第4問 部門別計算のベーシックな問題。簡単なので20点満点を狙いましょう!
部門別個別原価計算に関する問題です。
予算部門別配賦表を作り、製造部門の予定配賦率を計算して、製造間接費勘定の差異分析をする…というベーシックなタイプの問題です。
本問を使って、予算部門別配賦表の作り方や固定予算を用いた場合の予算差異・操業度差異の求め方などを改めて確認しておきましょう。
準備 | 第1問 | 第2問 | 第3問 | 第4問 | 第5問 | 見直し |
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第4問(部門別個別原価計算)の解説
問1 予算部門別配賦表の作成
問1は予算部門別配賦表の作成問題です。
問題文に「補助部門費の配賦は直接配賦法による」という指示があるので、補助部門間のサービスのやり取りを無視して、修繕部・材料倉庫部・工場事務部の各補助部門費を第1製造部・第2製造部に配賦しましょう。
なお、本問は補助部門費の配賦にあたってどの配賦基準を使うのか明確な指示がないため、各自で適切な配賦基準を選択しましょう。
- 修繕部費:660,000円(配賦基準:修繕時間)
- 第1製造部への配賦額:660,000円×60時間/(60時間+40時間)=396,000円
- 第2製造部への配賦額:660,000円×40時間/(60時間+40時間)=264,000円
- 材料倉庫部費:800,000円(配賦基準:材料運搬回数)
- 第1製造部への配賦額:800,000円×35回/(35回+45回)=350,000円
- 第2製造部への配賦額:800,000円×45回/(35回+45回)=450,000円
- 工場事務部費:300,000円(配賦基準:従業員数)
- 第1製造部への配賦額:300,000円×24回/(24人+26人)=144,000円
- 第2製造部への配賦額:300,000円×26回/(24人+26人)=156,000円
- 製造部門費
- 第1製造部:部門費5,110,000円+396,000円+350,000円+144,000円=6,000,000円
- 第2製造部:部門費4,590,000円+264,000円+450,000円+156,000円=5,460,000円

答案用紙の左から2列目の「修繕部費・材料倉庫部費・工場事務部費の合計欄」については、空欄を埋める必要はありません。
問2 製造間接費の勘定記入
問2では製造間接費の勘定記入が問われています。
第1製造部・第2製造部の予定配賦額・各差異を計算する前に、問1で求めた製造部門費と問題資料2の予定直接作業時間(年間)のデータを使って、予定配賦率を求めましょう。
- 予定配賦率
- 第1製造部:6,000,000円÷4,800時間=1,250円/時間
- 第2製造部:5,460,000円÷4,200時間=1,300円/時間
製造間接費(第1製造部)の勘定記入
問題文の「第1製造部の当月の実際直接作業時間が390時間」と、答案用紙に予め記入されている「実際発生額 490,000」のデータを使って、予定配賦額・予算差異・操業度差異の金額を求めましょう。
なお、本問は予定配賦額(@1,250円)を変動費率と固定比率に分けることができないため、固定予算を用いて差異を分析します。
- 製造間接費(第1製造部)
- 実際発生額:490,000円
- 予定配賦額:@1,250円×390時間=487,500円
- 基準操業度:4,800時間÷12か月=400時間
- 固定費予算額:@1,250円×400時間=500,000円
- 予算差異:500,000円-490,000円=+10,000円(有利差異・貸方差異)
- 操業度差異:(390時間-400時間)×@1,250円=▲12,500円(不利差異・借方差異)
製造間接費(第2製造部)の勘定記入
問題文の「第2製造部の当月の実際直接作業時間が360時間」と、答案用紙に予め記入されている「予算差異 25,000」のデータを使って、実際発生額・予定配賦額・操業度差異の金額を求めましょう。
なお、本問は予定配賦額(@1,300円)を変動費率と固定比率に分けることができないため、第1製造部と同様に固定予算を用いて差異を分析します。
- 製造間接費(第2製造部)
- 予定配賦額:@1,300円×360時間=468,000円
- 基準操業度:4,200時間÷12か月=350時間
- 固定費予算額:@1,300円×350時間=455,000円
- 予算差異:▲25,000(不利差異・借方差異)
- 操業度差異:(360時間-350時間)×@1,300円=+13,000円(有利差異・貸方差異)
- 実際発生額:468,000円+25,000円-13,000円=480,000円(貸借差額)