仕訳問題
難度:高・中・低
重要度:A・B
機械の減価償却費は概算額(1か月あたり ¥ 11,000 )をもって、4月から2月までの11か月間にわたって毎月見積り計上しているため、決算において年間確定額との差額を調整する。
- 取得原価:¥ 1,200,000
- 残存価額:ゼロ
- 耐用年数:10年
- 償却方法:定額法
- 記帳方法:間接法
- 決算日:3月31日(会計期間は1年)
勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。 | |||
---|---|---|---|
現金 | 当座預金 | 普通預金 | 未収入金 |
仮払金 | 機械 | 機械減価償却累計額 | 未払金 |
仮受金 | 固定資産売却益 | 減価償却費 | 固定資産売却損 |
解答仕訳
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | ||
---|---|---|---|---|---|
機械減価償却累計額 | 1,000 | ※1 | 減価償却費 | 1,000 |
※1 @11,000円×11か月-1,200,000円÷10年=1,000円
解説
固定資産の減価償却(月割償却②)に関する問題です。
本問はまず、問題文の「機械の減価償却費は概算額(1か月あたり ¥ 11,000 )をもって、4月から2月までの11か月間にわたって毎月見積り計上している」から、毎月、以下のような仕訳を計上していたことが分かります。
(貸)機械減価償却累計額 11,000
また、問題資料の「取得原価:¥ 1,200,000」「残存価額:ゼロ」「耐用年数:10年」「償却方法:定額法」から、年間確定額を計算することができます。
年間確定額=1,200,000円÷10年=120,000円
年間確定額(当期の減価償却費として計上すべき金額)を計算したら、11か月分の概算額合計との差額を計算しましょう。
- 年間確定額:120,000円
- 概算額合計:@11,000円×11か月=121,000円
- 調整額:121,000円-120,000円=1,000円
計算の結果、年間確定額よりも11か月分の概算額合計のほうが1,000円多いことが分かるので、決算において過剰に計上している1,000円を減額調整します。
(貸)減価償却費 1,000

決算において過剰分を減額調整するさいには、計上時の逆仕訳をします。解答仕訳はいつもと逆の形になりますが、自信を持って解答しましょう。
なお、11か月分の概算額合計よりも年間確定額のほうが多いケースの仕訳は、固定資産の減価償却(月割償却①)で出題しています。本問とあわせてご確認ください。
Q&A
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