仕訳問題
難度:高・中・低
重要度:A・B
当期首(4月1日)において、下記の条件でリース会社と備品のリース契約を締結した。このリース取引はファイナンス・リース取引に該当するため、利子抜き法により処理することにしたが、本日(4月10日)、誤って利子込み法で処理していたことが判明したため、契約時の仕訳の訂正を行うことにした。なお、リース契約した備品はリース資産勘定で処理している。
- リース期間:4年
- リース料:年額 ¥ 80,000(毎年3月末日払い)
- リース資産:見積現金購入価額 ¥ 300,000
勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。 | |||
---|---|---|---|
現金 | 当座預金 | 普通預金 | 前払利息 |
リース資産 | リース債務 | 減価償却累計額 | 受取利息 |
支払手数料 | 支払リース料 | 減価償却費 | 支払利息 |
解答仕訳
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | ||
---|---|---|---|---|---|
リース債務 | 20,000 | ※1 | リース資産 | 20,000 |
※1 @80,000円×4年-300,000円=20,000円
解説
ファイナンス・リース取引(契約時の処理②)に関する問題です。
ファイナンス・リース取引の処理方法は「利子抜き法」と「利子込み法」の2つがありますが、大きな違いはリース資産・リース債務の計上額です。
- 利子抜き法の計上額:見積現金購入価額など
- 利子込み法の計上額:リース料総額
本問は、問題文に「利子抜き法により処理することにしたが、本日(4月10日)、誤って利子込み法で処理していたことが判明した」とあるので、2つの仕訳を考えたうえで正しい仕訳になるように修正しましょう。
- 利子抜き法の計上額(見積現金購入価額):300,000円
- 利子込み法の計上額(リース料総額):@80,000円×4年=320,000円
(貸)リース債務 300,000
(貸)リース債務 320,000
上記の2つの仕訳から、リース資産・リース債務ともに20,000円(=320,000円-300,000円)余分に計上していることが分かるので、リース資産・リース債務ともに20,000円ずつ減額して正しい金額に修正します。
(貸)リース資産 20,000

リース取引は、簿記2級の頻出論点のひとつです。契約時・リース料支払時・決算時の仕訳を完ぺきに押さえておきましょう。
また、ファイナンス・リース取引の決算日の仕訳は、ファイナンス・リース取引(決算処理①)やファイナンス・リース取引(決算処理②)で出題しています。本問とあわせてご確認ください。
Q&A
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重要仕訳一覧
- リース取引(全6問)
- ファイナンス・リース取引(契約時の処理①)
- ファイナンス・リース取引(契約時の処理②)
- ファイナンス・リース取引(決算処理①)
- ファイナンス・リース取引(決算処理②)
- オペレーティング・リース取引(支払時の処理)
- オペレーティング・リース取引(決算処理)