仕訳問題(類題)
重要度:★★★ 難度:★☆☆
当期首に営業用建物(取得原価 ¥ 10,000,000、残存価額 ¥ 1,000,000、耐用年数10年、定額法による減価償却、間接法により記帳)の修繕を行い、代金 ¥ 1,400,000円 のうち ¥ 800,000 については小切手を振り出して支払い、残額は月末に支払うこととした。なお、このうち ¥ 500,000 については建物の耐震構造を強化する効果があると認められた。また、修繕引当金の残高は ¥ 200,000 である。
勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。 | |||
---|---|---|---|
現金預金 | 未収入金 | 建物 | 支払手形 |
買掛金 | 未払金 | 修繕引当金 | 車両減価償却累計額 |
減価償却費 | 修繕費 | 固定資産売却損 | 固定資産売却益 |
解答仕訳
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | ||
---|---|---|---|---|---|
建物 修繕引当金 修繕費 |
500,000 200,000 700,000 |
※2 |
現金預金 未払金 |
800,000 600,000 |
※1 |
※1 1,400,000円-800,000円=600,000円
※2 800,000円+600,000円-500,000円-200,000円=700,000円(貸借差額)
解説
固定資産の修繕に関する問題です。
修繕に関する問題は、支出した費用を「収益的支出」と「資本的支出」に分けて処理しましょう。
- 収益的支出:定期修繕など固定資産の諸機能を維持するための支出 → 修繕費・修繕引当金で処理
- 資本的支出:耐用年数を延長させたり、その価値を高めるような支出 → 固定資産の増加として処理
本問はまず、問題文の「このうち ¥ 500,000 については建物の耐震構造を強化する効果があると認められた」から、この500,000円が資本的支出であることが分かるので、建物の増加として処理します。
(貸)現金預金 500,000
また、問題文の「当期首に営業用建物の修繕を行い、代金 ¥ 1,400,000円 のうち ¥ 800,000 については小切手を振り出して支払い、残額は月末に支払うこととした」から、残りの900,000円(=1,400,000円-500,000円)が収益的支出であることが分かります。
さらに、問題文の「修繕引当金の残高は ¥ 200,000 である」から200,000円の修繕引当金が設定されていることが分かります。
よって、900,000円のうち200,000円については修繕引当金を取り崩して処理し、残額の700,000円については修繕費で費用処理します。
(借)修繕費 700,000
(貸)現金預金 300,000
(貸)未払金 600,000
以上、①②をまとめると解答仕訳になります。
固定資産の修繕に関する問題は、第100回の問1や第102回の問4、第110回の問1、第111回の問5、第115回の問3、第119回の問2、第123回の問5、第132回の問1、第137回の問3、第139回の問1、第139回の問4、第141回の問2、第147回の問1、第149回の問3でも出題されています。あわせてご確認ください。