第151回日商簿記2級 予想問題「簿記ナビ模試」第5問(等級別総合原価計算)の解説

第5問 3つの材料と加工費配賦差異の処理がポイントです。積数の計算は慎重に!

 等級別総合原価計算に関する問題です。

 本問は「投入のタイミングが異なる3つの材料の処理」と「加工費配賦差異の処理」の2点がポイントになります。また、積数の計算はケアレスミスをしやすい部分なので、解答にあたってはじゅうぶんご注意ください。

簿記ナビ模試2級の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
準備 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 見直し
難しい 難しい 難しい 簡単 普通
5分 15分 25分 35分 15分 15分 10分

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第5問(等級別総合原価計算)の解説

材料費の計算

A材料・B材料・C材料の計算
A材料・B材料・C材料の計算

 3種類の材料は投入されるポイントが異なる(始点投入・途中投入・平均投入)ので、ひとつずつ考えていきましょう。

 なお、本問は問題文に「完成品と月末仕掛品への原価配分に関しては、先入先出法により計算すること」という指示があるので、先入先出法により完成品原価・月末仕掛品原価を計算しましょう。

A材料(始点投入)

 A材料は工程の始点で投入されるので、加工進捗度を考慮する必要はありません。月初仕掛品・月末仕掛品・当月完成量の個数をそのまま計算に使いましょう。

  • 月末仕掛品原価:2,056,000円÷2,000個×300個=308,400円
  • 完成品原価:103,300円+2,056,000円-308,400円=1,850,900円

B材料(途中投入)

 B材料は加工進捗度60%の時点で投入されています。

 月初仕掛品の加工進捗度は80%なので、月初仕掛品には「加工進捗度60%の時点で投入されるB材料」が投入されています。よって、B材料の月初仕掛品の個数は100個になります。

 一方、月末仕掛品の加工進捗度は40%なので、月末仕掛品には「加工進捗度60%の時点で投入されるB材料」は投入されていません。よって、B材料の月末仕掛品の個数はゼロになります。

  • 月末仕掛品原価:ゼロ
  • 完成品原価:89,500円+1,394,000円=1,483,500円

C材料(平均投入)

 C材料は工程を通じて平均的に追加投入されているので、加工費と同じように加工進捗度を加味した個数を使って完成品原価・月末仕掛品原価を計算しましょう。

  • 月末仕掛品原価:1,932,000円÷1,840個×120個=126,000円
  • 完成品原価:84,800円+1,932,000円-126,000円=1,890,800円

加工費の計算

加工費の計算
加工費の計算

 加工費に関してはいつもどおり、加工進捗度を加味した個数を使って完成品原価・月末仕掛品原価を計算しましょう。

  • 月末仕掛品原価:7,415,200円÷1,840個×120個=483,600円
  • 完成品原価:323,200円+7,415,200円-483,600円=7,254,800円

完成品原価と月末仕掛品原価

  • 月末仕掛品原価:308,400円+0円+126,000円+483,600円=918,000円
  • 完成品原価:1,850,900円+1,483,500円+1,890,800円+7,254,800円=12,480,000円

積数の計算

  • 製品W:完成品数量400個×等価係数1.0=積数400個
  • 製品X:完成品数量300個×等価係数0.8=積数240個
  • 製品Y:完成品数量500個×等価係数1.2=積数600個
  • 製品Z:完成品数量600個×等価係数0.6=積数360個
    • 積数合計:400個+240個+600個+360個=1,600個

完成品原価の按分と完成品単位原価の計算

 完成品原価を按分するさいには積数を使います。これに対し、各製品の完成品単位原価を計算するさいには、完成品数量を使います。2つを混同しないように気をつけましょう。

  • 製品W:12,480,000円×400個/1,600個=3,120,000円
  • 製品X:12,480,000円×240個/1,600個=1,872,000円
  • 製品Y:12,480,000円×600個/1,600個=4,680,000円
  • 製品Z:12,480,000円×360個/1,600個=2,808,000円
  • 製品W:3,120,000円÷400個7,800円/個
  • 製品X:1,872,000円÷300個6,240円/個
  • 製品Y:4,680,000円÷500個9,360円/個
  • 製品Z:2,808,000円÷600個4,680円/個

損益計算書の売上高の計算

  • 製品W:12,000円/個×380個=4,560,000円
  • 製品X:9,000円/個×310個=2,790,000円
  • 製品Y:14,000円/個×560個=7,840,000円
  • 製品Z:7,000円/個×570個=3,990,000円

損益計算書の売上高:4,560,000円+2,790,000円+7,840,000円+3,990,000円=19,180,000円

 損益計算書の「売上高」は、問題資料2の実際販売数量と実際販売単価を使って簡単に計算することができます。この金額は絶対に落としてはいけません。

損益計算書の当月製品製造原価の計算

 損益計算書の「当月製品製造原価」には、上で計算した完成品原価12,480,000円がそのまま入ります。

加工費配賦差異(原価差異)の処理

 問題文に「加工費配賦差異9,000円(有利差異)は、その全額を原価差異として当月の売上原価に賦課する」という指示があるので、損益計算書にて加工費配賦差異9,000円を売上原価からマイナスします。

売上原価からプラスするのかマイナスするのかを簡単に判断する方法

 加工費配賦差異を売上原価にプラスするのかマイナスするのか迷ってしまった方(または間違えてしまった方)は、以下の2ステップで考えると分かりやすいです。

ステップ1:加工費配賦差異を把握した時の仕訳
(借)加工費 9,000
 (貸)加工費配賦差異 9,000

 「不利差異→借方差異」「有利差異→貸方差異」なので、本問のように有利差異が発生した場合は加工費配賦差異を貸方に計上します。

ステップ2:売上原価に賦課した時の仕訳
(借)加工費配賦差異 9,000
 (貸)売上原価 9,000

 問題文の「原価差異として当月の売上原価に賦課する」というのは、簡単に言いかえると「配賦差異を売上原価に含めて処理する」ということになるので、ステップ1で貸方に計上した加工費配賦差異を売上原価に振り替えます。

 なお、売上原価は借方に計上される勘定科目なので、ステップ2の仕訳のように貸方に計上する場合は売上原価のマイナスとして処理します。

  • 有利差異が発生→有利差異は貸方差異→加工費配賦差異を貸方に計上→加工費配賦差異を売上原価に振り替える→売上原価を貸方に計上→売上原価のマイナスとして処理
  • 不利差異が発生→不利差異は借方差異→加工費配賦差異を借方に計上→加工費配賦差異を売上原価に振り替える→売上原価を借方に計上→売上原価のプラスとして処理

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