第103回日商簿記検定2級・仕訳類題3(利益処分)

仕訳問題(類題)

重要度:★★☆ 難度:★★☆

 伊東商事株式会社(発行済み株式総数300株)は、平成20年6月26日の定時株主総会において、以下のように繰越利益剰余金の処分が行われた。

  • 配 当 金:1株につき ¥ 5,000
  • 別途積立金:¥ 300,000
  • 利益準備金:会社法の定める必要額

 ただし、平成20年3月31日(決算日)現在の資本金 ¥ 20,000,000 、資本準備金 ¥ 2,600,000 、利益準備金 ¥ 2,200,000 であった。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
繰越利益剰余金 未払金 別途積立金 繰越商品
備品 消耗品 資本準備金 利益準備金
未収入金 前受金 資本金 未払配当金

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
繰越利益剰余金 1,950,000 未払配当金
利益準備金
別途積立金
1,500,000
150,000
300,000

解説

 利益処分に関する問題です。利益剰余金(繰越利益剰余金)を財源として配当を行う場合には、「配当により減少する利益剰余金の額の10分の1を、資本準備金の額と利益準備金の額とをあわせて、資本金の4分の1に達するまで(利益準備金を)積み立てなければならない」と定められているので、本問でもこの文言どおりにチェックする必要があります。

 まず、問題文に「配当金:1株につき ¥ 5,000 」とあるので、配当により減少する利益剰余金の金額は1,500,000円(=5,000円×300株)で、その10分の1は150,000円ということが分かります。別途積立金の積立額300,000円は利益準備金要積立額の計算には関係ないので気をつけてください。

 また、資本準備金と利益準備金の合計額が4,800,000円(=2,600,000円+2,200,000円)なので、資本金20,000,000円の4分の1に達するまで積み立てなければならない額は、20,000,000円÷4-4,800,000円=200,000円になります。

 ここで、両者を比較すると【150,000円<200,000円】となるので、利益準備金要積立額は150,000円になります。

  • 配当の10分の1規定による利益準備金要積立額:150,000円
  • 資本金の4分の1規定による利益準備金要積立額:200,000円
  • 金額の小さい方(150,000円)を利益準備金として積み立てる

 配当の10分の1規定に関しては多くの受験生が理解していると思いますが、資本金の4分の1規定と比較するのを忘れてしまう方が多いです。今回は10分の1規定の金額の方が小さかったので、4分の1規定を忘れていても結果的には正解までたどり着けますが、利益処分の問題は必ず資本金の4分の1規定もチェックしてください。

 では仮に、資本準備金と利益準備金の合計額が4,900,000円だった場合、利益準備金要積立額はどうなるでしょうか?これも上と同じように考えていけばいいだけなので、あわせてご確認ください。

 【解答】資本金20,000,000円の4分の1の5,000,000円から、資本準備金と利益準備金の合計金額4,900,000円を差し引くと100,000円になり、配当金1,500,000円の10分の1の150,000円よりも小さくなるので、利益準備金要積立額は100,000円になります。

  • 配当の10分の1規定による利益準備金要積立額:150,000円
  • 資本金の4分の1規定による利益準備金要積立額:100,000円
  • 金額の小さい方(100,000円)を利益準備金として積み立てる

 利益処分に関する問題は、第106回の問2第112回の問5第121回の問3第129回の問2第135回の問5第143回の問4でも出題されています。あわせてご確認ください。



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