第112回日商簿記検定2級・仕訳類題5(利益処分)

仕訳問題(類題)

重要度:★★☆ 難度:★★☆

 株主総会の決議により、当期期首の繰越利益剰余金 ¥ 10,000,000 を配当金 ¥ 1,000,000、新築積立金 ¥ 2,000,000 として配当及び処分した。なお、利益準備金は会社法の定める額を計上した。ただし、この会社の資本金は ¥ 40,000,000 であり、資本準備金と利益準備金の合計は ¥ 9,500,000 である。

勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。
現金 株式申込証拠金 未払法人税等 資本金
株式払込剰余金 利益準備金 配当平均積立金 新築積立金
別途積立金 繰越利益剰余金 法人税等 未払配当金

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
繰越利益剰余金 3,100,000 ※2 未払配当金
利益準備金
新築積立金
1,000,000
100,000
2,000,000

※1

※1 1,000,000円÷10=100,000円

※2 1,000,000円+100,000円+2,000,000円=3,100,000円(貸借差額)

解説

 利益処分に関する問題です。利益剰余金(繰越利益剰余金)を財源として配当を行う場合には、「配当により減少する利益剰余金の額の10分の1を、資本準備金の額と利益準備金の額とをあわせて、資本金の4分の1に達するまで(利益準備金を)積み立てなければならない」と定められているので、本問でもこの文言どおりにチェックする必要があります。

 まず、問題文に「配当金 ¥ 1,000,000 」とあるので、配当により減少する利益剰余金の金額は1,000,000円で、その10分の1は100,000円ということが分かります。新築積立金の積立額2,000,000円は利益準備金要積立額の計算には関係ないので気をつけてください。

 また、資本準備金と利益準備金の合計額が9,500,000円なので、資本金40,000,000円の4分の1に達するまで積み立てなければならない額は、40,000,000円÷4-9,500,000円=500,000円になります。

 ここで、両者を比較すると【100,000円<500,000円】となるので、利益準備金要積立額は100,000円になります。

  • 配当の10分の1規定による利益準備金要積立額:100,000円
  • 資本金の4分の1規定による利益準備金要積立額:500,000円
  • 金額の小さい方(100,000円)を利益準備金として積み立てる

 配当の10分の1規定に関しては多くの受験生が理解していると思いますが、資本金の4分の1規定と比較するのを忘れてしまう方が多いです。

 今回は10分の1規定の金額の方が小さかったので、4分の1規定を忘れていても結果的には正解までたどり着けますが、利益処分の問題は必ず資本金の4分の1規定もチェックしてください。

 では仮に、資本準備金と利益準備金の合計額が9,950,000円だった場合、利益準備金要積立額はどうなるでしょうか?これも上と同じように考えていけばいいだけなので、あわせてご確認ください。

 【解答】資本金40,000,000円の4分の1の10,000,000円から、資本準備金と利益準備金の合計金額9,950,000円を差し引くと50,000円になり、配当金1,000,000円の10分の1の100,000円よりも小さくなるので、利益準備金要積立額は50,000円になります。

  • 配当の10分の1規定による利益準備金要積立額:100,000円
  • 資本金の4分の1規定による利益準備金要積立額:50,000円
  • 金額の小さい方(50,000円)を利益準備金として積み立てる

 利益処分に関する問題は、第103回の問3第106回の問2第121回の問3第129回の問2第135回の問5第143回の問4第153回の問5でも出題されています。あわせてご確認ください。



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