第123回日商簿記検定2級・仕訳類題4(社債の満期償還)

仕訳問題(類題)

 平成15年4月1日に、償還期限6年、年利率2%(利払日は9月末および3月末の年2回)で、額面 ¥ 100 につき ¥ 97.00 で発行した総額 ¥ 10,000,000 の社債が満期となり、当期分の利息を含めて、平成21年3月31日に小切手を振り出して全額償還をした。なお、同日の決算にさいして、毎期末に行われている社債の評価替えを償却原価法(定額法)により行った。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金 当座預金 未収入金 仮払金
未払金 仮受金 未払利息 社債
有価証券利息 支払利息 社債利息 手形売却損

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
社債利息
社債
社債利息
50,000
10,000,000
100,000
社債
当座預金
50,000
10,100,000

解説

 社債の満期償還に関する問題です。社債に関しては苦手意識を持っていらっしゃる方が多い論点ですので、参考までに、今回は社債発行時の仕訳から順番にチェックしていきましょう。

平成15年4月1日(社債の発行)
(借)当座預金など 9,700,000
 (貸)社債 9,700,000
平成15年9月30日(利息の支払い)
(借)社債利息 100,000
 (貸)当座預金など 100,000
平成16年3月31日(利息の支払い&社債の評価替え)
(借)社債利息 100,000
 (貸)当座預金など 100,000
(借)社債利息 50,000
 (貸)社債 50,000

※平成15年度の貸借対照表に表示される社債の金額→9,750,000円

平成16年9月30日(利息の支払い)
(借)社債利息 100,000
 (貸)当座預金など 100,000
平成17年3月31日(利息の支払い&社債の評価替え)
(借)社債利息 100,000
 (貸)当座預金など 100,000
(借)社債利息 50,000
 (貸)社債 50,000

※平成16年度の貸借対照表に表示される社債の金額→9,800,000円

平成17年9月30日(利息の支払い)
(借)社債利息 100,000
 (貸)当座預金など 100,000
平成18年3月31日(利息の支払い&社債の評価替え)
(借)社債利息 100,000
 (貸)当座預金など 100,000
(借)社債利息 50,000
 (貸)社債 50,000

※平成17年度の貸借対照表に表示される社債の金額→9,850,000円

平成18年9月30日(利息の支払い)
(借)社債利息 100,000
 (貸)当座預金など 100,000
平成19年3月31日(利息の支払い&社債の評価替え)
(借)社債利息 100,000
 (貸)当座預金など 100,000
(借)社債利息 50,000
 (貸)社債 50,000

※平成18年度の貸借対照表に表示される社債の金額→9,900,000円

平成19年9月30日(利息の支払い)
(借)社債利息 100,000
 (貸)当座預金など 100,000
平成20年3月31日(利息の支払い&社債の評価替え)
(借)社債利息 100,000
 (貸)当座預金など 100,000
(借)社債利息 50,000
 (貸)社債 50,000

※平成19年度の貸借対照表に表示される社債の金額→9,950,000円

 社債に関しては上記のような流れで仕訳が切られてきたことになります。これらの仕訳は社債を理解するうえで必要不可欠なものですので、理解が不十分な方はテキストに戻って復習してください。


 では早速、問題を解いていきましょう。まず問題文に「同日の決算にさいして、毎期末に行われている社債の評価替えを償却原価法(定額法)により行った」とあるので、社債の償還に先立って、社債の評価替え(償却原価法の適用)の仕訳を切ります。

解答①
(借)社債利息 50,000
 (貸)社債 50,000

 解答①の仕訳を切ることにより、社債金額が9,950,000円から10,000,000円(額面総額)に評価替えされますので、次に社債の満期償還に関する仕訳を切ります。なお、満期償還の場合は償還損益を認識することはありえませんのでご注意ください。

解答②
(借)社債 10,000,000
 (貸)当座預金 10,000,000

 最後に、利息の支払いに関する仕訳を切りますが、これに関しては前年度以前の仕訳と同様に半年分の利息の支払いを認識するだけなので、特に問題はないと思います。

解答③
(借)社債利息 100,000
 (貸)当座預金 100,000

 以上、解答①②③の仕訳をまとめると正解の仕訳になります。社債の満期償還は、償還損益の計算が必要な繰上償還よりも簡単な場合が多いですが、社債の評価替えを忘れてしまう方が結構いらっしゃるようですので、必ず「社債の評価替え」→「社債の満期償還」という順番で処理するようにしてください。

 社債の満期償還に関する問題は、第104回の問5第110回の問4でも出題されています。



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