第102回日商簿記検定3級・仕訳類題2(固定資産の売却)

仕訳問題(類題)

重要度:★★★ 難度:★★☆

 平成20年10月31日に、不用となった冷暖房機(購入日:平成15年11月1日、取得原価:¥ 400,000 、減価償却方法:定額法、耐用年数:6年、残存価額:取得原価の10%、記帳方法:間接法、決算日:年1回・10月31日)を ¥ 20,000 で売却し、代金は先方振出しの小切手で受け取った。なお、当期分の減価償却費の計上もあわせて記入すること。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
当座預金 未収入金 減価償却費 備品減価償却累計額
固定資産売却損 固定資産売却益 現金 備品

解答仕訳

「当期の減価償却の処理」と「売却の処理」を1本の仕訳にまとめた場合の解答仕訳
借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費
備品減価償却累計額
現金
固定資産売却損
60,000
240,000
20,000
80,000
備品 400,000

または

「当期の減価償却の処理」と「売却の処理」を別々に仕訳した場合の解答仕訳
借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費
備品減価償却累計額
現金
固定資産売却損
60,000
300,000
20,000
80,000
備品減価償却累計額
備品
60,000
400,000

解説

 固定資産の売却に関する問題です。

 固定資産は期首に売却する場合と、期中(または期末)に売却する場合とで処理が異なるので、まず問題がどちらに該当するのか確認しましょう。


期首に固定資産を売却する場合

 当期の減価償却費はゼロなので、取得原価から期首備品減価償却累計額を差し引いて売却時の帳簿価額を計算し、さらに売却価額との差額で売却損益を計算します。

売却時の帳簿価額=取得原価-期首備品減価償却累計額

期中(または期末)に固定資産を売却する場合

 当期の減価償却の処理に関する指示が入るので、それに従って当期の減価償却費を(月割で)計算します。そのうえで、取得原価から期首備品減価償却累計額&当期の減価償却費を差し引いて売却時の帳簿価額を計算し、さらに売却価額との差額で売却損益を計算します。

売却時の帳簿価額=取得原価-期首備品減価償却累計額-当期の減価償却費


 本問は、問題文の「平成20年10月31日に、不用となった冷暖房機~を ¥ 20,000 で売却し」「決算日:年1回・10月31日」から期末に売却したことが分かります。

 また、問題文に「当期分の減価償却費の計上もあわせて記入すること」という指示があるので、まず当期の減価償却費を計算します。

400,000円×90%÷6年=60,000円

 次に、期首備品減価償却累計額を計算します。具体的には…購入日の平成15年11月1日から前期末日の平成19年10月31日までの4年間分の減価償却費の金額になります。

400,000円×90%÷6年=60,000円/年

60,000円/年×4年=240,000円

 当期の減価償却費と期首備品減価償却累計額の金額を計算したら、取得原価からこれらを差し引いて売却時の帳簿価額を計算します。

取得原価400,000円-期首備品減価償却累計額240,000円-当期の減価償却費60,000円=売却時の帳簿価額100,000円

 最後に、売却時の帳簿価額と売却価額との差額で売却損益を計算します。売却価額20,000円は先方振出しの小切手で受け取っているので、現金で処理します。

  • 売却時の帳簿価額=100,000円
  • 売却価額=20,000円
  • 差額=80,000円(帳簿価額>売却価額…売却損
解答仕訳
(借)減価償却費 60,000
(借)備品減価償却累計額 240,000
(借)現金 20,000
(借)固定資産売却損 80,000
 (貸)備品 400,000

 なお、上記の仕訳は、「当期の減価償却の処理」と「売却の処理」を1本の仕訳にまとめていますが、まとめずに別々に処理しても構いません。その場合、借方と貸方の備品減価償却累計額の金額が変わります。

別解
(借)減価償却費 60,000
(借)備品減価償却累計額 300,000
(借)現金 20,000
(借)固定資産売却損 80,000
 (貸)備品減価償却累計額 60,000
 (貸)備品 400,000

 固定資産の売却に関する問題は、第105回の問2第108回の問1第115回の問4第119回の問5第120回の問3第122回の問5第132回の問2第134回の問1第135回の問3第136回の問2第137回の問3第138回の問2第142回の問1第146回の問2第149回の問5でも出題されているので、あわせてご確認ください。



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