第152回日商簿記2級 予想問題「簿記ナビ模試」第5問(標準原価計算)の解説

第5問 標準原価計算の差異分析は今回の大本命!完ぺきに仕上げておきましょう。

 標準原価計算に関する問題です。

 標準原価計算は、第135回・第142回試験で出題されたような「差異分析の問題」と、第140回・第146回・第147回試験で出題されたような「勘定記入・仕訳などの問題」の2パターンの出題が考えられます。

 出題間隔を考えますと、第152回試験では「差異分析の問題」が出題される可能性が高いです。本問とともに第142回の過去問をきちんと押さえておきましょう。

簿記ナビ模試2級の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
準備 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 見直し
普通 難しい 普通 普通 簡単
5分 10分 30分 30分 20分 15分 10分

簿記2級の出題予想のご案内

 簿記検定ナビでは、2019年6月9日に行われる第152回日商簿記2級の出題予想を公開しています。

 過去の出題状況や最近の出題傾向を独自の視点で分析し、大問ごとの予想はもちろんのこと、各論点の重要ポイントや絶対に押さえておくべき過去問などもあわせてご紹介しています。

第5問(標準原価計算)の解説

問1 原価要素ごとの総差異の計算

 総差異の計算に必要な標準直接材料費・標準直接労務費・標準製造間接費は、問題文で与えられている1個あたりの標準製造原価に実際生産量(400個)を乗じて計算します。

  • 標準直接材料費:9,000円/個×400個=3,600,000円
  • 実際発生額:3,520,000円(※問題資料より)
    • 直接材料費総差異:3,600,000円-3,520,000円=+80,000円(貸方差異)
  • 標準直接労務費:3,200円/個×400個=1,280,000円
  • 実際発生額:1,360,000円(※問題資料より)
    • 直接労務費総差異:1,280,000円-1,360,800円=△80,800円(借方差異)
  • 標準製造間接費:4,800円/個×400個=1,920,000円
  • 実際発生額:2,100,000円(※問題資料より)
    • 製造間接費総差異:1,920,000円-2,100,000円=△180,000円(借方差異)

問2 製造間接費総差異の分解(固定予算)

 問題文に「固定予算を用いて~分解しなさい」とあるので、下の画像のような固定予算の差異分析図を書いて各差異の金額を求めましょう。

製造間接費の差異分析(固定予算)
製造間接費の差異分析(固定予算)
  • 予算差異:2,160,000円-2,100,000円=+60,000円(貸方差異)
  • 能率差異:(800時間-840時間)×@2,400円=△96,000円(借方差異)
  • 操業度差異:(840時間-900時間)×@2,400円=△144,000円(借方差異)

問3 製造間接費総差異の分解(変動予算)

 問題文の「当月の月間固定費予算額が900,000円、基準操業度が月間900時間である」から、先に固定費率を求めましょう。

  • 固定費予算額:900,000円
  • 基準操業度:900時間
  • 固定費率=固定費予算額÷基準操業度=900,000円÷900時間=@1,000円

 問題資料の標準原価カードにて標準配賦率(@2,400円)が与えられているので、先に計算した固定費率との差額で変動費率を求めましょう。

  • 標準配賦率=変動費率+固定費率
  • 変動費率=標準配賦率-固定費率=@2,400円-1,000円=@1,400円

 本問は、問題文に「変動予算を用いて~分解しなさい」とあるので、下の画像のような公式法変動予算の差異分析図(シュラッター図)を書いて各差異の金額を求めましょう。

製造間接費の差異分析(変動予算)
製造間接費の差異分析(変動予算)
  • 予算差異:(@1,400円×840時間+900,000円)-2,100,000円=△24,000円(借方差異)
  • 能率差異:(800時間-840時間)×@2,400円=△96,000円(借方差異)
  • 操業度差異:(840時間-900時間)×@1,000円=△60,000円(借方差異)

 なお、問題文の「能率差異は変動費および固定費からなるものとして計算すること」から、以下の表の「3分法①」のパターンが問われていることが分かります。よって、変動費能率差異と固定費能率差異の合計額を能率差異として把握します。

 もし仮に、問題の指示が「能率差異は変動費のみからなるものとして計算すること」なっていた場合は、以下の表の「3分法②」のパターンが問われていると判断し、変動費能率差異のみを能率差異として、固定費能率差異は操業度差異に含めて把握します。

製造間接費総差異の分析方法まとめ
4分法 3分法① 3分法②
予算差異
▲24,000円
予算差異
▲24,000円
予算差異
▲24,000円
変動費能率差異
▲56,000円
能率差異
▲96,000円
能率差異
▲56,000円
固定費能率差異
▲40,000円
操業度差異
▲100,000円
操業度差異
▲60,000円
操業度差異
▲60,000円

問4 実際発生額と差異の関係

 問題文に「当月の製造間接費の実際発生額が2,100,000円ではなく2,120,000円で、かつ、他の条件が変化しなかったと仮定する」とあるので、上で書いた差異分析図の実際発生額を2,120,000円に直して変動する差異の金額を求めましょう。

製造間接費の差異分析(固定予算)
製造間接費の差異分析(固定予算)
製造間接費の差異分析(変動予算)
製造間接費の差異分析(変動予算)

 固定予算も変動予算も、実際発生額が変動した分だけ予算差異が変動していることが分かります。他の差異の金額に変動はありません。

 よって、どちらも「予算差異20,000円変動する」が正解になります。

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