仕訳問題(類題)
重要度:★★☆ 難度:★★☆
当期首に、翌月末支払いの条件で営業用自動車 ¥ 2,000,000 を購入し、従来利用していた自動車(取得原価:¥ 1,600,000、減価償却累計額:¥ 1,440,000、記帳方法:間接法)については、¥ 100,000 で下取りしてもらえることになった。なお、この下取り価格は新車代金の支払額から差し引かれることになった。
勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。 | |||
---|---|---|---|
現金 | 当座預金 | 未収入金 | 未払金 |
備品 | 車両 | 備品減価償却累計額 | 車両減価償却累計額 |
減価償却費 | 固定資産売却益 | 固定資産売却損 | 支払手数料 |
解答仕訳
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | ||
---|---|---|---|---|---|
車両 車両減価償却累計額 固定資産売却損 |
2,000,000 1,440,000 60,000 |
※1 |
車両 未払金 |
1,600,000 1,900,000 |
※2 |
※1 1,600,000円-1,440,000円-100,000円=60,000円
※2 2,000,000円-100,000円=1,900,000円
解説
固定資産の買換えに関する問題です。本問は「期首売却」なので期中の減価償却を考慮する必要もなく、また記帳方法もおなじみの「間接法」だったので簡単に解けたと思います。仕訳を考えるさいは「旧車両の売却に関する仕訳」「新車両の購入に関する仕訳」を分けて考えると分かりやすいです。
旧車両の売却に関する仕訳
まず、旧車両の売却損益を算定するために買換時の旧車両の帳簿価額を算定します。取得原価1,600,000円から減価償却累計額1,440,000円を差し引くだけなので簡単です。
買換時の車両の帳簿価額が判明したら、下取り価額100,000円との差額60,000円を固定資産売却損として処理します。
- 買替時の帳簿価額=1,600,000-1,440,000円=160,000円
- 下取り価額=100,000円
- 差額=60,000円(帳簿価額>下取価額…売却損)
(借)未収入金 100,000
(借)固定資産売却損 60,000
(貸)車両 1,600,000
新車両の購入に関する仕訳
次に、新車両を購入に関する仕訳を考えます。車両代金2,000,000円のうち100,000円については旧車両の下取り100,000円を充当し、残額の1,900,000円については未払金勘定で処理します。
(貸)未収入金 100,000
(貸)未払金 1,900,000
以上、①②の仕訳をまとめると解答仕訳になります。なお、借方の車両2,000,000円(新車両)と貸方の車両1,600,000円(旧車両)はそれぞれ別の車両なので相殺しない点に気をつけてください(未収入金は相殺します)。
固定資産の買換えに関する問題は、第106回の問5や第124回の問5、第134回の問1でも出題されていますが、他の問題は「期中売却」なので、当期の減価償却費を考慮したうえで旧固定資産の売却損益を算定する必要があります。
しかも、前々回の第134回の問1で出題された問題は、記帳方法が「間接法」ではなく「直接法」だったのでかなり出来が悪かったようです。学習のさいには他の問題もあわせて押さえておきましょう。