簿記2級重要仕訳TOP100 売上取引（売上原価対立法）【簿記検定ナビ】

仕訳問題

難度：高・中・低

重要度：A・B

　宮部商店に商品￥ 400,000（原価率：75％）を販売し、代金は掛けとした。なお、発送費￥ 5,000（当社負担）は現金で支払った。商品売買については、商品を仕入れたときに商品勘定に記入し、販売したときにそのつど売上原価を売上原価勘定に振り替える方法で記帳している。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金	当座預金	普通預金	売掛金
商品	立替金	買掛金	未払金
売上	仕入	売上原価	発送費

借方科目	金額		貸方科目	金額
売掛金売上原価発送費	400,000 300,000 5,000	※1	売上商品現金	400,000 300,000 5,000

※1 400,000円×75％＝300,000円

　売上取引（売上原価対立法）に関する問題です。

　本問は、取引を【掛けによる売上取引】【発送費に関する取引】の2つに分けて考えましょう。

掛けによる売上取引

　問題文の「商品を仕入れたときに商品勘定に記入し、販売したときにそのつど売上原価を売上原価勘定に振り替える方法で記帳している」から、売上原価対立法を採用していることが分かるので、掛け売上を計上するとともに、原価分を商品から売上原価に振り替えます。

販売した商品の原価＝400,000円×75％＝300,000円

解答①（掛けによる売上取引）

（借）売掛金　400,000
　（貸）売上　400,000
（借）売上原価　300,000
　（貸）商品　300,000

発送費に関する取引

　商品の配送費用や発送運賃など、商品を販売するさいに発生する費用（付随費用）を売上諸掛りといいます。

　問題文の「発送費￥ 5,000（当社負担）」から、当社負担の売上諸掛りが発生していることが分かるので発送費で処理します。

解答②（引取運賃に関する取引）

（借）発送費　5,000
　（貸）現金　5,000

　以上、①②の仕訳をまとめると解答仕訳になります。

参考1：売上原価対立法による場合の売上戻り・売上割戻

　売上原価対立法による場合、売上戻りは売上時の逆仕訳で処理します。また、売上割戻は売価を修正するだけで商品が動くわけではないため、売上の金額のみを修正します。

参考1-1：売上戻りの仕訳

（借）売上　×××
　（貸）売掛金など　×××
（借）商品　×××
　（貸）売上原価　×××

参考1-2：売上割戻の仕訳

（借）売上　×××
　（貸）売掛金　×××

参考2：売上諸掛りを得意先が負担する場合の仕訳

　得意先負担の諸掛りを立て替えて支払った場合、立替金で処理するか売掛金に含めて処理します。明確な指示がない場合は、問題に列挙されている勘定科目から判断して解答しましょう。

参考2-1：立替金で処理する場合の仕訳

（借）売掛金など　×××
　（貸）売上　×××
（借）立替金　×××
　（貸）現金など　×××

参考2-2：売掛金に含めて処理する場合の仕訳

（借）売掛金など　×××
　（貸）売上　×××
　（貸）現金など　×××

売上原価対立法による場合の仕入時の仕訳は、仕入取引（売上原価対立法）で出題しています。本問とあわせてご確認ください。

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