仕訳問題
難度:高・中・低
重要度:A・B
期中において、当期に発生した売掛金 ¥ 100,000 を貸倒れとして処理していたが、決算日にこのうちの ¥ 30,000 を現金で回収した。なお、貸倒引当金の残高は ¥ 50,000 である。
勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。 | |||
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現金 | 当座預金 | 普通預金 | 受取手形 |
売掛金 | 未収入金 | 支払手形 | 買掛金 |
貸倒引当金 | 売上 | 償却債権取立益 | 貸倒損失 |
解答仕訳
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | ||
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現金 | 30,000 | 貸倒損失 | 30,000 |
解説
貸倒れ債権の回収に関する問題です。
債権を貸倒れ処理したタイミング(前期以前or当期)によって回収時の処理が異なります。仕訳を考えるさいは、いつ貸倒れ処理したものなのかを必ず確認しましょう。
- 前期以前に貸倒れ処理した債権の回収:過年度の貸倒れの仕訳を修正することができないため、回収額の全額を償却債権取立益で処理します。
- 当期に貸倒れ処理した債権の回収:貸倒れの仕訳を修正することができるため、貸倒れ処理時に計上した貸倒損失や貸倒引当金の金額を修正します。
本問は、問題文の「期中において、当期に発生した売掛金 ¥ 100,000 を貸倒れとして処理していた」から、当期に貸倒れ処理した債権を回収したことが分かります。
また、当期に発生した売掛金が貸倒れた場合、貸倒引当金を取り崩さずに全額を貸倒損失で処理するため、貸倒れ処理時に以下のような仕訳を切っていたことが分かります。
- 前期以前に発生した債権の貸倒れ:前期の決算を通過しているので貸倒引当金の設定対象になっています。よって、この債権が貸倒れた場合は貸倒引当金を取り崩して処理し、不足分があれば貸倒損失で処理します。
- 当期に発生した債権の貸倒れ:前期の決算を通過していないので貸倒引当金の設定対象になっていません。よって、この債権が貸倒れた場合は全額を貸倒損失で処理します。
(貸)売掛金 100,000
上記の仕訳を踏まえたうえで、問題文に「決算日にこのうちの ¥ 30,000 を現金で回収した」とあるので、貸倒れ処理時に計上した貸倒損失の金額を修正します。
なお、問題文の「貸倒引当金の残高は ¥ 50,000 である」は、解答に関係のないダミーデータです。うっかり貸倒引当金で処理しないように気をつけましょう。
(貸)貸倒損失 30,000

貸倒れ債権の回収は、「前期以前に発生&貸倒れ、当期に回収」「前期以前に発生、当期に貸倒れ&回収」「当期に発生&貸倒れ&回収(本問)」の3パターンがあります。それぞれの仕訳を完ぺきに押さえておきましょう。
Q&A
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