仕訳問題(類題)
重要度:★★★ 難度:★★☆
2月23日、手許にある額面総額 ¥ 100,000 の社債を額面 ¥ 100 につき ¥ 97 の裸相場で売却し、売却代金は端数利息とともに受け取り、直ちに当座預金とした。なお、この社債は、売買目的の有価証券として、当期の12月12日に額面 ¥ 100 につき ¥ 96 の裸相場で買い入れた他社発行の社債(利率年3%、利払日は3月末と9月末の年2回)である。また、端数利息の金額については1年を365日として日割りで計算する。
勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。 | |||
---|---|---|---|
当座預金 | 受取手形 | 売掛金 | 売買目的有価証券 |
前払金 | 支払手形 | 買掛金 | 前受金 |
売上 | 有価証券利息 | 有価証券売却益 | 有価証券売却損 |
解答仕訳
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | ||
---|---|---|---|---|---|
当座預金 | 98,200 | ※4 | 有価証券利息 売買目的有価証券 有価証券売却益 |
1,200 96,000 1,000 |
※1 ※2 ※3 |
※1 100,000円×3%×146日/365日=1,200円
※2 100,000円×@96円/@100円=96,000円
※3 100,000円×@97円/@100円-96,000円=1,000円
※4 1,200円+96,000円+1,000円=98,200円(貸借差額)
解説
有価証券の売却に関する問題です。本問は「有価証券利息を受け取った仕訳」と「売買目的有価証券を売却した仕訳」を分けて考えることをおすすめします。
まず「有価証券利息を受け取った仕訳」を考えてみましょう。問題文に「端数利息の金額については1年を365日として日割りで計算する」とあるので、前回の利払日の翌日から売却日までの146日分(=31日+30日+31日+31日+23日)の有価証券利息を計上します。
100,000円×3%×146日÷365日=1,200円
(貸)有価証券利息 1,200
次に「売買目的有価証券を売却した仕訳」を考えますが、こちらは簡単なので特に問題はないと思います。有価証券の売却損益は、帳簿価額と売却価額の差額で求めます。
- 有価証券の帳簿価額=96,000円
- 有価証券の売却価額=100,000円×0.97=97,000円
- 差額=1,000円(帳簿価額<売却価額…売却益)
(貸)売買目的有価証券 96,000
(貸)有価証券売却益 1,000
最後に2つの仕訳をまとめて解答用紙に記入すれば完了です。
有価証券の売却に関する問題は、第105回の問2や第107回の問1、第111回の問1、第113回の問2、第116回の問2、第119回の問3、第121回の問2、第122回の問3、第125回の問2、第133回の問2、第137回の問5、第152回の問1でも出題されています。あわせてご確認ください。