第154回日商簿記検定2級・仕訳類題1(リース取引)

仕訳問題(類題)

重要度:★★☆ 難度:★★★

 ×2年4月1日に、ファイナンス・リース取引に該当する情報機器のリース契約(契約期間:4年、見積現金購入価額:¥ 1,200,000、リース料:月額 ¥ 30,000 を毎月末に支払う)を結び、利子込み法により会計処理してきたが、×5年3月31日でこのリース契約を解約して×5年4月以後の未払リース料の残額のすべてを当座預金から支払い、同時にこの情報機器(※×5年3月31日までの減価償却費は直接法により計上済み)を貸手に無償で返却し除却の処理を行った。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金 当座預金 普通預金 リース資産
減価償却累計額 リース債務 未払リース料 固定資産売却益
減価償却費 支払利息 固定資産除却損 固定資産売却損

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
リース債務
固定資産除却損
360,000
360,000
※1
※2
当座預金
リース資産
360,000
360,000

※1 @30,000円×12か月=360,000円 または 1,440,000円-1,080,000円=360,000円

※2 1,440,000円-1,080,000円=360,000円

解説

 リース取引に関する問題です。

 本問はまず、問題文の「×2年4月1日に、ファイナンス・リース取引に該当する情報機器のリース契約(契約期間:4年、見積現金購入価額:¥ 1,200,000、リース料:月額 ¥ 30,000 を毎月末に支払う)を結び、利子込み法により会計処理してきた」から、契約時に以下のような仕訳をしたことが分かります。

参考:契約時の仕訳
(借)リース資産 1,440,000 ※1
 (貸)リース債務 1,440,000

※1 @30,000円×48か月=1,440,000円

 利子込み法による場合はリース料総額が取得原価になるため、毎月の支払額30,000円にリース期間4年(48か月)を乗じてリース資産の取得原価を計算しましょう。

  • 利子込み法による場合の取得原価:リース料総額(本問)
  • 利子抜き法による場合の取得原価:見積現金購入価額

 また、問題文に「×5年3月31日でこのリース契約を解約して×5年4月以後の未払リース料の残額のすべてを当座預金から支払い」とあるので、まずは×2年4月分から×5年3月分までの36か月分のリース料支払時の仕訳を考えましょう。

参考:リース料支払時の仕訳(※×2年4月分から×5年3月分までの36か月分の処理をまとめた仕訳)
(借)リース債務 1,080,000 ※2
 (貸)現金など 1,080,000

※2 @30,000円×36か月=1,080,000円

 上記の仕訳の結果、解約時のリース債務の貸方残の金額(=リース料の未払分)が分かるので、未払分の支払いにあたってリース債務の減少および当座預金の減少として処理します。

リース料の未払分:要支払額1,440,000円-既支払額1,080,000円=360,000円

 なお、リース料の未払分については、毎月の支払額30,000円に残りの契約期間(×5年4月1日から×6年3月31日までの1年間)を乗じて計算することもできます。

リース料の未払分:@30,000円×12か月=360,000円

解答①
(借)リース債務 360,000
 (貸)当座預金 360,000

 さらに、問題文の「この情報機器(※×5年3月31日までの減価償却費は直接法により計上済み)を貸手に無償で返却し除却の処理を行った」から、リース資産を除却したことが分かります。

 まずは、×2年4月分から×5年3月分までの36か月分の減価償却の仕訳を考えましょう。

 なお、本問は減価償却の記帳方法として直接法を採用しているので、貸方の勘定科目は減価償却累計額ではなくリース資産になります。

参考:減価償却の仕訳(※×2年4月分から×5年3月分までの36か月分の処理をまとめた仕訳)
(借)減価償却費 1,080,000 ※3
 (貸)リース資産 1,080,000

※3 1,440,000円×36か月/48か月=1,080,000円

 上記の仕訳の結果、リース資産の除却時の帳簿価額(=取得原価-減価償却累計額)が分かるので、除却にあたってリース資産固定資産除却損に振り替えます。

リース資産の除却時の帳簿価額:1,440,000円-1,080,000円=360,000円

解答②
(借)固定資産除却損 360,000
 (貸)リース資産 360,000

 以上、①②をまとめると解答仕訳になります。

 リース取引に関する問題は、第147回の問4第149回の問5でも出題されています。あわせてご確認ください。

管理人

本問は、某予備校の先生がWEB解説で「実務ではこんな処理しねーよ」と発言したことを受けて、作問者が【出題の意図】で「実務をあまり理解されていない指導者がいる…」と反論した有名な問題です。



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