第152回日商簿記検定2級・仕訳類題4(外貨建取引)

仕訳問題(類題)

難度:高・中・

重要度:A・B

 ×5年10月1日、2か月前の8月1日の輸出取引によって生じた外貨建ての売掛金10,000ドルについて、決済日(×5年11月30日)に1ドル ¥ 116 で10,000ドルを売却する為替予約を取引銀行と締結した。なお、為替予約の処理あたっては振当処理を適用することとし、為替予約による円換算額との差額はすべて当期の損益として処理する。

  • 商品販売時の直物為替相場:1ドル ¥ 113
  • 商品販売時の先物為替相場:1ドル ¥ 114
  • 為替予約時の直物為替相場:1ドル ¥ 115
  • 為替予約時の先物為替相場:1ドル ¥ 116
勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金 当座預金 普通預金 売掛金
買掛金 売上 受取手数料 受取利息
仕入 支払手数料 支払利息 為替差損益

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
売掛金 30,000 ※1 為替差損益 30,000

※1 (@116円-@113円)×10,000ドル=30,000円

解説

 外貨建取引に関する問題です。

 営業取引にかかる各勘定科目の円換算額を計算するさいに使う為替相場は、為替予約を付したタイミングにより異なります。

  • 取引発生に為替予約を付した場合
    • 予約時:換算なし
    • 取引時:予約時の先物為替相場で換算
    • 決算時:予約時の先物為替相場で換算
    • 決済時:予約時の先物為替相場で換算
  • 取引発生と同時に為替予約を付した場合
    • 取引時&予約時:取引時の先物為替相場で換算
    • 決算時:取引時の先物為替相場で換算
    • 決済時:取引時の先物為替相場で換算
  • 取引発生に為替予約を付した場合
    • 取引時:取引時の直物為替相場で換算
    • 予約時:予約時の先物為替相場で換算(※為替差損益が発生)
    • 決算時:予約時の先物為替相場で換算
    • 決済時:予約時の先物為替相場で換算

 本問は、問題文の「×5年10月1日、2か月前の8月1日の輸出取引によって生じた外貨建ての売掛金10,000ドルについて…為替予約を取引銀行と締結した」から、取引発生に為替予約を付したことが分かります。

 よって、為替予約時には「販売時の直物為替相場で換算した円換算額」と「為替予約時の先物為替相場で換算した円換算額」との差額を為替差損益で処理します。

  • 販売時の直物為替相場で換算した円換算額:@113円×10,000ドル=1,130,000円
  • 為替予約時の先物為替相場で換算した円換算額:@116円×10,000ドル=1,160,000円
  • 為替差損益:1,160,000円-1,130,000円=30,000円(為替差益)
解答:為替予約時の仕訳
(借)売掛金 30,000
 (貸)為替差損益 30,000

参考:取引発生から決済までの一連の仕訳

 取引発生に為替予約を付した場合の、取引発生から決済までの一連の仕訳は以下のとおりです。参考までに内容をご確認ください

参考:取引時の仕訳
(借)売掛金 1,130,000
 (貸)売上 1,130,000
解答:為替予約時の仕訳
(借)売掛金 30,000
 (貸)為替差損益 30,000
参考:決算時の仕訳
仕訳なし
参考:決済の仕訳
(借)現金など 1,160,000
 (貸)売掛金 1,160,000

 外貨建取引に関する問題は、第147回の問2第148回の問5第154回の問4でも出題されています。あわせてご確認ください。

管理人

外貨建取引の為替予約の問題は為替予約を付したタイミングにより仕訳が異なります。仕訳を考えるさいは「いつ為替予約を付したのか?」を必ず確認しましょう。



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