簿記2級 重要仕訳TOP100 利益処分(資本剰余金)

仕訳問題

難度:高・中・

重要度:A・B

 定時株主総会において、剰余金の配当および処分が以下のとおり承認された。

  • その他資本剰余金 ¥ 800,000 を財源として配当を行う。
  • 上記の配当に関連して、会社法が定める金額を準備金として積み立てる。
  • 繰越利益剰余金 ¥ 500,000 を別途積立金に振り替える。

 なお、株主総会時点の同社の資本金は ¥ 20,000,000、資本準備金は ¥ 2,900,000、利益準備金は ¥ 2,000,000 であった。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金 当座預金 未払配当金 資本金
資本準備金 利益準備金 修繕積立金 新築積立金
別途積立金 繰越利益剰余金 その他資本剰余金 受取配当金

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
その他資本剰余金

繰越利益剰余金
880,000

500,000
※2 未払配当金
資本準備金
別途積立金
800,000
80,000
500,000

※1

※1 800,000円×10%=80,000円

※2 800,000円+80,000円=880,000円

解説

 利益処分(資本剰余金)に関する問題です。

 本問は、取引を【配当に関する取引】と【別途積立金に関する取引】に分けて考えましょう。

 問題文の「その他資本剰余金 ¥ 800,000 を財源として配当を行う」から、その他資本剰余金の一部を配当することが分かります。

 配当にあたっては、会社法の規定(第445条の4項など)に従って一定額を準備金として積み立てる必要があります。

  1. 原則として配当額の10分の1を準備金として積み立てなければならない(10分の1規定)
  2. ただし、資本準備金と利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達した場合は、それ以上積み立てる必要はない(4分の1規定)

 よって、「配当額の10分の1(10分の1規定の金額)」または「資本金の4分の1から資本準備金と利益準備金の合計額を差し引いた残額(4分の1規定の金額)」のうち、どちらか小さいほうの金額だけ準備金を積み立てることになります。

  • 配当額:800,000円
  • 10分の1規定の金額:800,000円÷10=80,000円
  • 4分の1規定の金額:20,000,000円÷4-(2,900,000円+2,000,000円)=100,000円
  • 準備金要積立額:80,000円<100,000円 → 80,000円

 なお、配当にあたって積み立てる準備金は「配当の原資」によって異なります。本問はその他資本剰余金を配当の原資としているので、資本準備金を積み立てます。

  • 配当の原資が繰越利益剰余金:利益準備金を積み立てる
  • 配当の原資がその他資本剰余金:資本準備金を積み立てる(本問)
  • 配当の原資が繰越利益剰余金とその他資本剰余金:利益準備金と資本準備金を積み立てる
解答①(配当に関する仕訳)
(借)その他資本剰余金 880,000
 (貸)未払配当金 800,000
 (貸)資本準備金 80,000

 繰越利益剰余金を別途積立金に振り替えるだけです。

解答②(別途積立金に関する仕訳)
(借)繰越利益剰余金 500,000
 (貸)別途積立金 500,000

 以上、①②の仕訳をまとめると解答仕訳になります。

管理人

繰越利益剰余金とその他資本剰余金の両方を配当の原資とする仕訳は、利益処分(利益剰余金と資本剰余金)で出題しています。本問とあわせてご確認ください。



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