第156回日商簿記検定2級・仕訳類題4(固定資産の滅失)

仕訳問題(類題)

重要度:★★★ 難度:★☆☆

 ×5年11月20日、建物(取得原価:¥ 36,000,000、前期末までの減価償却累計額:¥ 19,200,000、耐用年数:30年、残存価額:ゼロ、償却方法:定額法、記帳方法:間接法)が火災で焼失した。焼失した建物には総額 ¥ 30,000,000 の火災保険を掛けていたため、即刻、保険会社に対して保険金の請求を行った。なお、決算日は3月31日(年1回)であり、期首から火災発生日までの当期の減価償却費は月割りで計算する。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金 当座預金 普通預金 未収入金
建物 減価償却累計額 雑益 保険差益
減価償却費 雑損 火災損失 火災未決算

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却累計額
減価償却費
火災未決算
19,200,000
800,000
16,000,000

※1
※2
建物 36,000,000

※1 36,000,000円÷30年×8か月/12か月=800,000円

※2 36,000,000円-19,200,000円-800,000円=16,000,000円(貸借差額)

解説

 固定資産の滅失に関する問題です。

 保険をかけている固定資産が滅失した場合、滅失時の帳簿価額を火災未決算(未決算)に振り替えます。

 本問は、問題文の「×5年11月20日、建物…が火災で焼失した。」から、建物が滅失したことが分かるので、焼失時の建物の帳簿価額を計算して火災未決算に振り替えましょう。

  • 取得原価:36,000,000円
  • 前期末までの減価償却累計額:19,200,000円
  • 当期の減価償却費:36,000,000円÷30年×8か月/12か月=800,000円
  • 焼失時の建物の帳簿価額:36,000,000円-19,200,000円-800,000円=16,000,000円

 なお、保険金額が焼失時の建物の帳簿価額(=火災未決算に振り替える金額)よりも低い場合、この時点で差額分の損失が確定するため、保守主義の観点から保険金の金額確定を待たずに差額分を火災損失で処理する必要があります。

 本問は保険金額(30,000,000円)のほうが焼失時の建物の帳簿価額(16,000,000円)よりも高いので、追加の処理は不要です。

参考:保険金額が10,000,000円だった場合の解答仕訳
(借)減価償却累計額 19,200,000
(借)減価償却費 800,000
(借)火災損失 6,000,000
(借)火災未決算 10,000,000
 (貸)建物 36,000,000

 固定資産の滅失に関する問題は、第100回の問3第108回の問3第109回の問5第114回の問4第119回の問5第122回の問4第126回の問2第131回の問1第138回の問1でも出題されているので、あわせてご確認ください。

管理人

「保険金額<焼失時の建物の帳簿価額」のケースの問題は、過去の本試験でも実際に出題されています。出題される可能性は低いですが、念のために2つの金額をチェックするクセを付けておきましょう。



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