(税込) |
原価計算初級は、原価計算の基本用語や原価と利益の関係を分析・理解し、業務に活用することができるかを問う、工業簿記の入門的な位置づけの試験です。2018年4月から全国各地の試験会場で受験できるようになりました。
簿記初級と同様、試験会場に用意されているパソコンを使って問題を解いたあと、その場で採点・合否の判定が行われるのが一番の特徴です。
また、試験会場となる全国各地の「商工会議所ネット試験施行機関」が、それぞれ独自に試験日を決める形になっているので、受験生はその中から都合の良い日時・会場を選んで受験することができるのも大きな特徴です。
試験科目は原価計算の1科目で、制限時間は40分、合格ラインは100点満点中70点以上です。また、受験資格は特にないため、誰でも受験することができます。
消費税率の変更にともない、2019年10月から受験料が値上げされました(2,160円→2,200円)
原価計算初級と他級との相違点
簿記初級 | 原計初級 | 簿記3級 | 簿記2級 | 簿記1級 | |
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試験形式 | パソコン | パソコン | 紙 | 紙 | 紙 |
試験科目 | 商業簿記 | 原価計算 | 商業簿記 | 商業簿記 工業簿記 |
商業簿記 会計学 工業簿記 原価計算 |
試験時間 | 40分 | 40分 | 120分 | 120分 | 180分 |
合格基準 | 70点 | 70点 | 70点 | 70点 | 70点 ※ |
受験料(税込) | 2,200円 | 2,200円 | 2,850円 | 4,720円 | 7,850円 |
試験日 | 随時 | 随時 | 年3回 (6・11・2月) |
年3回 (6・11・2月) |
年2回 (6・11月) |
合格発表 | 当日 | 当日 | 8日後~ | 8日後~ | 約50日後 |
合格証 | カード | カード | 賞状 | 賞状 | 賞状 |
※ 足切り制度:4科目のうち1科目でも40%に満たない(10点未満)科目がある場合は、合計が70点以上でも不合格になります。
原価計算初級の試験範囲
原価計算初級では、大きく分けて「原価計算の基礎概念」「利益の計画と統制」「製品別(サービス別)期間損益計算」の3つが問われます。それぞれの細かい内容は、公式サイトの趣旨・内容ページをご確認ください。
- 原価計算の基礎概念:原価計算を身につけるうえで基本的に知っておくことを理解する(原価概念、原価の計算、原価の分類、損益計算)
- 利益の計画と統制:利益はどのように変化するのか、なぜ利益が変化したのかを把握する(CVP分析、予算実績再分析)
- 製品別(サービス別)期間損益計算:どの製品・サービスが利益を出しているかを把握する(原価の集計、在庫の原価、製品別・サービス別の損益計算書)
原価計算初級の出題論点と点数配分
試験問題は、第1問(44点)・第2問(24点)・第3問(32点)の3部構成です。公式サイトにサンプル問題のPDFがアップされているので、興味のある方は一度ご確認ください。
- 第1問(44点):四肢択一の語句選択問題(13問)・仕訳問題(1問)
- 第2問(24点):CVP分析や予算実績差異分析などの計算問題
- 第3問(32点):製品別の期間損益計算問題
原価計算初級のおすすめテキスト
市販されている原価計算初級のテキストは、「スッキリわかる日商原価計算 初級(TAC出版)」「土日で合格る日商原価計算初級(資格の大原)」「日商原価計算初級テキスト(中央経済社)」の3点のみです。
これから原価計算初級を受験する方は、いずれかのテキストをお買い求めください。
基本テキスト | |
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スッキリわかる日商原価計算 初級 | |
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土日で合格る日商原価計算初級 | |
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日商原価計算初級テキスト | |
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おすすめ教材セット | |
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スッキリわかる日商簿記初級&日商原価計算初級セット | |
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定価合計:2,200円(テキスト&問題集×2冊) | |
15%割引価格:1,870円(税込・送料無料) |
原価計算初級のQ&A
簿記検定ナビ内の「原価計算初級に関するQ&A」ページで詳しくまとめています。
- 原価計算初級とはどのような試験ですか?
- 原価計算初級の受験料はいくらですか?
- 原価計算初級を受験する必要はありますか?
- 原価計算初級はどこで受験することができますか?試験日は決まっていますか?
- 原価計算初級を受験するためにはどのように申し込めばいいですか?
- 原価計算初級の試験時間は何分ですか?合格点は何点ですか?
- 試験当日に必要な持ち物はなんですか?
- 原価計算初級の試験の流れはどんな感じですか?
- 試験問題は周りの人と同じですか?
- 自分のパソコンを持ち込んで受験することはできますか?
- パソコンの操作に不安があります。事前に練習することはできますか?
- 原価計算初級の合否の発表はいつ、どのような形で行われますか?
- 合格した場合、その場で合格証がもらえますか?
原価計算初級の受験者数・合格率
2018年4月1日から2020年3月31日までの受験者数・合格者数は以下のとおりです。
期間 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
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2018年4月1日~2019年3月31日 | 2,098名 | 1,954名 | 93.14% |
2019年4月1日~2020年3月31日 | 1,788名 | 1,641名 | 91.78% |
原価計算初級の受験体験記
2018年3月18日
日商の公式サイトの「商工会議所ネット試験施行機関」で検索したところ、「日本商工会議所 芝大門研修室」で4月2日に行われる第1回に空きがあったのでそのまま申し込みました。
その後、すぐに自動返信メールが届きました。メールには、受験料は試験当日に現金で支払うことや氏名・生年月日・顔写真が確認できる身分証明書を持参すること、試験会場の案内などが書かれていました。
2018年4月2日
その後は特になにもないまま試験日を迎えました(※受験票などは送られてきません)。
18時30分
試験会場に到着。地下1階の試験会場の入り口で受験料2,160円を支払い、商工会議所検定ガイドと予め用意されていた名前入りの領収書を受け取ります。
席の指定はなく、ノートパソコンが置かれている席に自由に座って良いとのこと。デスクトップ画面には試験で使う「商工会議所 ネット試験システム.exe」ファイルとゴミ箱があるだけ。また、キーボードの上に試験番号と認証パスワードが書かれたメモ用紙が置かれていました。
今回の受験者は9人。男女比はだいたい半々ぐらいで、年齢層は20代~50代ぐらいまで結構バラバラ。待っている間に勉強している人はほとんどいません。誰も一言も発しないので異様に静かな空間。
19時
試験監督の女性がPCの操作方法や注意事項などを読み上げます。内容は1年前に受験した簿記初級とほとんど同じです。
ノートパソコンのデスクトップに置かれていたネット試験システムを立ち上げ、メモ用紙に書かれていた試験番号と認識パスワードを入力し、さらに名前や住所、生年月日等を入力していく。
すべての入力が完了すると試験開始ボタンが現れるので、あとは各自のタイミングで試験を始める形になります。なお、受験生ごとに異なる「残り解答時間」は常にノートパソコンの画面に表示されます。
19時5分 試験開始!
第1問は、語句選択問題13問と仕訳問題1問(44点満点・全14問)。基本的な内容ばかりですが、間違えると恥ずかしいので丁寧に解いていきます。
第2問は、CVP分析の計算問題(24点満点)。簿記初級にはなかったメモ欄が下のほうに用意されていますが、わざわざ使う必要がないぐらいの簡単な問題だったので、金額や数字をそのまま入力していきます。テンキーの「2」の反応が微妙に悪い…。
第3問は、製品別の期間損益計算問題(32点満点)。問題の一部にひっかけがあったものの、それ以外は簡単な掛け算と足し算だけで解答できる簡単な問題。こちらも第2問と同様にメモ欄を使わずに解答。
19時15分
試験開始から10分。問題をひととおり解き終える。念のため、第1問に戻って解答の見直し。
19時20分
見直しが終了。最後に印刷ボタンをクリック。
画面上に試験結果が表示され、合格・不合格とともに各問題の点数が表示されます。
- 第1問:44点
- 第2問:24点
- 第3問:32点
- 合計:100点
なお、ここで画面に表示されるのは「合否の結果」と「点数のみ」で、仮に間違えた問題があった場合も、間違えた箇所や正しい解答は教えてもらえません。
その後、試験監督の女性に試験結果が印刷された紙をもらって試験終了。お疲れ様でした。
2018年5月9日
普通郵便で合格証が送られてきました。カード形式の合格証は、すごくチーp…シンプルなデザインです。