仕訳問題(類題)
重要度:★★★ 難度:★☆☆
従業員にかかる健康保険・厚生年金の社会保険料合計 ¥ 200,000 を現金で納付した。このうち従業員負担分 ¥ 100,000 は預り金からの支出であり、残額は会社負担分である。
勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。 | |||
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現金 | 当座預金 | 普通預金 | 従業員立替金 |
前払保険料 | 仮払法人税等 | 預り金 | 未払保険料 |
保険料 | 租税公課 | 法定福利費 | 法人税等 |
解答仕訳
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | ||
---|---|---|---|---|---|
預り金 法定福利費 |
100,000 100,000 |
※1 |
現金 | 200,000 |
※1 200,000円-100,000円=100,000円(貸借差額)
解説
社会保険料の納付に関する問題です。
従業員の給料から天引きした(健康保険や厚生年金などの)社会保険料を納付するさいには、従業員負担額だけでなく同額の会社負担額もあわせて納付します。いわゆる「労使折半」です。
- 広義の社会保険
- 狭義の社会保険(健康保険や厚生年金、介護保険)←労使折半
- 労働保険(雇用保険や労災保険)
本問ではこの仕組みの処理が問われていますが、社会保険の詳しい仕組みや細かいルールなどを覚える必要はありません。
健康保険や厚生年金などの社会保険料を納付するさいに、従業員負担分を(社会保険料)預り金の減少として処理するとともに、同額の会社負担分を法定福利費で処理することを押さえておきましょう。
- 社会保険料の納付時の仕訳
- 従業員負担分(50%):(社会保険料)預り金の減少として処理
- 会社負担分(50%):法定福利費で費用処理
なお、本問は問題に列挙されている勘定科目の中に預り金がある(社会保険料預り金がない)ので、預り金で処理すると判断します。うっかり社会保険料預り金で処理しないように気をつけましょう。
(貸)預り金 100,000
(貸)普通預金など -
(借)法定福利費 100,000
(貸)現金 200,000
社会保険料の納付に関する問題は、現時点では本問のみです。

広義の社会保険のうち「雇用保険」は一部のみを労使折半、「労災保険」は全額を会社が負担します。これらの論点が簿記3級で出題される場合は、必ず丁寧な指示が入ります。問題の指示に従って解答してください。