仕訳問題
難度:高・中・低
重要度:A・B
運送業者から前月分の運賃の請求書が送られてきたので、小切手を振り出して支払った。請求書の内訳は、商品の購入に関する引取運賃が ¥ 24,000、配送費用(得意先負担)が ¥ 36,000 であった。
勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。 | |||
---|---|---|---|
現金 | 当座預金 | 普通預金 | 立替金 |
前払金 | 未収入金 | 仮払金 | 前受金 |
未払金 | 仕入 | 支払運賃 | 売上 |
解答仕訳
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | ||
---|---|---|---|---|---|
仕入 立替金 |
24,000 36,000 |
当座預金 | 60,000 | ※1 |
※1 24,000円+36,000円=60,000円(貸借差額)
解説
仕入取引(引取運賃)に関する問題です。
本問は、取引を【引取運賃に関する取引】と【配送費用に関する取引】に分けて考えましょう。
引取運賃に関する取引
商品の配送費用や引取運賃など、商品を仕入れるさいに発生する費用(付随費用)を仕入諸掛りといいます。
問題文の「商品の購入に関する引取運賃が ¥ 24,000」から、負担関係が不明の仕入諸掛りを支払ったことが分かります。
本取引のように仕入諸掛りを当社・仕入先のどちらが負担するのか明確な指示がない場合は、当社が負担すると考えて仕入原価に含めて処理します。
- 仕入諸掛り
- 当社負担:仕入原価に含めて処理
- 仕入先負担:立替金で処理or買掛金から差し引いて処理
(貸)当座預金 24,000
配送費用に関する取引
問題文の「配送費用(得意先負担)が ¥ 36,000 であった」から、得意先負担の売上諸掛りを立て替えて支払ったことが分かります。
得意先負担の売上諸掛りを立て替えて支払った場合、立替金で処理するか売掛金に含めて処理しますが、問題に列挙されている勘定科目の中に立替金がある(売掛金はない)ので、立替金で処理すると判断します。
- 売上諸掛り
- 当社負担:発送費などで費用処理
- 得意先負担:立替金で処理or売掛金に含めて処理
(貸)当座預金 36,000
以上、①②の仕訳をまとめると解答仕訳になります。

本問のように、商品の受け入れと仕入諸掛りの処理のタイミングがズレるケースもありますが、当社負担の仕入諸掛りを仕入原価に含めて処理する点は同じです。うっかり支払運賃で処理しないように気をつけましょう。
Q&A
本問の内容に関する疑問・質問は、サイト内のメール送信フォームからお気軽にお問い合わせください。こちらの欄にて回答いたします。
重要仕訳一覧
- 商品売買(全14問)