第110回日商簿記検定3級・仕訳類題2(仕入取引・手形取引)

仕訳問題(類題)

 高坂商店から商品 ¥ 300,000 を仕入れ、代金のうち ¥ 200,000 については得意先馬場商店振り出し、山本商店あての為替手形を裏書譲渡し、残額については、かねてより売掛金のある得意先内藤商店あての為替手形を、同店の引き受けを得て振り出した。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
受取手形 売掛金 未収入金 前払金
支払手形 買掛金 未払金 仕入

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
仕入 300,000 受取手形
売掛金
200,000
100,000

解説

 仕入取引に関する問題です。この問題は【裏書手形に関する仕訳】【為替手形に関する仕訳】に分けて考えると分かりやすいです。

裏書手形に関する仕訳

 問題文に「代金のうち ¥ 200,000 については得意先馬場商店振り出し、山本商店あての為替手形を裏書譲渡」とありますから、当店が所有している受取手形を高坂商店に譲渡する仕訳をきることになります。

(借)仕入 200,000
 (貸)受取手形 200,000

為替手形に関する仕訳

 問題文に「残額については、かねてより売掛金のある得意先内藤商店あての為替手形を、同店の引き受けを得て振り出した」とあるので、為替手形を振り出したことが分かります。これに関しては得意先である山本商店との間で以下の会話があったとイメージすると分かりやすいかもしれません。

  • 当店…「こんちは~。武田家の伝説的軍師である山本勘助社長はいらっしゃいますか~?」
  • 得意先…「どうも。ただの伝令将校だった可能性もある山本勘助です。今日はどうしたんですか?」
  • 当店…「そうそう、うちっておたくに対する売掛金ありましたよねぇ」
  • 得意先…「ありますねぇ。支払いはもうちょっと待ってくださいね」
  • 当店…「あのさー、その売掛金使って仕入してもいいかなぁ?」
  • 得意先…「為替手形を振り出して当店に対する売掛金を仕入代金に充てたい、ということですか?」
  • 当店…「そうなんですよ~。手形引き受けてくれます?」
  • 得意先…「じゃあその手形を引き受けましょう。手形に判子押しておきますね」
  • 当店…「ありがと~。これで仕入先に渡せるよ。手形分だけ山本商店に対する売掛金減らしておくね~」
  • 得意先…「いえいえ。じゃあうちもおたくに対する買掛金を減らしておきま~す」

 いかがでしょうか?為替手形の問題は当社の仕訳だけでなく、得意先や仕入先の仕訳も一緒に考えると分かりやすいと思います。なお、本問の三者の仕訳は以下のようになります。

当店の仕訳…②
(借)仕入 100,000
 (貸)売掛金 100,000
補足・得意先(山本商店)の仕訳
(借)買掛金 100,000
 (貸)支払手形 100,000
補足・仕入先(高坂商店)の仕訳
(借)受取手形 100,000
 (貸)売上 100,000

 上記の①②の仕訳をまとめると解答の仕訳になります。

 本問はやや難度の高い問題なので、間違えてしまった方も多いと思いますが、ひとつひとつに分解して考えれば十分正解にたどりつける問題です。



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