仕訳問題
難度:高・中・低
重要度:A・B
事務機器(取得原価:¥ 360,000、残存価額:ゼロ、耐用年数:5年、償却方法:定額法、記帳方法:間接法)を3年間使用してきたが、4年目の期首に ¥ 100,000 で売却し、代金は現金で受け取った。
勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。 | |||
---|---|---|---|
現金 | 当座預金 | 普通預金 | 売掛金 |
未収入金 | 備品 | 減価償却累計額 | 固定資産売却益 |
支払手数料 | 減価償却費 | 消耗品費 | 固定資産売却損 |
解答仕訳
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | ||
---|---|---|---|---|---|
減価償却累計額 現金 固定資産売却損 |
216,000 100,000 44,000 |
※1 ※2 |
備品 | 360,000 |
※1 (360,000円÷5年)×3年=216,000円
※2 360,000円-216,000円-100,000円=44,000円(貸借差額)
解説
固定資産の売却(期首)に関する問題です。
固定資産の売却に関する仕訳は、以下の5ステップで考えると分かりやすいです。
ステップ1(取得原価を貸方に計上する)
問題文の「事務機器」「取得原価:¥ 360,000」から、取得原価360,000円の備品を売却したことが分かるので、備品を貸方に計上します。
ステップ2(当期の減価償却費を計上する)
問題文の「4年目の期首に ¥ 100,000 で売却」から、備品を期首に売却したことが分かるので、当期の減価償却費はゼロです。そのままステップ3に進みましょう。
ステップ3(前期末の減価償却累計額を計算して借方に計上する)
問題文の「3年間使用してきたが、4年目の期首に ¥ 100,000 で売却」から、前期末までに3年分の減価償却費を計上していたことが分かります。3年分の金額を計算して、減価償却累計額を借方に計上しましょう。
- 1年分の減価償却費:360,000円÷5年=72,000円
- 3年分の減価償却費:72,000円×3年=216,000円
(貸)備品 360,000
ステップ4(売却代金を借方に計上する)
問題文の「 ¥ 100,000 で売却し、代金は現金で受け取った」から、売却代金100,000円を現金で受け取ったことが分かるので、借方に現金を計上します。
(借)現金 100,000
(貸)備品 360,000
ステップ5(貸借差額を売却損益で処理する)
最後に、貸借差額を固定資産売却損で処理します。
(借)現金 100,000
(借)固定資産売却損 44,000
(貸)備品 360,000

固定資産の売却に関する問題は、すべてこの手順で解くことができます。5つのステップを完ぺきに押さえておきましょう。
なお、固定資産を期中に売却する場合の仕訳は、固定資産の売却(期中)で出題しています。本問とあわせてご確認ください。
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