簿記2級 重要仕訳TOP100 有価証券の評価替え(その他有価証券)

仕訳問題

難度:・中・低

重要度:A・B

 当期首(×1年4月1日)において、長期保有目的で林ルンルン株式会社の社債(額面総額:¥ 1,000,000、償還期間:5年)を額面 ¥ 100 につき ¥ 97 で発行と同時に購入し、代金は小切手を振り出して支払った(※適切に処理済み)。

 当期末(×2年3月31日)の決算において、償却原価法(定額法)を適用して帳簿価額の評価替えを行うとともに、決算日の時価が額面 ¥ 100 につき ¥ 98 であることが判明したため適切に処理する。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金 当座預金 普通預金 未収入金
売買目的有価証券 満期保有目的債券 その他有価証券 関連会社株式
有価証券利息 有価証券評価益 有価証券評価損 その他有価証券評価差額金

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
その他有価証券 10,000 ※3 有価証券利息
その他有価証券評価差額金
6,000
4,000
※1
※2

※1 (1,000,000円-970,000円)×12か月/60か月=6,000円

※2 980,000円-(970,000円+6,000円)=4,000円

※3 6,000円+4,000円=10,000円(貸借差額)

解説

 有価証券の評価替え(その他有価証券)に関する問題です。

 本問は、その他有価証券の決算処理が問われているので、償却原価法(定額法)を適用して帳簿価額の評価替えを行ったうえで、さらに時価評価を行いましょう。

  • 債券金額:1,000,000円
  • 取得原価:1,000,000円×@97円/@100円=970,000円
  • 金利調整差額:1,000,000円-970,000円=30,000円
  • 償還期間:5年(60か月)
  • 当期の保有期間:12か月(×1年4月1日~×2年3月31日)
  • 当期の償却額:30,000円×12か月/60か月=6,000円

 本問は、債券金額よりも低い価額で社債を購入しているので、当期の償却額6,000円をその他有価証券の取得原価に加算します。

解答①(帳簿価額の評価替えに関する仕訳)
(借)その他有価証券 6,000
 (貸)有価証券利息 6,000

 問題文に「決算日の時価が額面 ¥ 100 につき ¥ 98 であることが判明したため適切に処理する」とあるので、期末の時価と償却原価(評価替え後の帳簿価額)を比較し、差額をその他有価証券評価差額金で処理しましょう。

  • 期末時価:1,000,000円×@98円/@100円=980,000円
  • 償却原価:取得原価+当期の償却額=970,000円+6,000円=976,000円
  • その他有価証券評価差額金:980,000円-976,000円=4,000円(評価益相当額)
解答②(時価評価に関する仕訳)
(借)その他有価証券 4,000
 (貸)その他有価証券評価差額金 4,000

 以上、①②の仕訳をまとめると解答仕訳になります。

参考:翌期首の再振替仕訳

 翌期首おいて、時価評価に関する仕訳の再振替仕訳(前期末の逆仕訳)を行います。この再振替仕訳により、社債の帳簿価額が×1年度末の時価から×1年度末の償却原価に修正されます。

  • 帳簿価額の推移
    • 評価替え:取得原価(970,000円)→×1年度末の償却原価(976,000円)
    • 時価評価:×1年度末の償却原価(976,000円)→×1年度末の時価(980,000円)
    • 再振替仕訳:×1年度末の時価(980,000円)→×1年度末の償却原価(976,000円)
参考:翌期首の再振替仕訳
(借)その他有価証券評価差額金 4,000
 (貸)その他有価証券 4,000
管理人

本問は利息に関する処理は問われていないので、解答にあたって考慮する必要はありません。

なお、償却原価法を適用して帳簿価額を評価替えする満期保有目的債券の仕訳は、有価証券の評価替え(満期保有目的債券)で出題しています。本問とあわせてご確認ください。



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