第152回日商簿記2級 予想問題「簿記ナビ模試」第3問(財務諸表)の解説

第3問 本問を使って「貸借対照表の表示科目」を今一度確認しておきましょう!

 財務諸表(貸借対照表)の作成問題です。

 下書用紙に【未処理事項および決算整理事項】の仕訳を書いて、最後に各勘定の金額を集計して答案用紙の貸借対照表を完成させましょう。

簿記ナビ模試2級の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
準備 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 見直し
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 過去の出題状況や最近の出題傾向を独自の視点で分析し、大問ごとの予想はもちろんのこと、各論点の重要ポイントや絶対に押さえておくべき過去問などもあわせてご紹介しています。

第3問(財務諸表)の解説

1.クレジット販売の処理

 クレジット払いの条件で商品を販売した場合、通常の売掛金と区別するためにクレジット売掛金で処理します(※貸借対照表では売掛金に含めて表示)。

 また、信販会社への手数料に関しては、問題文に「手数料は販売代金の3%で、販売時に計上している」とあるので、支払手数料で処理します。

解答仕訳①
(借)クレジット売掛金 77,600 ※2
(借)支払手数料 2,400 ※1
 (貸)売上 80,000

※1 80,000円×3%=2,400円

※2 80,000円-2,400円=77,600円(貸借差額)

2.貸倒引当金の繰り入れ

 まず、問題文のなお書きに「決算整理前残高試算表に計上している貸倒損失の半分は、前期以前に発生した売掛金に対する貸倒れである」とあるので、債権の貸倒れに関する仕訳を修正します。

参考仕訳1(貸倒損失計上時の仕訳を考える)
(借)貸倒損失 12,000
 (貸)売掛金 12,000
参考仕訳2(参考仕訳1の逆仕訳を考える)
(借)売掛金 12,000
 (貸)貸倒損失 12,000
参考仕訳3(正しい仕訳を考える)
(借)貸倒損失 6,000
(借)貸倒引当金 6,000
 (貸)売掛金 12,000
解答仕訳②-1(参考仕訳2と3をまとめる)
(借)売掛金 12,000
 (貸)貸倒損失 12,000 6,000
(借)貸倒損失 6,000
(借)貸倒引当金 6,000
 (貸)売掛金 12,000

(借)貸倒引当金 6,000
 (貸)貸倒損失 6,000

 次に、売上債権(受取手形・売掛金・クレジット売掛金)と貸倒引当金の期末残高を把握しましょう。上で切った仕訳の中にこれらに関するものがあれば、忘れずに加減しましょう。

  • クレジット売掛金:210,000円(=132,400円+77,600円
  • 受取手形:2,022,000円
  • 売掛金:1,868,000円
  • 貸倒引当金:26,000円(=32,000円-6,000円

 まず、クレジット売掛金の期末残高210,000円に1%を乗じ、受取手形と売掛金の合計額3,890,000円に2%を乗じて貸倒引当金要設定額79,900円を算定しましょう。

 さらに、本問は差額補充法を採用しているので、貸倒引当金の期末残高26,000円との差額53,900円(=79,900円-26,000円)を貸倒引当金繰入で処理します。

解答仕訳②-2
(借)貸倒引当金繰入 53,900
 (貸)貸倒引当金 53,900

 また、問題文に「貸付金の期末残高に対して4%の貸倒引当金を設定する」とあるので、決算整理前残高試算表の貸付金の金額300,000円に4%を乗じて貸倒引当金要設定額12,000円を算定しましょう。

 なお、営業外債権に分類される貸付金に対する貸倒引当金繰入は販売費及び一般管理費の欄ではなく、営業外費用の欄に計上します。参考までにご確認ください。

  • 売上債権にかかる貸倒引当金繰入53,900円:損益計算書の販売費及び一般管理費の欄に計上する
  • 営業外債権にかかる貸倒引当金繰入12,000円:損益計算書の営業外費用の欄に計上する
解答仕訳②-3
(借)貸倒引当金繰入 12,000
 (貸)貸倒引当金 12,000

 さらに、答案用紙の「固定資産 長期貸付金」から、この貸付金の返済日が決算日の翌日から起算して1年超であることが分かるので、貸付金を長期貸付金に振り替えましょう。

  • 貸付金の貸借対照表の表示科目
    • 決算日の翌日から起算して1年以内に返済日が到来するもの:短期貸付金(流動資産)
    • 決算日の翌日から起算して1年を超えて返済日が到来するもの:長期貸付金(固定資産)
解答仕訳②-4
(借)長期貸付金 300,000
 (貸)貸付金 300,000

 クレジット売掛金は、貸借対照表では売掛金に含めて表示するため、貸借対照表の売掛金はクレジット売掛金と売掛金の期末残高の合計額になります。ご注意ください。

210,000円+1,868,000円=2,078,000円

3.売上原価の計算と期末商品の評価

 期首商品棚卸高・当期商品仕入高は、決算整理前残高試算表の繰越商品・仕入の金額から引っ張ってきましょう。期末商品棚卸高は、問題の資料の「帳簿棚卸数量」と「帳簿価額」を使って算定します。

  • 期首商品棚卸高:1,089,000円(資料Ⅰより)
  • 当期商品仕入高:7,389,000円(資料Ⅰより)
  • A商品の期末商品棚卸高:312,000円(=400個×@780円)
  • B商品の期末商品棚卸高:168,000円(=200個×@840円)
  • C商品の期末商品棚卸高:588,000円(=600個×@980円)
    • 期末商品棚卸高合計:312,000円+168,000円+588,000円=1,068,000円
解答仕訳③-1(売上原価の計算)
(借)仕入 1,089,000円
 (貸)繰越商品 1,089,000円
(借)繰越商品 1,068,000
 (貸)仕入 1,068,000

 次に、棚卸減耗損と商品評価損の金額を算定します。

  • A商品の棚卸減耗損:(400個-360個)×@780円=31,200円
  • B商品の棚卸減耗損:(200個-180個)×@840円=16,800円
  • C商品の棚卸減耗損:(600個-570個)×@980円=29,400円
    • 棚卸減耗損の合計額:31,200円+16,800円+29,400円=77,400円
  • A商品の商品評価損:ゼロ(帳簿価額=時価だから)
  • B商品の商品評価損:ゼロ(帳簿価額<時価だから)
  • C商品の商品評価損:(@980円-@960円)×570個=11,400円
    • 商品評価損の合計額:11,400円
解答仕訳③-2(棚卸減耗損および商品評価損の計上)
(借)棚卸減耗損 77,400
(借)商品評価損 11,400
 (貸)繰越商品 88,800

 なお、答案用紙の貸借対照表の商品勘定の金額は、期末実地棚卸高979,200円(=1,068,000円-77,400円-11,400円)になります。期末商品棚卸高の金額にしないように気をつけてください。

 さらに、問題文に「売上原価の内訳科目として処理している」という指示があるので、棚卸減耗損と商品評価損を仕入に振り替えます。

解答仕訳③-3(棚卸減耗損および商品評価損を仕入に振り替える)
(借)仕入 88,800
 (貸)棚卸減耗損 77,400
 (貸)商品評価損 11,400

 実際に問題を解くさいには、上記の3本の仕訳は不要です。

 なぜなら、貸借対照表の作成問題では商品の期末実地棚卸高のみを把握すれば足りるからです。売上原価・棚卸減耗損・商品評価損の各金額を計算する必要はありません。

 問題資料から「360個」「@780円」「180個」「@840円」「570個」「@960円」をピックアップして、電卓でサクッと期末実地棚卸高を計算しましょう。

360個×@780円+180個×@840円+570個×@960円=979,200円

4.収益の未収と費用の未払い

 定期預金は、預入期間24か月(×5年2月1日~×7年1月31日)のうち、当期に属する期間は2か月(×5年2月1日~×5年3月31日)なので、2か月分の利息を未収計上します。

 一方、借入金は、前回の利払日の翌日から決算日までの4か月分の利息(×4年12月1日~×5年3月31日)を未払計上します。

解答仕訳④-1
(借)未収利息 200 ※3
 (貸)受取利息 200
(借)支払利息 5,000 ※4
 (貸)未払利息 5,000

※3 1,200,000×0.1%×2か月/12か月=200円

※4 600,000円×2.5%×4か月/12か月=5,000円

 さらに、問題資料の「定期預金の満期日:×7年1月31日」と答案用紙の「固定負債 長期借入金」から、定期預金の満期日および借入金の返済日が、決算日の翌日から起算して1年超であることが分かるので、現金預金の一部を長期性預金に振り替えるとともに借入金を長期借入金に振り替えましょう。

  • 定期預金の貸借対照表の表示科目
    • 決算日の翌日から起算して1年以内に満期日が到来するもの:現金預金など(流動資産)
    • 決算日の翌日から起算して1年を超えて満期日が到来するもの:長期性預金(固定資産)
  • 借入金の貸借対照表の表示科目
    • 決算日の翌日から起算して1年以内に返済日が到来するもの:短期借入金(流動負債)
    • 決算日の翌日から起算して1年を超えて返済日が到来するもの:長期借入金(固定負債)
解答仕訳④-2
(借)長期性預金 1,200,000
 (貸)現金預金 1,200,000
(借)借入金 600,000
 (貸)長期借入金 600,000

5.固定資産の減価償却

 問題文の「固定資産の期首の残高を基礎として、建物については ¥ 4,000、備品については ¥ 2,000を、4月から2月までの11か月間に毎月見積り計上してきており」から、毎月、以下のような仕訳を切っていたことが分かります。

参考:毎月、減価償却費を見積り計上する仕訳
(借)減価償却費 6,000
 (貸)建物減価償却累計額 4,000
 (貸)備品減価償却累計額 2,000

 また、「決算月も同様の処理を行う」とあるので、同じように3月分の減価償却費を計上します。

解答仕訳⑤-1
(借)減価償却費 6,000
 (貸)建物減価償却累計額 4,000
 (貸)備品減価償却累計額 2,000

 上記の仕訳に加えて、備品の取得原価のうち60,000円は毎月の見積り計上の対象になっていないので、決算において4か月分(×4年12月~×5年3月)の減価償却費を月割りで計上します。

 なお、本問は備品の償却率が与えられていませんが、「200%定率法」「耐用年数:5年」から、40%(=1÷5年×200%)と判断して処理します。200%定率法と250%定率法の償却率は自分で計算できるようにしておきましょう。

  • 200%定率法の償却率:1÷耐用年数×200%
  • 250%定率法の償却率:1÷耐用年数×250%
解答仕訳⑤-2
(借)減価償却費 8,000 ※5
 (貸)備品減価償却累計額 8,000

※5 60,000円×40%×4か月/12か月=8,000円

6.有価証券の評価替え

 問題文に「有価証券はすべて当期に取得した」とあるので、決算整理前残高試算表の金額(購入原価)と期末時価との差額を、有価証券評価損益またはその他有価証券評価差額金で処理します。

 なお、その他有価証券については税効果会計を適用する旨の指示があるので、その他有価証券評価差額金の評価益相当額2,000円のうち、法定実効税率の40%分は繰延税金負債で処理し、残額をその他有価証券評価差額金で処理しましょう。

解答仕訳⑥-1
(借)有価証券評価損 2,000 ※6
 (貸)売買目的有価証券 2,000
(借)その他有価証券 2,000 ※7
 (貸)繰延税金負債 800 ※8
 (貸)その他有価証券評価差額金 1,200 ※9

※6 50,000円-48,000円=2,000円

※7 72,000円-70,000円=2,000円

※8 2,000円×40%=800円

※9 2,000円-800円=1,200円(貸借差額)

 さらに、貸借対照表上では全ての有価証券を「有価証券(流動資産)」「投資有価証券(固定資産)」「関係会社株式(固定資産)」の3つに分類して表示するため、売買目的有価証券を有価証券に振り替えるとともにその他有価証券を投資有価証券に振り替えます。

 この機会に有価証券関連の貸借対照表の表示科目を確認しておきましょう。

  • 有価証券(流動資産)
    • 売買目的有価証券
    • 満期日まで1年以内の満期保有目的債券
    • 満期日まで1年以内のその他有価証券(公社債)
  • 投資有価証券(固定資産)
    • 満期日まで1年超の満期保有目的債券
    • 満期日まで1年超のその他有価証券(公社債)
    • その他有価証券(株式)
  • 関係会社株式(固定資産)
    • 子会社株式
    • 関連会社株式
解答仕訳⑥-2
(借)有価証券 48,000
 (貸)売買目的有価証券 48,000
(借)投資有価証券 72,000
 (貸)その他有価証券 72,000

7.のれんとソフトウェアの償却

 まず、問題文の「のれんは×1年10月1日に松本楽器株式会社を買収した時に取得した」から、前期末(×4年3月31日)時点で2年6か月(30か月)分の償却が済んでいることが分かります。

  • のれんの償却期間:120か月(10年)
  • 前期末までに償却した期間:30か月(2年6か月)
  • 残りの償却期間:120か月-30か月=90か月(7年6か月)
  • 当期に属する期間:12か月(1年)
  • 決算整理前残高試算表ののれんの金額:300,000円

 残りの償却期間90か月で、決算整理前残高試算表ののれんの金額300,000円を月割均等償却します。

解答仕訳⑦-1
(借)のれん償却 40,000 ※10
 (貸)のれん 40,000

※10 300,000円×12か月/90か月=40,000円

 また、購入した自社利用目的のソフトウェアの購入日が×4年9月10日なので、当期に属する7か月分(×4年9月~×5年3月)を月割均等償却します。

  • ソフトウェアの償却期間:60か月(5年)
  • 当期に属する期間:7か月
  • 決算整理前残高試算表のソフトウェアの金額:60,000円
解答仕訳⑦-2
(借)ソフトウェア償却 7,000 ※11
 (貸)ソフトウェア 7,000

※11 60,000円×7か月/60か月=7,000円

8.再振替仕訳と費用の未払計上

 まず、前期末に切った費用の未払計上の仕訳をイメージしましょう。

参考:前期末に切った費用の未払計上の仕訳
(借)給料 54,000
(借)水道光熱費 9,000
 (貸)未払費用 63,000

 上記の仕訳を踏まえたうえで再振替仕訳を考えますが、逆仕訳を切るだけです。また、当期の費用の未払計上の仕訳も、前期末(上の参考仕訳)と同じ形になるので簡単です。

解答仕訳⑧
(借)未払費用 63,000
 (貸)給料 54,000
 (貸)水道光熱費 9,000
(借)給料 60,000
(借)水道光熱費 12,000
 (貸)未払費用 72,000

9.保険料の前払い

 本問のように、毎年一定額の保険料を支払っていた場合は、前期末の費用の前払いの仕訳から順番に考えていくと分かりやすいです。

参考:前期末の(費用の前払いの)仕訳
(借)前払保険料 6か月分の保険料
 (貸)保険料 6か月分の保険料

 上記仕訳の金額部分の「6か月分の保険料」というのは、文字どおり当期の4月1日から9月30日までの6か月分の保険料を意味します。この時点では具体的な金額が分からないので、暫定的に「6か月分の保険料」としています。

 次に、この仕訳を参考にして当期首の再振替仕訳を考えますが、前期末の仕訳の逆仕訳をするだけです。

参考:当期首(4月1日)の再振替仕訳
(借)保険料 6か月分の保険料
 (貸)前払保険料 6か月分の保険料

 次に、10月1日(保険料支払日)の仕訳を考えますが、この時点でも具体的な金額が分からないので、金額部分は「12か月分の保険料」としておきましょう。

参考:10月1日に1年分の保険料を支払った時の仕訳
(借)保険料 12か月分の保険料
 (貸)現金など 12か月分の保険料

 この結果、決算整理前残高試算表に計上されている保険料34,200というのは、期首に計上した6か月分の保険料+期中に計上した12か月分の保険料18か月分の保険料ということになるので、34,200を18で割って、1か月あたりの保険料1,900円を算定します。

  • 4月1日に計上した保険料:6か月分の保険料
  • 10月1日に計上した保険料:12か月分の保険料
  • 当期中に計上した保険料:18か月分の保険料(=6か月分の保険料+12か月分の保険料)
  • 決算整理前残高試算表に計上されている保険料:34,200円
  • 1か月あたりの保険料:1,900円(=34,200円÷18か月分の保険料)

 1か月あたりの保険料を算定できたら、最後に、本問で問われている費用の前払いの仕訳を考えます。この仕訳の金額については今までのように「~か月分の保険料」という形ではなくて、1か月あたりの保険料を元に計算した金額を記入しましょう。

 具体的には、6か月分の費用の前払処理を行うので、1か月あたりの保険料1,900円×6か月=11,400円と計算します。

解答仕訳⑨
(借)前払保険料 11,400 ※12
 (貸)保険料 11,400

※12 @1,900円×6か月=11,400円

 なお、本問では問われていませんが、決算日の翌日から起算して1年を超える分の費用を前払いした場合、1年を超える分については長期前払費用(固定資産)で処理します。

 参考までに、費用の前払いに関する貸借対照表の表示科目を確認しておきましょう。

  • 保険料などの費用
    • 当期に属する分:保険料(費用処理)
    • 決算日の翌日から起算して1年以内のもの:前払費用(流動資産)
    • 決算日の翌日から起算して1年を超えるもの:長期前払費用(固定資産)

10.法人税等の処理

 問題文に「当期の課税所得は ¥ 308,000 である」とあるので、これに法定実効税率40%を乗じて法人税等の金額を計算しましょう。

 さらに、決算整理前残高試算表に「仮払法人税等 56,600」があるので、先に求めた法人税等との差額を未払法人税等で処理します。

解答仕訳⑩
(借)法人税、住民税及び事業税 123,200 ※13
 (貸)仮払法人税等 56,600
 (貸)未払法人税等 66,600 ※14

※13 当期の課税所得308,000円×40%=123,200円

※14 123,200円-56,600円=63,400円(貸借差額)

11.税効果会計

 問題資料から、将来減算一時差異が8,000円(=32,000円-24,000円)増加していることが分かるので、これに法定実効税率(40%)を乗じて繰延税金資産を追加計上します。

解答仕訳⑪
(借)繰延税金資産 3,200 ※15
 (貸)法人税等調整額 3,200

※15 (32,000円-24,000円)×40%=3,200円

 なお、決算整理後の繰延税金資産の金額は12,800円、繰延税金負債の金額は800円になるので、両者を相殺した純額12,000円を貸借対照表の固定資産の「繰延税金資産」に表示します。

  • 繰延税金資産・繰延税金負債の貸借対照表の表示方法
    • 「繰延税金資産>繰延税金負債」の場合:純額を固定資産の「繰延税金資産」に表示
    • 「繰延税金資産<繰延税金負債」の場合:純額を固定負債の「繰延税金負債」に表示
  • 本問の場合は…
    • 決算整理後の繰延税金資産:決算整理前残高9,600円+解答仕訳⑪の3,200円=12,800円
    • 決算整理後の繰延税金負債:解答仕訳⑥-1の800円
    • 純額12,000円(=12,800円-800円)を貸借対照表の固定資産の「繰延税金資産」に表示

仕訳を考えるさいのポイント

 将来減算一時差異は、差異が解消されるときに課税所得(とそれを元に計算される税金)がマイナスされる一時差異です。

 将来の税金が安くなるということは、実質的には法人税を前払いしている形になるので、この「将来の税金が安くなる権利」を繰延税金資産(資産)という勘定を使って処理します。

  • 将来減算一時差異が増えた場合 → 法人税の前払分が増える → 繰延税金資産が増える
  • 将来減算一時差異が減った場合 → 法人税の前払分が減る → 繰延税金資産が減る
将来減算一時差異が増えた場合の仕訳(本問)
(借)繰延税金資産 ××× ※16
 (貸)法人税等調整額 ×××
将来減算一時差異が減った場合の仕訳
(借)法人税等調整額 ××× ※16
 (貸)繰延税金資産 ×××

※16 将来減算一時差異の増減額×法定実効税率

 一方、将来加算一時差異は、差異が解消されるときに課税所得(とそれを元に計算される税金)がプラスされる一時差異です。

 将来の税金が高くなるということは、実質的には法人税の未払いという形になるので、この「将来の税金が高くなる義務」を繰延税金負債(負債)という勘定を使って処理します。

  • 将来加算一時差異が増えた場合 → 法人税の未払分が増える → 繰延税金負債が増える
  • 将来加算一時差異が減った場合 → 法人税の未払分が減る → 繰延税金負債が減る
将来加算一時差異が増えた場合の仕訳
(借)法人税等調整額 ××× ※17
 (貸)繰延税金負債 ×××
将来加算一時差異が減った場合の仕訳
(借)繰延税金負債 ××× ※17
 (貸)法人税等調整額 ×××

※17 将来加算一時差異の増減額×法定実効税率

繰越利益剰余金の算定方法

 繰越利益剰余金については、損益計算書を自作して当期純利益(180,000円)を計算し、これに決算整理前残高試算表の金額(2,836,900円)を加えて計算するか、もしくは、答案用紙の貸借対照表の貸借差額で計算するかの2パターンの算定方法が考えられます。

 ただ、限られた解答時間の中で損益計算書を自作するのは現実的ではないため、基本的には「捨て問(解かずに捨てるべき問題)」と考えてください。

 解答時間が余った場合にのみ「合ってたらラッキー」ぐらいの気持ちで、答案用紙の貸借対照表の貸借差額でサクッと計算しましょう。

集計時のちょっとしたテクニック

 解答の流れとしては、問題資料の【未処理事項等および決算整理事項】の仕訳を下書きし、答案用紙の貸借対照表を完成させる形が一般的ですが、下書きが完成した時点で損益計算書に関する勘定科目には打ち消し線を引いて集計から除外しましょう。

 本問は貸借対照表のみを作成する問題なので、損益計算書に関する勘定科目の増減は関係ありません。貸借対照表に関する勘定科目のみを効率よく集計するために、また、集計もれを防ぐために、集計作業に先立って損益計算書に関する勘定科目を除外しておくことをおすすめします。

参考問題(損益計算書)のご案内

 参考問題として損益計算書の答案用紙・解答のPDFをアップしておきます。

 本問の問題資料をそのまま使うことができますので、時間に余裕のある方はこちらもダウンロード・プリントアウトして問題を解いてください。

参考問題の答案用紙
参考問題の答案用紙(PDF版
参考問題の解答
参考問題の解答(PDF版

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