第156回日商簿記2級 予想問題「簿記ナビ模試」第2問(株主資本等変動計算書)の解説

第2問 株主資本等変動計算書は簡単なので、出題されることを祈りましょう!

 株主資本等変動計算書の作成と税効果会計に関する問題です。

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第2問(株主資本等変動計算書)の解説

 資料の期中取引の内容を参考に各日付の仕訳を考えたうえで、問1・問2の各問に答えましょう。

×1年6月26日の取引(剰余金の配当)

 剰余金の配当に関する処理です。

 問題文の「その他資本剰余金を財源として ¥ 400,000、繰越利益剰余金を財源として ¥ 1,200,000、合計 ¥ 1,600,000の配当を行う」から、その他資本剰余金と繰越利益剰余金の一部を配当することが分かります。

 配当にあたっては、会社法の規定(第445条の4項など)に従って一定額を準備金として積み立てる必要があります。

  1. 原則として配当額の10分の1を準備金として積み立てなければならない(10分の1規定)
  2. ただし、資本準備金と利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達した場合は、それ以上積み立てる必要はない(4分の1規定)

 よって、「配当額の10分の1(10分の1規定の金額)」または「資本金の4分の1から資本準備金と利益準備金の合計額を差し引いた残額(4分の1規定の金額)」のうち、どちらか小さいほうの金額だけ準備金を積み立てることになります。

  • 配当額:400,000円+1,200,000円=1,600,000円
  • 10分の1規定の金額:1,600,000円÷10=160,000円
  • 4分の1規定の金額:10,000,000円÷4-(1,400,000円+1,000,000円)=100,000円
  • 準備金要積立額:160,000円>100,000円 → 100,000円

 上記の計算により、今回の配当にあたって100,000円の準備金を積み立てることが分かりますが、その内訳は「配当の原資」によって異なります。

 本問は、その他資本剰余金と繰越利益剰余金を配当の原資としているので、配当割合に応じて資本準備金利益準備金を積み立てます。

  • 配当の原資が繰越利益剰余金:利益準備金を積み立てる
  • 配当の原資がその他資本剰余金:資本準備金を積み立てる
  • 配当の原資が繰越利益剰余金とその他資本剰余金:利益準備金と資本準備金を積み立てる(本問)

資本準備金の積立額=100,000円×400,000円/1,600,000円=25,000円

利益準備金の積立額=100,000円×1,200,000円/1,600,000円=75,000円

配当承認時の仕訳
(借)その他資本剰余金 425,000
(借)繰越利益剰余金 1,275,000
 (貸)未払配当金 1,600,000
 (貸)資本準備金 25,000
 (貸)利益準備金 75,000

 仕訳が判明したら、株主資本等変動計算書に各勘定の変動額を記入しましょう。なお、問題文に「減少については金額の前に△マークを付すこと」という指示があるので、金額が減少する場合は忘れずに△マークを付けましょう。

×1年6月26日の取引を反映した株主資本等変動計算書
×1年6月26日の取引後

×1年10月22日の取引(増資)

 増資に関する処理です。

 問題文に「資本金は会社法が定める最低額を計上した」とあるので、株式の発行額を計算したうえで、その半分ずつを資本金および資本準備金に計上しましょう。

  • 株式の発行額:@490円×2,000株=980,000円
  • 資本金に計上する額:980,000円÷2=490,000円
  • 資本準備金に計上する額:980,000円÷2=490,000円
増資時の仕訳
(借)普通預金 980,000
 (貸)資本金 490,000
 (貸)資本準備金 490,000
×1年10月22日の取引を反映した株主資本等変動計算書
×1年10月22日の取引後

×2年1月19日の取引(吸収合併)

 吸収合併に関する処理です。

 本問はまず、問題資料で被合併会社(株式会社シニャック)の諸資産・諸負債の帳簿価額と時価が与えられているので、時価により諸資産・諸負債を引き継ぎます。

吸収合併の仕訳(ステップ1)
(借)諸資産 5,100,000
 (貸)諸負債 3,000,000

 また、問題文に「当社の株式5,000株(1株あたりの時価 ¥ 500 )を交付した」「純資産(株主資本)の増加額のうち、¥ 1,800,000は資本金、¥ 500,000は資本準備金とし、残額はその他資本剰余金として計上した」とあるので、差額でその他資本剰余金の金額を計算しましょう。

  • 交付する株式:@500円×5,000株=2,500,000円
  • 資本金:1,800,000円
  • 資本準備金:500,000円
  • その他資本剰余金:2,500,000円-1,800,000円-500,000円=200,000円
吸収合併の仕訳(ステップ2)
(借)諸資産 5,100,000
 (貸)諸負債 3,000,000
 (貸)資本金 1,800,000
 (貸)資本準備金 500,000
 (貸)その他資本剰余金 200,000

 さらに、「引き継ぐ純資産」と「交付する株式の発行価額」が異なる場合は、差額をのれんまたは負ののれん発生益で処理します。

  • 引き継ぐ純資産よりも交付する株式の金額のほうが大きい場合:借方にのれんを計上
  • 引き継ぐ純資産よりも交付する株式の金額のほうが小さい場合:貸方に負ののれん発生益を計上
  • 引き継ぐ純資産:5,100,000円-3,000,000円=2,100,000円
  • 交付する株式:2,500,000円
  • 差額:2,500,000円-2,100,000円=400,000円(※のれん)
吸収合併の仕訳(ステップ3)
(借)諸資産 5,100,000
(借)のれん 400,000
 (貸)諸負債 3,000,000
 (貸)資本金 1,800,000
 (貸)資本準備金 500,000
 (貸)その他資本剰余金 200,000
×2年1月19日の取引を反映した株主資本等変動計算書
×2年1月19日の取引後

×2年3月31日の取引①(その他有価証券の評価替え)

 その他有価証券の評価替えに関する処理です。

 ピサロ商事の株式は200,000円の評価益、モリゾ商会の株式は100,000円の評価損が発生しているので、純額の100,000円について税効果会計を適用して評価替えを行います。

  • ピサロ商事の株式:1,500,000円-1,300,000円=200,000円(評価益相当額)
  • モリゾ商会の株式:1,150,000円-1,050,000円=100,000円(評価損相当額)
  • 純額:200,000円-100,000円=100,000円
  • 繰延税金負債:100,000円×30%=30,000円
  • その他有価証券評価差額金:100,000円-30,000円=70,000円
その他有価証券の評価替えに関する決算整理仕訳
(借)その他有価証券 100,000
 (貸)繰延税金負債 30,000
 (貸)その他有価証券評価差額金 70,000
×2年3月31日の取引①を反映した株主資本等変動計算書
×2年3月31日の取引①後

×2年3月31日の取引②(のれんの償却)

 のれんの償却に関する処理です。

 ×2年1月19日の取引で計上したのれん400,000円を月割りで償却しましょう。

当期の償却額:400,000円×3か月/120か月=10,000円

のれんの償却に関する決算整理仕訳
(借)のれん償却 10,000
 (貸)のれん 10,000

×2年3月31日の取引③(当期純利益の計上)

 当期純利益の計上に関する処理です。

 問題文に「当期純利益 ¥ 3,600,000を計上した」とあるので、3,600,000円を損益から繰越利益剰余金に振り替えます。

当期純利益の計上に関する決算振替仕訳
(借)損益 3,600,000
 (貸)繰越利益剰余金 3,600,000
×2年3月31日の取引③を反映した株主資本等変動計算書
×2年3月31日の取引③後

問1のまとめ

 本問は、ひとうひとつの処理の難度は高くないですし、各仕訳は第1問で問われる可能性もじゅうぶんあります。しっかり復習しておきましょう。

完成した株主資本等変動計算書
完成した株主資本等変動計算書

問2(貸借対照表ののれん・繰延税金負債の金額)

 上記の仕訳から、貸借対照表に表示される「のれん」「繰延税金負債」の各金額を求めましょう。

のれん:400,000円-10,000円=390,000円(390千円)

繰延税金負債=70,000円(70千円)



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