第134回日商簿記検定2級・仕訳類題3(社債の買入償還)

仕訳問題(類題)

 平成25年度の期首に、額面総額 ¥ 6,000,000 の社債を ¥ 100 につき ¥ 97.50 で全額買入償還し、代金は小切手を振り出して支払った。この社債は平成23年1月1日に額面 ¥ 100 につき ¥ 96.00 で発行(償還期間:4年)したものであり、償却原価法(定額法)を適用している。なお、決算日は12月31日である。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金 当座預金 売掛金 前受金
買掛金 未払金 未収入金 社債
社債償還益 手形売却損 社債利息 社債償還損

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
社債 5,880,000 当座預金
社債償還益
5,850,000
30,000

解説

 社債の買入償還に関する問題です。社債は通常、満期日に償還(「満期償還」と呼ばれています)しますが、満期日前に時価で償還することもできます。

 社債の買入償還に関しては苦手意識を持つ受験生が多いですが、解答手順はいたってシンプルです。まず社債の帳簿価額を算定し、その後、時価との差額を社債償還損または社債償還益勘定で処理します。

社債の帳簿価額を算定

 まず、問題文の「この社債は平成23年1月1日に額面 ¥ 100 につき ¥ 96.00 で発行(償還期間:4年)」という一文から、償還日の2年前に社債を額面100円につき96円で発行したことが分かります。

 また、問題文の「償却原価法(定額法)を適用している」という一文から、額面100円と発行価額96円の差額4円を償還期間4年で調整するために、4円÷4年=1円/年ずつ期末に評価替えをしていることが分かります。

 本問の場合、社債を発行したのが平成23年1月1日で、償還するのが平成25年1月1日(当期首)なので、既に平成23年12月31日と平成24年12月31日に社債の評価替えを行なっていることになります。

【参考】平成23年1月1日の社債の発行の仕訳
(借)現金など 5,760,000
 (貸)社債 5,760,000
【参考】平成23年12月31日の社債の評価替えの仕訳
(借)社債利息 60,000
 (貸)社債 60,000
【参考】平成24年12月31日の社債の評価替えの仕訳
(借)社債利息 60,000
 (貸)社債 60,000

時価との差額を社債償還損または社債償還益勘定で処理

 上記の3本の仕訳から、償還日の社債の帳簿価額が5,880,000円(=5,760,000円+60,000円+60,000円)と判明するので、買入価額5,850,000円(=6,000,000円×97.5円/100円)との差額30,000円を社債償還益として処理します。

 解答手順の解説は以上となりますが、以下のような計算過程で各勘定の金額を素早く算定することもできます。参考までにご確認ください。

 「発行から償還まで2年経過 → 差額の4円のうち2円は調整済み → 96円+2円=98円 → 6,000,000円×98円/100円で借方の社債の金額を算定 → さらに6,000,000円×97.5円/100円で貸方の当座預金の金額を算定 → 最後に6,000,000円×(98円-97.5円)/100円で貸方の償還益の金額を算定するとともに、貸借差額でも同額になるかダブルチェック」

 なお、社債の買入償還に関する問題は、第107回の問4でも出題されています。



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