第113回日商簿記検定3級・仕訳類題1(手形取引)

仕訳問題(類題)

 仕入先稲葉商店から ¥ 100,000 の為替手形の引き受けを求められたので、これに記名押印して同店に渡した。なお、当店はこの仕入先に対して ¥ 250,000 の商品代金の未払いがある。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
売掛金 買掛金 仕入 受取手形
支払手形 未払金 前払金 仮払金

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
買掛金 100,000 支払手形 100,000

解説

 為替手形の引き受けに関する問題です。為替手形については苦手意識をもっていらっしゃる方が多いようですが、その原因は「暗記」で対応しようとしているからです。為替手形の論点に関してはぜひ「理解」するようにしてください。

 さて本問では、問題文に「当店はこの仕入先に対して ¥ 250,000 の商品代金の未払いがある」とありますが、これは稲葉商店に対して買掛金が250,000円あることを意味します。ここで、稲葉商店とは以下のようなやりとりがあったと考えると分かりやすいと思います。

  • 稲葉商店…「どうも、稲葉商店店主の稲葉一鉄です。」
  • 当店…「どうもどうも、美濃三人衆のお一人でいらっしゃる稲葉さん。何か御用ですか?」
  • 稲葉商店…「あのさー、うちっておたくに対する売掛金250,000円ありますよねぇ。」
  • 当店…「確かに稲葉商店に対する買掛金250,000円ありますねぇ。」
  • 稲葉商店…「今回さー、仕入代金の決済にこの売掛金を使いたいんだけどいいですかねぇ?」
  • 当店…「仕入に伴って発生する新たな債務と、うちに対する債権を相殺したいんですね。」
  • 稲葉商店…「そうなんですよ。為替手形を引き受けてもらえます?」
  • 当店…「じゃあうちが手形を引き受けましょう。すぐに記名押印してお渡ししますね。」
  • 稲葉商店…「ありがとうございます。では手形分だけ売掛金を減らしておきますね」
  • 当店…「うちも手形分だけ、おたくに対する買掛金減らしちゃいますねー。」

 いかがでしょうか?為替手形に関しては、このように会話形式で考えるとイメージしやすくなると思います。

 それではまず稲葉商店から考えてみましょう。稲葉商店は、仕入にともない発生した代金の支払いを、当店に対する売掛金で支払っていますので、以下のような仕訳を切ります。

(借)仕入 100,000
 (貸)売掛金 100,000

 では次に当店を考えてみましょう。当店は為替手形を引き受けたことにより手形債務が発生しましたが、同額だけ稲葉商店に対する買掛金が減少していますので、以下のような仕訳を切ります。

本問の解答
(借)買掛金 100,000
 (貸)支払手形 100,000

 最後に稲葉商店に商品を販売した商店の仕訳を考えてみましょう。この商店は売上にともない発生した債権を、当店引き受けの為替手形で受け取っていますから、受取手形の増加を認識します。

(借)受取手形 100,000
 (貸)売上 100,000

 為替手形に関しては、上記のように三者の仕訳を考えると理解が深まりますので、練習段階では必ず三者の仕訳を考えるクセをつけてください。ひとつひとつ分けて考えていくと別に難しくもなんともない、ということがお分かりいただけると思います。



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