第152回日商簿記3級 予想問題「簿記ナビ模試」第3問(合計残高試算表)の解説

第3問 新論点がぎっしりつまった試算表の作成問題。完ぺきに仕上げてください!

 合計残高試算表の作成問題です。

 二重取引を考慮する必要のない試算表作成問題の解答方法は、「全仕訳を全て下書きしたうえで金額を集計する方法」と「仕訳を書かずにT勘定を使って解く方法」の2つがあります。

 本問のように処理すべき量が少ない問題は、前者の「全仕訳を全て下書きしたうえで金額を集計する方法」で解くことをおすすめします。後者の「仕訳を書かずにT勘定を使って解く方法」は解説の最後で参考情報としてご紹介します。

簿記ナビ模試3級の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
準備 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 見直し
簡単 普通 難しい 普通 難しい
5分 10分 20分 35分 10分 30分 10分

簿記3級の出題予想のご案内

 簿記検定ナビでは、2019年6月9日に行われる第152回日商簿記3級の出題予想を公開しています。

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第3問(合計残高試算表)の解説

 問題資料Bの各取引の仕訳を考えましょう。

×1年6月26日の仕訳①
(借)未払配当金 100,000
 (貸)普通預金ABC銀行 100,000

 問題資料の合計試算表の貸方に「未払配当金 100,000」が計上されているので、これを借方に振り替えましょう。

×1年6月26日の仕訳②
(借)支払家賃 150,000
(借)水道光熱費 24,000
 (貸)普通預金ABC銀行 174,000

 問題の指示に従って、支払家賃と水道光熱費を計上します。

×1年6月26日の仕訳③
(借)給料 500,000
 (貸)所得税預り金 30,000
 (貸)普通預金ABC銀行 470,000

 所得税の源泉徴収額は、所得税預り金で処理します。

×1年6月27日の仕訳①
(借)普通預金XYZ銀行 160,000
 (貸)売掛金 160,000

 売掛金の回収に関する仕訳です。

×1年6月27日の仕訳②
(借)買掛金 260,000
 (貸)電子記録債務 260,000

 買掛金を電子記録債務に振り替えます。

×1年6月28日の仕訳①
(借)普通預金ABC銀行 600,000
(借)支払手数料 500
 (貸)普通預金XYZ銀行 600,500 ※1

※1 600,000円+手数料500円=600,500円(貸借差額)

 預金の移動に関する処理です。XYZ銀行からABC銀行にお金を振り込んださいに振込手数料が発生しているので、XYZ銀行の残高から差し引いて処理しましょう。

×1年6月28日の仕訳②
(借)電子記録債権 180,000
 (貸)売掛金 180,000

 売掛金を電子記録債権に振り替えます。

×1年6月29日の仕訳①
(借)電子記録債務 350,000
 (貸)普通預金XYZ銀行 350,000

 電子記録債務の支払いに関する仕訳です。

×1年6月29日の仕訳②
(借)仕入 73,000 ※2
 (貸)買掛金 70,000
 (貸)現金 3,000

※2 購入代価70,000円+引取運賃3,000円=73,000円

 仕入諸掛りの処理がポイントです。本問のように特に指示がない場合は当店負担と考えて、仕入原価に含めて処理しましょう。

  • 仕入時の諸掛り
    • 当店負担:仕入原価に含めて処理
    • 仕入先負担:立替金で処理or買掛金から差し引いて処理
  • 売上時の諸掛り
    • 当店負担:発送費などで費用処理
    • 得意先負担:立替金で処理or売掛金に含めて処理
×1年6月29日の仕訳③
(借)受取商品券 120,000
(借)売掛金 90,000 ※3
 (貸)売上 210,000

※3 210,000円-120,000円=90,000円(貸借差額)

 代金のうち120,000円は自治体発行の商品券を受け取っているので、受取商品券で処理します。以前使われていた「商品券」では不正解になりますので、2018年度以前のテキストをお使いの方はじゅうぶんご注意ください。

×1年6月30日の仕訳①
(借)普通預金XYZ銀行 280,000
 (貸)電子記録債権 280,000

 電子記録債権の回収に関する仕訳です。

×1年6月30日の仕訳②
(借)減価償却費 10,000
 (貸)備品減価償却累計額 10,000

 減価償却日を月割りで計上します。

 仕訳は以上です。あとは、問題資料(A)の合計試算表の金額に、上記の仕訳の各勘定の金額を加算して合計額を求めたうえで、貸借差額を残高欄に記入しましょう。

参考・T勘定を使って解く方法の解答手順

 頻出する勘定(本問の場合は、現金・普通預金ABC銀行・普通預金XYZ銀行・売掛金・電子記録債権・買掛金・電子記録債務・仕入・売上の9個)についてT勘定を設定しましょう。その他の勘定科目は「その他」勘定に記入・集計します。

 各勘定の位置に決まりはありませんが、下書きを定型化するために毎回同じ場所に書くようにしましょう。

 私の場合、下書き用紙を横向きにして4等分し、一番左の列に現金預金、左から2番目の列に売上債権と売上、右から2番目の列に仕入債務と仕入、一番右の列に「その他」を書くと決めています。

第3問の下書き1
第3問の下書き1(PDF版

 次に、×1年6月25日時点の各勘定の金額を記入します。問題資料(A)の合計試算表から金額をひっぱってきましょう。

第3問の下書き2
第3問の下書き2(PDF版

 ×1年6月25日時点の金額をT勘定に記入したら、問題資料(B)の各日の取引を頭の中で仕訳して、9つの勘定に記入していきます。

 なお、「その他」勘定に記入するさいは、勘定科目を可能なかぎり省略してスピードアップを図りましょう。簿記検定ナビでは、勘定科目の省略パターン一覧表ページで勘定科目の短縮例などをまとめていますので、興味のある方は一度ご確認ください。

  • 省略例
    • 未配:未払配当金
    • 支や:支払家賃
    • 水ヒ:水道光熱費
    • 給:給料
    • 所預:所得税預り金
    • 支て:支払手数料
    • 受商:受取商品券
    • Dep:減価償却費(※英語のDepreciationから)
    • るい:備品減価償却累計額
第3問の下書き3
第3問の下書き3(PDF版

 最後に、9つの勘定を締め切ります。なお、本問は合計残高試算表を作成する問題なので、各勘定を締め切るさいにはいったん借方・貸方の合計額を計算したうえで、その下に貸借差額もあわせて記入しましょう。

第3問の下書き4
第3問の下書き4(PDF版

 なお、「その他」勘定は締め切り不要です。問題資料(A)の合計試算表の金額に、「その他」勘定に計上した金額を反映させて、×1年6月30日時点の金額を求めましょう。

残高試算表・合計試算表の場合の下書きの締め切り方

 仮に、本問の解答要求が残高試算表・合計試算表の場合は、以下のように締め切ると分かりやすいです。上で紹介している合計残高試算表の締め切り方とあわせて押さえておきましょう。

残高試算表のT勘定の締め切り方
残高試算表のT勘定の締め切り方( PDF版

 残高試算表を作成する場合、各勘定の貸借差額のみを計算して記入しましょう。借方・貸方の合計額を計算する必要はありません。

合計試算表のT勘定の締め切り方
合計試算表のT勘定の締め切り方( PDF版

 合計試算表を作成する場合、各勘定の借方・貸方の合計額を計算して記入しましょう。貸借差額を計算する必要はありません。

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