仕訳問題(類題)
重要度:★☆☆ 難度:★★☆
前期末において、向こう3年分の火災保険料(1年分が ¥ 30,000 )を前払い処理し、前払保険料勘定に ¥ 30,000、長期前払保険料勘定に ¥ 60,000 を計上していた。当期の決算にあたり、適切な費用の期間帰属のための処理を行う。なお、当期首において再振替仕訳は行っていない。
勘定科目は、次の中から最も適当と思われるものを選びなさい。 | |||
---|---|---|---|
現金 | 当座預金 | 支払保険料 | 前払保険料 |
長期前払保険料 | 建物 | 建物減価償却累計額 | 損益 |
繰越利益剰余金 | 未決算 | 火災損失 | 保険差益 |
解答仕訳
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | ||
---|---|---|---|---|---|
支払保険料 前払保険料 長期前払保険料 |
90,000 30,000 30,000 |
※1 | 前払保険料 長期前払保険料 支払保険料 |
30,000 60,000 60,000 |
※1 30,000円+60,000円=90,000円
または
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | ||
---|---|---|---|---|---|
支払保険料 前払保険料 |
30,000 30,000 |
前払保険料 長期前払保険料 |
30,000 30,000 |
解説
一年基準に関する問題です。
本問はまず、前期末の仕訳を考えたうえで当期末の仕訳を考えましょう。
前期末の処理
費用(支払保険料)の前払いの仕訳を切ります。具体的には、決算日の翌日から起算して1年以内に期限の到来するものは前払保険料に振り替え、1年を超えるものについては長期前払保険料に振り替えます。
本問は、問題文に「前期末において、向こう3年分の火災保険料(1年分が ¥ 30,000 )を前払い処理し、前払保険料勘定に ¥ 30,000、長期前払保険料勘定に ¥ 60,000 を計上していた」と分かりやすく書いてあるので、この仕訳は特に問題ないと思います。
(借)長期前払保険料 60,000
(貸)支払保険料 90,000
当期末の処理
問題文に「当期首において再振替仕訳は行っていない」とあるので、まず再振替仕訳を切ります。前期末に切った仕訳の逆仕訳をしましょう。
(貸)前払保険料 30,000
(貸)長期前払保険料 60,000
また、当期末も前期末と同様に費用(支払保険料)の前払いの仕訳を切ります。前期末に3年分の保険料を前払い処理しているので、当期末は残り2年分について前払い処理を行います。
具体的には、1年以内に期限が到来する1年分(30,000円)を前払保険料に振り替え、1年を超えるもう1年分(30,000円)を長期前払保険料に振り替えます。
(借)長期前払保険料 30,000
(貸)支払保険料 60,000
以上、①②の仕訳をまとめると解答仕訳になります。
なお、上記の考え方とは別に、前期に計上した前払保険料を支払保険料に、長期前払保険料の1年分を前払保険料に振り替える仕訳も正解です。
一年基準に関する問題は、第139回の問2でも出題されています。あわせてご確認ください。