仕訳問題
難度:高・中・低
重要度:A・B
新店舗の賃貸借契約を締結し、3か月分の家賃 ¥ 900,000、不動産会社への仲介手数料 ¥ 300,000、敷金 ¥ 1,800,000 を現金で支払った。
勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。 | |||
---|---|---|---|
現金 | 当座預金 | 普通預金 | 立替金 |
前払金 | 仮払金 | 差入保証金 | 建物 |
未払金 | 支払手数料 | 支払家賃 | 支払地代 |
解答仕訳
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | ||
---|---|---|---|---|---|
支払家賃 支払手数料 差入保証金 |
900,000 300,000 1,800,000 |
現金 | 3,000,000 | ※1 |
※1 900,000円+300,000円+1,800,000円=3,000,000円(貸借差額)
解説
固定資産の賃借(差入保証金)に関する問題です。
本問は、取引を【家賃に関する取引】【仲介手数料に関する取引】【敷金に関する取引】の3つに分けて考えましょう。
家賃に関する取引
問題文の「新店舗の賃貸借契約を締結し、3か月分の家賃 ¥ 900,000…現金で支払った」から、入居前に家賃を前払いしたことが分かります。
家賃を前払いした場合には、支払額を「前払家賃(前払費用)で処理」と「支払家賃で処理」の2パターンの処理方法が考えられますが、本問は問題に列挙されている勘定科目の中に支払家賃がある(前払家賃や前払費用がない)ので、支払家賃で処理すると判断します。
(貸)現金 900,000
仲介手数料に関する取引
問題文の「不動産会社への仲介手数料 ¥ 300,000…を現金で支払った」から、不動産会社に仲介手数料を支払ったことが分かるので、支払手数料で処理します。
(貸)現金 300,000
敷金に関する取引
問題文の「敷金 ¥ 1,800,000 を現金で支払った」から、保証金の性質を持つ敷金を支払ったことが分かるので、差入保証金の増加として処理します。
(貸)現金 1,800,000
以上、①②③の仕訳をまとめると解答仕訳になります。

差入保証金は2019年度から新たに試験範囲に追加された論点です。敷金を支払ったら差入保証金で処理する!と押さえておきましょう。
なお、固定資産の賃借に関する仕訳は、固定資産の賃借(賃借料の支払い)で出題しています。本問とあわせてご確認ください。
Q&A
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仲介手数料などの付随費用は、問題文に「費用勘定で~」などの指定がなければ、取得原価に付随費用も含めるものかと認識しております。なぜ支払手数料で処理するのでしょうか?(yossyさん) |
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本問は固定資産の「賃借」に関する問題です。固定資産を「取得」したわけではないため、仲介手数料は付随費用に該当しません。よって、不動産会社に支払った手数料は支払手数料で費用処理します。 ちなみに、固定資産を「取得」したさいに業者に支払う手数料は付随費用に該当するため、固定資産の取得原価に含めて処理します。 |
回答日:2020年1月6日 |
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