第123回日商簿記検定3級・仕訳問題5(売上戻り・自家消費)

仕訳問題

 津軽商店に対して掛けで販売した商品80個(原価:@8,000円、売価:@10,000円)のうち、3個が破損していたため返品されてきたが、商品パッケージが著しく破損していたため、店主が自家消費することとした。

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勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金 当座預金 受取手形 売掛金
現金過不足 売買目的有価証券 未収金 前払金
立替金 仮払金 備品 支払手形
買掛金 未払金 前受金 預り金
引出金 仕入 消耗品費 有価証券評価損
有価証券売却損 固定資産売却損 雑損 売上
有価証券評価益 有価証券売却益 固定資産売却益 雑益

矢印画像

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解答・解説

借方科目 金額 貸方科目 金額
売上
引出金
30,000
24,000
売掛金
仕入
30,000
24,000

 売上戻り・自家消費に関する問題です。本問はかなり難しい問題ですので、【売上戻りに関する取引】と【自家消費に関する取引】とに分けて考えることをおすすめします。

売上戻りに関する取引

 この取引に関しては売上時の逆仕訳をしてやればいいだけですので特に問題ないと思います。

売上時の仕訳(戻り分のみ)
(借)売掛金 30,000 (貸)売上 30,000
解答①
(借)売上 30,000 (貸)売掛金 30,000

自家消費に関する取引

 こちらの取引が少々厄介です。問題文に「3個が破損していたため返品されてきたが、商品パッケージが著しく破損していたため、店主が自家消費することとした」とありますので、お店の商品を私用で使ったということが分かります。


 ではここで簡単な例題を使って自家消費の仕訳を考えていきたいと思います。まず、会社のお金を使ってA商品(原価:@10,000円、売価:@15,000円)を販売用に7個と自家消費用に3個の合計10個を仕入れた場合、仕訳は以下のようになります。

自家消費の例題①
(借)仕入
(借)引出金
70,000
30,000
(貸)現金など 100,000

 自家消費用の商品3個(原価:@10,000円)については、本来であれば店主のポケットマネーから支出すべきものですから、会社財産から支出した場合は会社の純資産の減少を認識するために、資本金または資本金の評価勘定である引出金を借方に計上して処理することになります。

 では次に、仕入時には自家消費を想定していなかったが、仕入後に自家消費することになった場合の仕訳を考えていきます。まず仕入時には自家消費を想定していない訳ですから、10個全部を通常の仕入として処理することになります。

自家消費の例題②
(借)仕入 100,000 (貸)現金など 100,000

 上記の仕訳を前提に、自家消費を反映させる仕訳を切ることになりますが、結局は最初から自家消費するつもりだった仕訳(①)と同じ結果になるわけですから、②を①に修正する仕訳を切ってやれば良いことになります。

自家消費を反映させるための仕訳(②→①)
(借)引出金 30,000 (貸)仕入 30,000

 ではここで、本問に戻ってみましょう。問題文に「3個が破損していたため返品されてきたが、商品パッケージが著しく破損していたため、店主が自家消費することとした」とありますので、「仕入時には自家消費を想定していなかったが、仕入後に自家消費することになった」という上の仕訳と同じパターンであることがお分かりいただけると思います。

 よって、自家消費を反映させる以下のような仕訳を切ることになります。24,000円という金額は、原価8,000円に数量3を掛けて算定しますが、この際に売価を使わないように気をつけてください。本問の自家消費に関しては売価のデータを使うことはありません。

解答②
(借)引出金 24,000 (貸)仕入 24,000

 ①②の仕訳をまとめると解答になりますが、本問はかなり難しい問題ですので、時間に余裕の無い方は思い切って捨ててもいいと思います。なお、引出金という勘定科目については、特に指定が無い場合は資本金勘定で処理しても正解となります。



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