仕訳問題(類題)
重要度:★★★ 難度:★☆☆
当期期首に、建物(取得原価 ¥ 1,000,000、残存価額 ¥ 100,000、耐用年数9年、定額法により償却、間接法により記帳)の修繕を行い、代金 ¥ 300,000 は小切手を振り出して支払った。なお、このうち、¥ 200,000 は建物の耐用年数を延長する効果があると認められた。修繕引当金の残高は ¥ 80,000 であった。
勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。 | |||
---|---|---|---|
現金 | 当座預金 | 前払金 | 固定資産売却損 |
固定資産売却益 | 建物 | 建物減価償却累計額 | 未払金 |
修繕費 | 修繕引当金 | 支払手数料 | 建設仮勘定 |
解答仕訳
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | ||
---|---|---|---|---|---|
建物 修繕引当金 修繕費 |
200,000 80,000 20,000 |
※1 |
当座預金 | 300,000 |
※1 300,000円-200,000円-80,000円=20,000円(貸借差額)
解説
固定資産の修繕に関する問題です。
修繕に関する問題は、支出した費用を「収益的支出」と「資本的支出」に分けて処理しましょう。
- 収益的支出:定期修繕など固定資産の諸機能を維持するための支出 → 修繕費・修繕引当金で処理
- 資本的支出:耐用年数を延長させたり、その価値を高めるような支出 → 固定資産の増加として処理
本問はまず、問題文の「このうち、¥ 200,000 は建物の耐用年数を延長する効果があると認められた」から、この200,000円が資本的支出であることが分かるので、建物の増加として処理します。
(貸)当座預金 200,000
また、問題文の「建物の修繕を行い、代金 ¥ 300,000 は小切手を振り出して支払った」から、残りの100,000円(=300,000円-200,000円)が収益的支出であることが分かります。
さらに、問題文の「修繕引当金の残高は ¥ 80,000 であった」から80,000円の修繕引当金が設定されていることが分かります。
よって、100,000円のうち80,000円については修繕引当金を取り崩して処理し、残額の20,000円については修繕費で費用処理します。
(借)修繕費 20,000
(貸)当座預金 100,000
以上、①②をまとめると解答仕訳になります。
固定資産の修繕に関する問題は、第100回の問1や第102回の問4、第110回の問1、第111回の問5、第119回の問2、第123回の問5、第124回の問1、第132回の問1、第137回の問3、第139回の問1、第139回の問4、第141回の問2、第147回の問1、第149回の問3でも出題されています。あわせてご確認ください。