第151回日商簿記3級 予想問題「簿記ナビ模試」第3問(合計試算表)の解説

第3問 ボリューム満点の合計試算表作成問題。諸掛りの処理がポイントです!

 合計試算表の作成問題です。

 二重取引を考慮する必要のない試算表の解答方法は、「全仕訳を全て下書きしたうえで金額を集計する方法」と「仕訳を書かずにT勘定を使って解く方法」の2つがありますが、本問のように処理すべき量が多い問題は後者の「T勘定を使って解く方法」をおすすめします。

  • T勘定を使って解く方法のメリット
    • マスターすれば早く解ける
    • 集計もれが減る(ケアレスミスが減る)
    • なんかカッコいい(意外と大事)
  • T勘定を使って解く方法のデメリット
    • 慣れるまでは逆に時間がかかる

 T勘定を使って解く方法は、頭の中で仕訳を考えて各勘定に直接金額を入れていく形になるので、慣れるまでは時間がかかってしまいますが、一度マスターすれば大きな武器になります。

 本問を使って「仕訳を書かずにT勘定を使って解く方法」をマスターしてください。

たまに、全仕訳を全て下書きしたうえでT勘定を作って解いている方がいます。T勘定に慣れるまではこの方法でも構いませんが、最終的には頭の中で仕訳を考えて各勘定に直接金額を入れていく形に切り替えてください。

簿記ナビ模試3級の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
準備 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 見直し
普通 普通 難しい 普通 普通
5分 15分 10分 45分 15分 20分 10分

簿記ナビ模試のご案内

 簿記検定ナビでは、2019年2月24日に行われる第151回日商簿記3級のオリジナル予想問題「簿記ナビ模試」を無料配布しています。

 会員登録等は一切不要で、問題用紙・答案用紙・解答の各PDFファイルをワンクリックで簡単にダウンロードしてお使いいただけます。学習の総まとめにご利用ください。

第3問(合計試算表)の解説

T勘定を使って解く方法の解答手順

 頻出する9勘定(現金・普通預金・当座預金・受取手形・売掛金・支払手形・買掛金・仕入・売上)についてT勘定を設定しましょう。その他の勘定科目は「その他」勘定に記入・集計します。

 各勘定の位置に決まりはありませんが、下書きを定型化するために毎回同じ場所に書くようにしましょう。

 私の場合、下書き用紙を横向きにして4等分し、一番左の列に「現金」「普通預金」「当座預金」、左から2番目の列に「受取手形」「売掛金」「売上」、右から2番目の列に「支払手形」「買掛金」「仕入」、一番右の列に「その他」を書くと決めています。

第3問の下書き1
第3問の下書き1(PDF版

 次に、前月末(平成30年2月28日)の各勘定の金額を記入します。答案用紙の合計試算表から金額をひっぱってきましょう。

第3問の下書き2
第3問の下書き2(PDF版

 前月末=当月初の金額をT勘定に記入したら、問題資料Ⅰの各日の取引を頭の中で仕訳して、9つの勘定に記入していきます。

 なお、本問は売掛金と買掛金の明細表を作成する必要があるので、下書きの売掛金勘定・買掛金勘定に金額を書き込むさいにはどの商店の増減なのかひと目で分かるようにしておくのがポイントです。

  • 売掛金
    • :福良商店
    • :川上商店
  • 買掛金
    • :須貝商店
    • :渡辺商店

 また、「その他」勘定に記入するさいは、勘定科目を可能なかぎり省略してスピードアップを図りましょう。簿記検定ナビでは、勘定科目の省略パターン一覧表ページで勘定科目の短縮例などをまとめていますので、興味のある方は一度ご確認ください。

第3問の下書き3
第3問の下書き3(PDF版

 最後に、9つの勘定を締め切ります。なお、本問は合計試算表を作成する問題なので、各勘定を締め切るさいには借方・貸方の合計額を計算して記入しましょう。

第3問の下書き4
第3問の下書き4(PDF版

 なお、「その他」勘定は締め切り不要です。答案用紙の2月28日の金額に、「その他」勘定に計上した金額を反映させて、3月31日の金額を求めましょう。

残高試算表・合計残高試算表の場合の下書きの締め切り方

 仮に、本問の解答要求が残高試算表・合計残高試算表の場合は、以下のように締め切ると分かりやすいです。上で紹介している合計試算表の締め切り方とあわせて押さえておきましょう。

残高試算表のT勘定の締め切り方
残高試算表のT勘定の締め切り方( PDF版

 残高試算表を作成する場合、借方・貸方の合計額は不要なので、各勘定の貸借差額のみを計算して記入しましょう。

合計残高試算表のT勘定の締め切り方
合計残高試算表のT勘定の締め切り方( PDF版

 合計残高試算表を作成する場合、いったん借方・貸方の合計額を計算・記入したうえで、その下に貸借差額を記入しましょう。

参考問題のご案内

 本ページの一番下に、残高試算表と合計残高試算表の参考問題(PDF)を掲載しています。上記の下書きを使って解答することができますので、こちらもあわせてご利用ください。

平成30年3月中の仕訳一覧

平成30年3月1日の仕訳
(借)普通預金 80,000
 (貸)受取手形 80,000
平成30年3月5日の仕訳
(借)通信費 4,100
(借)租税公課 2,000
 (貸)現金 6,100

 郵便切手の購入代金は通信費、収入印紙の購入代金は租税公課で処理します。

平成30年3月7日の仕訳
(借)当座預金 294,000
(借)支払利息 6,000 ※1
 (貸)借入金 300,000

※1 300,000円×4%×6か月/12か月=6,000円

平成30年3月11日の仕訳
(借)仕入 100,000 ※2
 (貸)支払手形 79,000
 (貸)買掛金・渡辺 20,000
 (貸)現金 1,000

※2 購入代価99,000円+引取運賃1,000円=100,000円

 仕入諸掛りの処理がポイントです。本問のように特に指示がない場合は当店負担と考えて、仕入原価に含めて処理しましょう。

  • 仕入時の諸掛り
    • 当店負担:仕入原価に含めて処理
    • 仕入先負担:立替金で処理or買掛金から差し引いて処理
  • 売上時の諸掛り
    • 当店負担:発送費などで費用処理
    • 得意先負担:立替金で処理or売掛金に含めて処理
平成30年3月12日の仕訳
(借)仕入 92,000
 (貸)前払金 22,000
 (貸)買掛金・須貝 70,000
平成30年3月14日の仕訳
(借)買掛金・渡辺 40,000
 (貸)現金 40,000

 通貨代用証券のひとつである「郵便為替証書」は、受取時に現金の増加として処理します。よって、手放す時には現金の減少として処理します。

  • 通貨代用証券(帳簿上は現金で処理)
    • 郵便為替証書
    • 他人振出小切手
    • 送金小切手
平成30年3月15日の仕訳
(借)旅費交通費 8,000
 (貸)現金過不足 8,000
平成30年3月17日の仕訳
(借)支払手形 65,000
 (貸)当座預金 65,000
平成30年3月18日の仕訳
(借)受取手形 88,000
(借)売掛金・福良 94,000
 (貸)売上 182,000
(借)発送費 3,000
 (貸)現金 3,000

 売上諸掛りの処理がポイントです。当店負担の場合は、発送費で費用処理します。

平成30年3月20日の仕訳
(借)前受金 80,000
(借)売掛金・川上 74,000 ※3
 (貸)売上 150,000
 (貸)現金 4,000

※3 70,000円+4,000円=74,000円

 売上諸掛りの処理がポイントです。先方(得意先)負担の場合は、立替金もしくは売掛金で処理しますが、問題文に「掛け代金に含めて処理した」とあるので、売掛金に含めて処理しましょう。

平成30年3月21日の仕訳
(借)仕入 47,000 ※4
 (貸)買掛金・渡辺 45,000
 (貸)現金 2,000

※4 購入代価45,000円+引取運賃2,000円=47,000円

 仕入諸掛りの処理がポイントです。本問のように特に指示がない場合は当店負担と考えて、仕入原価に含めて処理しましょう。

平成30年3月22日の仕訳
(借)売上 6,000
 (貸)売掛金・川上 6,000

 売上戻りです。問題文に「同店に対する売掛金と相殺した」とあるので、売上と売掛金を相殺しましょう。

平成30年3月24日の仕訳
(借)支払手形 80,000
(借)売掛金・福良 85,000
 (貸)売上 165,000
(借)発送費 2,500
 (貸)現金 2,500

 売上諸掛りの処理がポイントです。当店負担の場合は、発送費で費用処理します。

 また、当店振り出しの約束手形を回収することにより手形代金の支払義務が消滅するので、支払手形の減少として処理します。

  • 他店振り出しの約束手形を受取:手形代金の受取権利が発生→受取手形の増加
  • 当店振り出しの約束手形を回収:手形代金の支払義務が消滅→支払手形の減少
平成30年3月25日の仕訳
(借)給料 200,000
 (貸)従業員立替金 25,000
 (貸)所得税預り金 5,000
 (貸)普通預金 170,000
平成30年3月26日の仕訳
(借)買掛金・渡辺 3,000
 (貸)仕入 3,000

 仕入戻しです。問題文に「同店に対する買掛金と相殺することとした」とあるので、仕入と買掛金を相殺しましょう。

平成30年3月27日の仕訳
(借)買掛金・須貝 51,000
 (貸)当座預金 51,000
平成30年3月28日の仕訳
(借)現金 80,000
 (貸)売掛金・福良 80,000

売掛金明細表・買掛金明細表

2月28日の金額

答案用紙の売掛金明細表と買掛金明細表

売掛金明細表

 空欄になっている「2月28日の売掛金の合計額」は、答案用紙の合計試算表の2月28日の「2,661,600 売掛金 2,350,800」の差額で求めることができます。

 また、空欄になっている「2月28日の福良商店に対する売掛金の金額」は、上で求めた合計額310,800円から川上商店に対する売掛金210,800円を差し引いて求めましょう。

  • 福良商店:310,800円-210,800円=100,000円
  • 川上商店:210,800円
    • 売掛金の合計額:2,661,600円-2,350,800円=310,800円

買掛金明細表

 空欄になっている「2月28日の買掛金の合計額」は、答案用紙の合計試算表の2月28日の「991,800 買掛金 1,351,200」の差額で求めることができます。

 また、空欄になっている「2月28日の渡辺商店に対する買掛金の金額」は、上で求めた合計額359,400円から須貝商店に対する買掛金150,000円を差し引いて求めましょう。

  • 須貝商店:150,000円
  • 渡辺商店:359,400円-150,000円=209,400円
    • 買掛金の合計額:1,351,200円-991,800円=359,400円

3月31日の金額

解答の売掛金明細表と買掛金明細表

 2月28日の金額に3月中に動いた金額を加減して、3月31日の金額を求めましょう。

  • 福良商店:100,000円+94,000円+85,000円-80,000円=199,000円
  • 川上商店:210,800円+74,000円-6,000円=278,800円
    • 売掛金の合計額:199,000円+278,800円=477,800円
  • 須貝商店:150,000円+70,000円-51,000円=169,000円
  • 渡辺商店:209,400円+20,000円+45,000円-40,000円-3,000円=231,400円
    • 買掛金の合計額:169,000円+231,400円=400,400円

 なお、「3月31日の売掛金・買掛金の合計額」は、合計試算表の3月31日の売掛金・買掛金の貸借差額と一致します。最後に必ず検算しましょう。

  • 3月31日の貸借差額
    • 売掛金:2,914,600円-2,436,800円=477,800円
    • 買掛金:1,486,200円-1,085,800円=400,400円

参考問題のご案内

 参考問題として残高試算表・合計残高試算表の答案用紙・解答をアップしておきます。

 本問の問題を使って解答することができますので、時間に余裕のある方はこちらもダウンロード・プリントアウトして問題を解いてください。

 PDFファイルは、各画像の下の「PDF版」というリンクをクリック・タップするとダウンロードすることができます。

残高試算表

残高試算表の答案用紙
残高試算表の答案用紙( PDF版
残高試算表の解答
残高試算表の解答( PDF版

合計残高試算表

合計残高試算表の答案用紙
合計残高試算表の答案用紙( PDF版
合計残高試算表の解答
合計残高試算表の解答( PDF版

ページの先頭へ