仕訳問題(類題)
重要度:★★★ 難度:★☆☆
備品(取得原価:¥ 300,000、残存価額:ゼロ、耐用年数:6年)を4年間使用してきたが、5年目の期首に ¥ 80,000 で売却し、代金は売却先振出しの小切手で受け取った。減価償却費は定額法で計算し、記帳は間接法を用いている。
勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。 | |||
---|---|---|---|
現金 | 当座預金 | 未収入金 | 備品 |
減価償却費 | 備品減価償却累計額 | 固定資産売却益 | 固定資産売却損 |
解答仕訳
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | ||
---|---|---|---|---|---|
備品減価償却累計額 現金 固定資産売却損 |
200,000 80,000 20,000 |
※1 ※2 |
備品 | 300,000 |
※1 300,000円×4年/6年=200,000円
※2 300,000円-200,000円-80,000円=20,000円(貸借差額)
解説
固定資産の売却に関する問題です。
固定資産は期首に売却する場合と、期中(または期末)に売却する場合とで処理が異なるので、まず問題がどちらに該当するのか確認しましょう。
期首に固定資産を売却する場合
当期の減価償却費はゼロなので、取得原価から期首備品減価償却累計額を差し引いて売却時の帳簿価額を計算し、さらに売却価額との差額で売却損益を計算します。
売却時の帳簿価額=取得原価-期首備品減価償却累計額
期中(または期末)に固定資産を売却する場合
当期の減価償却の処理に関する指示が入るので、それに従って当期の減価償却費を(月割で)計算します。そのうえで、取得原価から期首備品減価償却累計額&当期の減価償却費を差し引いて売却時の帳簿価額を計算し、さらに売却価額との差額で売却損益を計算します。
売却時の帳簿価額=取得原価-期首備品減価償却累計額-当期の減価償却費
本問は、問題文の「5年目の期首に ¥ 80,000 で売却」から期首に売却したことが分かるので、まずは期首備品減価償却累計額を計算しましょう。
300,000円÷6年=50,000円/年
50,000円/年×4年=200,000円
期首備品減価償却累計額の金額を計算したら、取得原価からこれを差し引いて売却時の帳簿価額を計算します。
取得原価300,000円-期首備品減価償却累計額200,000円=売却時の帳簿価額100,000円
最後に、売却時の帳簿価額と売却価額との差額で売却損益を計算します。売却価額200,000円は売却先振出しの小切手で受け取っているので、現金で処理します。
- 売却時の帳簿価額=100,000円
- 売却価額=80,000円
- 差額=20,000円(帳簿価額>売却価額…売却損)
(借)現金 80,000
(借)固定資産売却損 20,000
(貸)備品 300,000
固定資産の売却に関する問題は、第102回の問2や第105回の問2、第108回の問1、第115回の問4、第119回の問5、第120回の問3、第122回の問5、第134回の問1、第135回の問3、第136回の問2、第137回の問3、第138回の問2、第142回の問1、第146回の問2、第149回の問5、第154回の問4でも出題されています。あわせてご確認ください。