仕訳問題
難度:高・中・低
重要度:A・B
給料から差し引いた社会保険料の従業員負担額(健康保険料 ¥ 100,000 および厚生年金保険料 ¥ 150,000 )と、会社負担額(従業員負担額と同額)をまとめて現金で納付した。
勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。 | |||
---|---|---|---|
現金 | 当座預金 | 普通預金 | 従業員貸付金 |
従業員立替金 | 前受金 | 仮受金 | 社会保険料預り金 |
給料 | 法定福利費 | 保険料 | 租税公課 |
解答仕訳
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | ||
---|---|---|---|---|---|
社会保険料預り金 法定福利費 |
250,000 250,000 |
※1 ※1 |
現金 | 500,000 | ※2 |
※1 100,000円+150,000円=250,000円
※2 250,000円+250,000円=500,000円(貸借差額)
解説
社会保険料の納付に関する問題です。
従業員の給料から天引きした健康保険や厚生年金などの社会保険料を納付するさいには、従業員負担額だけでなく同額の会社負担額もあわせて納付します。いわゆる「労使折半」です。
- 広義の社会保険
- 狭義の社会保険(健康保険や厚生年金、介護保険)←労使折半
- 労働保険(雇用保険や労災保険)
本問ではこの仕組みの処理が問われていますが、社会保険の詳しい仕組みや細かいルールなどを覚える必要はありません。
健康保険や厚生年金などの社会保険料を納付するさいに従業員負担分を(社会保険料)預り金の減少として処理するとともに、同額の会社負担分を法定福利費で処理することを押さえておきましょう。
- 社会保険料の納付時の仕訳
- 従業員負担分(50%):(社会保険料)預り金の減少として処理
- 会社負担分(50%):法定福利費で処理
なお、本問は問題に列挙されている勘定科目の中に社会保険料預り金がある(預り金がない)ので、社会保険料預り金で処理すると判断します。うっかり預り金で処理しないように気をつけましょう。
(貸)社会保険料預り金 250,000
(貸)普通預金など -
(借)法定福利費 250,000
(貸)現金 500,000

広義の社会保険のうち「雇用保険」は一部のみを労使折半、「労災保険」は全額を会社が負担します。これらの論点が簿記3級で出題される場合は、必ず丁寧な指示が入ります。問題の指示に従って解答してください。
なお、社会保険料を天引きした時の仕訳は、社会保険料の天引きで出題しています。本問とあわせてご確認ください。
Q&A
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