第152回日商簿記検定2級・仕訳類題1(有価証券の売却)

仕訳問題(類題)

難度:高・・低

重要度:A・B

 ×3年7月31日、売買目的で保有している社債(額面総額 ¥ 500,000、利率年0.73%、利払日は3月末の年1回)を額面 ¥ 100 につき ¥ 97.80 の価額(裸相場)で売却し、売却代金は売買日までの端数利息とともに現金で受け取った。なお、この社債は×3年5月1日に額面 ¥ 100 につき ¥ 98.20 の価額(裸相場)で買い入れたものであり、端数利息は1年を365日として日割で計算する。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金 当座預金 普通預金 売買目的有価証券
満期保有目的債券 関連会社株式 子会社株式 その他有価証券
有価証券利息 有価証券売却益 支払利息 有価証券売却損

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金
有価証券売却損
490,220
2,000
※3
※4
売買目的有価証券
有価証券利息
491,000
1,220
※1
※2

※1 500,000円×98.20円/100円=491,000円

※2 500,000円×0.73%×122日/365日=1,220円

※3 491,000円+1,220円=492,220円

※4 491,000円-500,000円×97.80円/100円=2,000円

解説

 有価証券の売却に関する問題です。

 本問は、取引を【利息の受け取りに関する取引】と【有価証券の売却に関する取引】に分けて考えましょう。

 問題文の「×3年7月31日」「利払日は3月末の年1回」「売却代金は売買日までの端数利息とともに現金で受け取った」から、前回の利払日の翌日(4月1日)から売買日(7月31日)までの122日分(30日+31日+30日+31日)の端数利息を計算します。

端数利息=500,000円×0.73%×122日/365日=1,220円

解答①(利息の受け取りに関する仕訳)
(借)現金 1,220
 (貸)有価証券利息 1,220

 有価証券を売却した場合、帳簿価額と売却価額との差額を売却損益で処理します。売却価額は、問題文の「額面 ¥ 100 につき ¥ 97.80 の価額(裸相場)」から求めましょう。

  • 帳簿価額:500,000円×98.20円/100円=491,000円
  • 売却価額:500,000円×97.80円/100円=489,000円
  • 売却損益:491,000円-489,000円=2,000円(売却損)

 また、問題文に「売買目的で保有している」とあるので、売買目的有価証券有価証券売却損で処理します。

  • 有価証券の購入時に使う勘定科目
    • 売買目的:売買目的有価証券
    • 満期保有目的:満期保有目的債券
    • 影響力行使目的:関連会社株式
    • 支配目的:子会社株式
    • 上記のいずれにも該当しない(ex.長期保有目的):その他有価証券
解答②(有価証券の売却に関する仕訳)
(借)現金 489,000
(借)有価証券売却損 2,000
 (貸)売買目的有価証券 491,000

 以上、①②の仕訳をまとめると解答仕訳になります。

参考:買入時の仕訳

 問題文の「この社債は×3年5月1日に額面 ¥ 100 につき ¥ 98.20 の価額(裸相場)で買い入れたもの」から、社債の取得原価が分かります。

 また、買入時に支払った端数利息は、前回の利払日の翌日(4月1日)から売買日(5月1日)までの31日分(30日+1日)になります。

取得原価=500,000円×98.20円/100円=491,000円

端数利息=500,000円×0.73%×31日/365日=310円

参考:買入時の仕訳
(借)売買目的有価証券 491,000
(借)有価証券利息 310
 (貸)現金など 491,310

 買入時に31日分の利息を支払い、売却時に122日分の利息を受け取ることにより、差し引きで保有期間(5月2日から7月31日までの91日分)に見合った利息を計上することができます。

 有価証券の売却に関する問題は、第105回の問2第107回の問1第111回の問1第113回の問2第116回の問2第118回の問4第119回の問3第121回の問2第122回の問3第125回の問2第133回の問2第137回の問5でも出題されています。あわせてご確認ください。

管理人

端数利息の計算期間は、本問のように「前回の利払日の翌日から売買日まで」が一般的ですが、「前回の利払日の翌日から売買前日まで」というケースもあります。解答時に必ず確認しましょう。



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