仕訳問題(類題)
重要度:★☆☆ 難度:★★☆
中野に拠点を築くためにブロードウェイ株式会社を吸収合併し、新たに当社の株式1,500株(合併時点の時価 @¥ 10,000 )を発行し、これをブロードウェイ株式会社の株主に交付した。合併時のブロードウェイ株式会社の諸資産、諸負債は以下のとおりである。
- 諸資産(簿価:¥ 40,000,000、時価:¥ 42,000,000 )
- 諸負債(簿価:¥ 25,000,000、時価:¥ 26,000,000 )
また、合併にあたっては、取得の対価のうち70%を資本金、残り30%を資本準備金として計上することとした。
勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。 | |||
---|---|---|---|
当座預金 | 普通預金 | 諸資産 | その他有価証券 |
満期保有目的債券 | のれん | 諸負債 | 資本金 |
資本準備金 | その他資本剰余金 | 負ののれん発生益 | のれん償却 |
解答仕訳
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | ||
---|---|---|---|---|---|
諸資産 | 42,000,000 | 諸負債 資本金 資本準備金 負ののれん発生益 |
26,000,000 10,500,000 4,500,000 1,000,000 |
※1 ※2 ※3 |
※1 (@10,000円×1,500株)×70%=10,500,000円
※2 (@10,000円×1,500株)×30%=4,500,000円
※3 42,000,000円-26,000,000円-10,500,000円-4,500,000円=1,000,000円(貸借差額)
解説
企業合併に関する問題です。
他の企業を吸収合併する場合、被合併会社の資産・負債を時価で引き継ぎ、その対価として株式を交付したうえで、被合併会社の純資産(資産-負債)の額と交付した株式の額を比較して、のれん(借方に計上する場合)または負ののれん発生益(貸方に計上する場合)を計上します。
本問の場合、問題文に「諸資産(簿価:¥ 40,000,000、時価:¥ 42,000,000 )」「諸負債(簿価:¥ 25,000,000、時価:¥ 26,000,000 )」とあるので、被合併会社の純資産の額は16,000,000円(=42,000,000円-26,000,000円)になります。
一方、交付した株式の額は、問題文の「新たに当社の株式1,500株(合併時点の時価:@¥ 10,000 )を発行し、これをブロードウェイ株式会社の株主に交付した」という一文から、15,000,000円(=1,500株×@10,000円)ということが分かります。
この結果、16,000,000円が価値のある会社を15,000,000円で手に入れたことになるので、差額の1,000,000円を負ののれん発生益(特別利益)として処理します。
なお、新たに交付した株式に関しては、問題文に「取得の対価のうち70%を資本金、残り30%を資本準備金として計上することとした」とあるので、指示に従って資本金・資本準備金勘定で処理します。
- 資本金:15,000,000円×70%=10,500,000円
- 資本準備金:15,000,000円×30%=4,500,000円
企業合併に関する問題は、第102回の問5や第129回の問1でも出題されています。あわせてご確認ください。