仕訳問題(類題)
重要度:★★★ 難度:★★☆
(1) 省エネタイプの機械5台( @¥ 100,000 )の導入にあたり、先日、国から ¥ 300,000 の補助金を受け取っていたが、誤って雑収入として処理していたことが判明したためこれを修正するとともに、本日(10月20日)、上記の機械5台を予定どおり購入し、代金は据付費 ¥ 10,000 とともに現金で支払った。
(2) 決算(3月31日)において、補助金に関する圧縮記帳が行われていないことが判明したため直接控除方式により適切に処理するとともに、機械の減価償却費を月割りで計上した。減価償却費の計算にあたっては、耐用年数は5年、償却方法は200%定率法、記帳方法は間接法によること。
勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。 | |||
---|---|---|---|
現金 | 当座預金 | 普通預金 | 備品 |
機械 | 減価償却累計額 | 雑収入 | 国庫補助金受贈益 |
支払手数料 | 減価償却費 | 固定資産圧縮損 | 固定資産除却損 |
解答仕訳
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | ||
---|---|---|---|---|---|
雑収入 機械 |
300,000 510,000 |
※1 |
国庫補助金受贈益 現金 |
300,000 510,000 |
※1 @100,000円×5台+10,000円=510,000円
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | ||
---|---|---|---|---|---|
固定資産圧縮損 減価償却費 |
300,000 42,000 |
※2 |
機械 減価償却累計額 |
300,000 42,000 |
※2 (510,000円-300,000円)×40%×6か月/12か月=42,000円
解説
固定資産の圧縮記帳&減価償却に関する問題です。
本問は、取引を【補助金の受け取り&固定資産の取得に関する取引】と【固定資産の圧縮記帳&減価償却に関する取引】に分けて考えましょう。
補助金の受け取り&固定資産の取得に関する取引
本問はまず、問題文に「先日、国から ¥ 300,000 の補助金を受け取っていたが、誤って雑収入として処理していたことが判明したためこれを修正する」とあるので、雑収入を国庫補助金受贈益に振り替えます。
(貸)国庫補助金受贈益 300,000
また、問題文の「本日(10月20日)、上記の機械5台を予定どおり購入し、代金は据付費 ¥ 10,000 とともに現金で支払った」から、機械の購入あたり据付費(設置費用)が発生したことが分かります。
据付費にかぎらず、配送料や売買手数料など、固定資産を購入するさいに発生する費用(付随費用)は取得原価に含めて処理します。
固定資産の取得原価:購入代価+付随費用
機械の取得原価=@100,000円×5台+10,000円=510,000円
(貸)現金 510,000
以上、①②の仕訳をまとめると、(1)の解答仕訳になります。
固定資産の圧縮記帳&減価償却に関する取引
問題文に「補助金に関する圧縮記帳が行われていないことが判明したため直接控除方式により適切に処理する」とあるので、補助金300,000円を固定資産圧縮損で処理するとともに、機械の取得原価を直接控除します。
(貸)機械 300,000
また、問題文に「機械の減価償却費を月割りで計上した」とあるので、当期の減価償却費(6か月分)を月割りで計算しましょう。
償却率=1÷5年×200%=40%
当期の減価償却費=(510,000円-300,000円)×40%×6か月/12か月=42,000円
(貸)減価償却累計額 42,000
以上、③④の仕訳をまとめると、(2)の解答仕訳になります。
固定資産の圧縮記帳に関する問題は、第146回の問3でも出題されています。あわせてご確認ください。

本問のように問題が(1)と(2)の2段構えになっている場合は、(1)で2点・(2)で2点の配点になります。どちらか片方の仕訳のみが正解していた場合は2点もらえます。