第154回日商簿記2級の試験問題予想を大公開!
簿記検定ナビの管理人が、2020年2月23日に行われる第154回日商簿記2級の試験問題を予想するページです(簿記3級の出題予想は簿記3級 試験問題予想ページをご覧ください)。
第1予想 | 第2予想 | 第3予想 | |
---|---|---|---|
第1問 | 仕訳 | ||
第2問 | 有価証券 | 商品売買 | 固定資産 |
第3問 | 財務諸表 | 連結会計 | 精算表 |
第4問 | 単純個別原価計算 | 費目別計算 | 標準原価計算 |
第5問 | 直接原価計算 | 単純総合原価計算 | 工程別総合原価計算 |
第1問:仕訳は過去問対策が効果的!新論点は基本的な処理をマスターしましょう!
第1問では毎回【仕訳問題】が5問出題されますが、試験回によって問題の難度はバラバラです。
以下の受験生アンケートをご覧ください。第146回のようにすごく簡単な回もあれば、第153回のようにやや簡単な回、第150回・第151回のように受験生泣かせの回もあります。
第154回に関しては、第146回のような「仕訳対策がそのまま点数に結びつく簡単な問題」が出題されるのか、第150回・第151回のような「今までに出題されたことのないような難しい問題・解きにくい問題」が出題されるのか…蓋を開けてみないと分かりません。
そこで、今回は前者のパターンと後者のパターンの2つに分けて、効果的・効率的な対策を考えてみましょう。
「仕訳対策がそのまま点数に結びつく簡単な問題」の場合
上の出題一覧表をご覧ください。
最近は試験範囲の改定で追加された論点からの出題が増えています。逆に、改定前まで2級の頻出論点であった手形取引などは目に見えて出題が減っています。
第154回の仕訳対策としては「試験範囲の改定で追加された論点」と「相変わらず出題頻度の高い固定資産や税金関係などの論点」をメインで対策することをおすすめします。

簿記検定ナビで無料配布している仕訳対策教材「重要仕訳TOP100」を使えば、出題可能性の高い論点を効率よく対策することができます。ぜひご利用ください。
「今までに出題されたことのないような難しい問題・解きにくい問題」の場合
残念ながら効率的な対策はありません。ただ、仕訳の処理能力を高めておくと対応できる幅が広がるのは確かです。
例えば…第147回の問3で初めて出題された「クレジット販売の取消し処理」は、販売時の仕訳の貸借を逆にして解答する必要がありますが、販売時の仕訳自体は第144回の問3で全く同じ処理が問われているので、過去問対策をしっかりやっていれば初見でも対応できたはずです。
このように初めて見るような問題も、実は以前に出題された問題がベースになっていることが多いです。よって、今までと同じように過去問を使って「仕訳力」を養っておくことをおすすめします。
新試験範囲の仕訳対策は?
2016年度(第143回~)・2017年度(第146回~)・2018年度(第149回~)から試験範囲に追加された論点の出題状況は以下のとおりです。
- 2016年度に追加された論点
- 各種有価証券の処理
- 売上原価対立法
- クレジット売掛金
- 電子記録債権・債務
- 返品調整引当金
- 固定資産の割賦購入
- ソフトウェア
- 役務収益&役務費用
- 売上の認識基準(出荷基準・引渡基準・検収基準)
- 株主資本の計数変動
- 2017年度に追加された論点
- リース取引
- 外貨建取引
- 課税所得の計算
- 固定資産の圧縮記帳
- 連結会計(ダウンストリームのみ)
- 2018年度から追加された論点
- 税効果会計
- 製造業の決算処理
- 連結会計(アップストリーム)
- 第144回で出題された論点:クレジット売掛金・ソフトウェア・各種有価証券の処理
- 第145回で出題された論点:電子記録債務・固定資産の割賦購入・役務費用(仕掛品)
- 第146回で出題された論点:固定資産の圧縮記帳
- 第147回で出題された論点:クレジット売掛金・ソフトウェア・リース取引・外貨建取引
- 第148回で出題された論点:株主資本の計数変動・外貨建取引
- 第149回で出題された論点:電子記録債権・リース取引
- 第150回で出題された論点:固定資産の割賦購入・クレジット売掛金・役務収益&役務原価
- 第151回で出題された論点:税効果会計
- 第152回で出題された論点:外貨建取引
- 第153回で出題された論点:固定資産の圧縮記帳・電子記録債権・株主資本の計数変動
第154回の仕訳問題では、試験範囲に追加されたにもかかわらず未だに出題されていない「返品調整引当金」「課税所得の計算」の出題可能性が相対的に高まっていると言えるでしょう。
簿記検定ナビのオリジナル無料予想問題「簿記ナビ模試(第154回試験対策)」でも、新試験範囲を含めた仕訳問題を出題いたします。試験勉強の総まとめにぜひご利用ください。
第2問:「有価証券の一連の処理」と「外貨建取引を絡めた商品売買」が本命です!
144 | 145 | 146 | 147 | 148 | 149 | 150 | 151 | 152 | 153 | 154 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
伝票会計 | ||||||||||||
個 別 論 点 |
銀勘 | ★ | ★ | |||||||||
固資 | ★ | △ | ||||||||||
有券 | ★ | ◎ | ||||||||||
S/S | ★ | ★ | ||||||||||
商品 | ★ | ★ | ◯ | |||||||||
合併 連結 |
★ | |||||||||||
空欄推定 | ★ |
数年前までは…第2問といえば、特殊仕訳帳(※第143回から試験範囲外)か伝票会計のどちらかが出題されることが多かったのですが、ここ最近は個別論点の問題ばかり出題されています。
- 銀行勘定調整表(第134回・第137回・第146回・第152回)
- 有形固定資産(第135回・第139回・第143回・第150回)
- 株主資本等変動計算書(第138回・第142回・第145回・第151回)
- 有価証券(第141回・第148回)
- 商品売買(第144回・第149回)
- 連結(第147回)
- 空欄推定(第153回)
よって、第154回に関しても【個別論点】の問題が出題される可能性が高いです。ここまではドジでノロマな亀の私でも予想できるんです、ここまでは…。
個別論点のどんな問題が出題されるの?
どんな個別問題が出題されるのか皆さん気になると思いますが、正直なところ予想するのが非常に難しいです。
あえていくつか挙げるとすれば…ここ最近の出題頻度・出題間隔的には「有価証券の一連の処理」「外貨建取引を絡めた商品売買」「リース取引を絡めた有形固定資産」の出題可能性が高そうです。
ただ、第147回の「企業合併&連結」や第153回の「空欄推定」のように、今までに見たこともないような問題が出題される可能性もじゅうぶんあります。
第2問に関してはできるだけ範囲を絞らずに、過去問題集や予想問題集に収載されているいろんなパターンの問題を解いて、その場で臨機応変に対応できる「ひきだしの数」を増やしておきましょう。
個別論点を解くさいのポイント
過去に出題されたことのない初見の問題はなんとなく難しく見えるかもしれませんが、作問者も受験生が初見の問題に苦戦することは分かっているので、基本的な処理を問う簡単な設問をいくつか用意したうえで、そこに重点的に配点してくれる可能性が高いです。
例えば、第153回の第3問(連結精算表)はとんでもなく難しい問題でしたが、「のれん」や「のれん償却」など基本的な知識のみで解答できる箇所がいくつか用意されていました。
また、問題を解いているときに手応えがなくても、諦めずに粘った結果、予想以上に点数を取れていたという話しを合格者からよく聞きます。
個別問題が本試験で出題された場合には、とにかく諦めずに簡単な設問を探して部分点を積み上げていきましょう。諦めたらそこで試合終了ですよ(なつかしい)。
新試験範囲の対策は?
2016年度(第143回~)・2017年度(第146回~)・2018年度(第149回~)から試験範囲に追加された新論点に関しては、その論点だけがドカンと問われるよりも、既存論点と絡めて出題される可能性が高いです。
例えば、第149回は既存論点(商品売買)に新論点(売上原価対立法・外貨建取引)を組み合わせた問題、第150回は既存論点(固定資産)に新論点(税効果会計・連結会計)を組み合わせた問題が出題されましたよね。
このような新しいタイプの問題は過去問題集には収載されていないので、市販の予想問題集などを有効活用して万全の対策しておきましょう。
- 既存論点と新論点の組み合わせ例
- 有価証券:既存論点+新論点(子会社株式・関連会社株式・その他有価証券など)
- 商品売買:既存論点+新論点(売上原価対立法・返品調整引当金・外貨建取引など)
- 固定資産:既存論点+新論点(割賦購入・圧縮記帳・リース取引など)
- 株主資本等変動計算書:既存論点+新論点(税効果会計・株主資本の計数変動など)
伝票会計の対策について
伝票会計は、試験範囲の改定前までは中2回・中3回ぐらいの間隔でよく出題されていましたが、試験範囲の改定の結果、伝票会計に関する一連の処理はすべて3級にまとめられることになりました。
簿記2級の試験範囲には簿記3級の試験範囲も含まれるため、出題可能性がゼロになったとは断言できませんが、以前と比べると「(出題される可能性が)かなり低くなった」と考えるのが自然です。
よって、伝票会計に関しては特別の対策は不要です。どうしても不安な方は、3級で学習した内容をさらっと確認しておきましょう。
★絶対に解いておくべき過去問5題
第150回の第2問(有形固定資産)
第149回の第2問(商品売買)
第148回の第2問(有価証券)
第144回の第2問(商品売買)
第143回の第2問(有形固定資産)
★できれば解いておくべき過去問
第152回の第2問(銀行勘定調整表)
第151回の第2問(株主資本等変動計算書)
第147回の第2問(企業合併+連結会計)
第141回の第2問(有価証券)
第3問:「サービス業の損益計算書」と「製造業の貸借対照表」の2つに要注意!
144 | 145 | 146 | 147 | 148 | 149 | 150 | 151 | 152 | 153 | 154 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
精算表 | ★ | ★ | △ | ||||||||
財務諸表 | ★ | ★ | ★ | ★ | ◎ | ||||||
本支店会計 | ★ | ||||||||||
連結会計 | ★ | ★ | ★ | ◯ |
第3問では、精算表(単体)や財務諸表(単体)、本支店会計、連結会計(精算表や財務諸表)の問題が出題されます。
第147回から新たに試験範囲に追加された連結会計に関しては、第147回(第2問)・第148回(第3問)・第150回(第2問)・第151回(第3問)・第153回(第3問)と頻繁に出題されており、第154回で出題される可能性もじゅうぶんあります。
第154回の第3問対策は、従来からよく出題されている個別の【財務諸表作成問題】と【精算表作成問題】はもちろんのこと、【連結会計】もきちんとカバーしておきましょう。
財務諸表
簿記2級の第3問で出題される財務諸表作成問題は、「損益計算書の作成」「貸借対照表の作成」「貸借対照表の作成+損益計算書の各利益」の3パターンがあります。
仮に、第154回で財務諸表作成問題が出題されるとしたら…改定で試験範囲に追加されたにもかかわらず未だに出題されていない「サービス業の損益計算書」または「製造業の貸借対照表」の可能性が高いです。市販の予想問題集等を使って万全の対策をしておきましょう。
- 第137回:損益計算書
- 第138回:貸借対照表
- 第139回:貸借対照表+損益計算書の各利益
- 第140回:損益計算書
- 第141回:(精算表)
- 第142回:貸借対照表
- 第143回:損益計算書
- 第144回:(精算表)
- 第145回:貸借対照表
- 第146回:(精算表)
- 第147回:損益計算書
- 第148回:(連結精算表)
- 第149回:(本支店会計)
- 第150回:貸借対照表
- 第151回:(連結精算表)
- 第152回:貸借対照表
- 第153回:(連結精算表)
- 第154回:順番的には損益計算書?
貸借対照表作成問題を解くさいのポイント
第145回で問われた「未払法人税等」や「繰越利益剰余金」の金額や、第152回で問われた「繰越利益剰余金」の金額のように、解答するのに時間がかかる割に正答の可能性が低い箇所は、いわゆる捨て問(=解答せずに捨てるべき問題)になります。
試験本番では、費用対効果を考えて「割にあわない問題は思いきって捨てる」のも受験テクニックのひとつです。過去問や予想問題を解くさいは常に取捨選択を意識して取り組んでください。
また、最近は「減価償却の月割計上」や「耐用年数到来済みの固定資産の減価償却」などのように、実務寄りの会計処理を問う設問が増えています。過去問対策をするさいは、試験範囲改定後のなるべく新しい回(第143回~)の過去問を優先して解きましょう。

貸借対照表は「1年基準による分類」がポイントです。以下に詳しくまとめておきますのでご確認ください!
- 定期預金
- 決算日の翌日から起算して1年以内に満期日が到来するもの:現金預金など(流動資産)
- 決算日の翌日から起算して1年を超えて満期日が到来するもの:長期性預金(固定資産)
- 貸付金
- 決算日の翌日から起算して1年以内に返済日が到来するもの:短期貸付金(流動資産)
- 決算日の翌日から起算して1年を超えて返済日が到来するもの:長期貸付金(固定資産)
- 借入金
- 決算日の翌日から起算して1年以内に返済日が到来するもの:短期借入金(流動負債)
- 決算日の翌日から起算して1年を超えて返済日が到来するもの:長期借入金(固定負債)
- リース債務
- 決算日の翌日から起算して1年以内に支払日が到来するもの:リース債務(流動負債)
- 決算日の翌日から起算して1年を超えて支払日が到来するもの:長期リース債務(固定負債)
- 保険料などの費用
- 当期に属する分:保険料(費用処理)
- 決算日の翌日から起算して1年以内のもの:前払費用(流動資産)
- 決算日の翌日から起算して1年を超えるもの:長期前払費用(固定資産)
- 有価証券(流動資産)
- 売買目的有価証券
- 満期日まで1年以内の満期保有目的債券
- 満期日まで1年以内のその他有価証券(公社債)
- 投資有価証券(固定資産)
- 満期日まで1年超の満期保有目的債券
- 満期日まで1年超のその他有価証券(公社債)
- その他有価証券(株式)
- 関係会社株式(固定資産)
- 子会社株式
- 関連会社株式
連結会計
第147回から新たに試験範囲に追加された連結会計に関しては、改定の大本命論点ということもあり第147回・第148回・第150回・第151回・第153回と頻繁に出題されています。
よって、第154回で出題される可能性もじゅうぶんあります。
第147回・第150回で仕訳問題、第148回・第151回・第153回で連結精算表の作成問題が問われたことを考えますと、第154回では未だに出題されていない連結財務諸表の作成問題が出題される可能性が高そうです。
第151回・第153回の問題を見るかぎり、連結会計の問題を完答するのはほぼ無理なので、債権・債務の相殺消去やのれんの償却、土地売却益の消去などの比較的簡単な処理を見つけて、コツコツと部分点を積み上げていきましょう。
第2問と同様、問題を解いているときに手応えがなくても、諦めずに粘った結果、予想以上に点数を取れていたという話しを合格者からよく聞きます。諦めたらそこで試合終了ですよ(再)。
精算表
精算表作成問題は出題形式・解き方がワンパターンなので、過去問対策が非常に効果的です。理屈うんぬんよりも体で覚えたほうが早いので、できるかぎりたくさん問題を解いてください。
また、最近は売上原価の算定を「仕入の行」ではなく「売上原価の行」でさせる問題がちょくちょく出題されているので(第134回・第146回など)、この機会に仕訳をきちんと押さえておきましょう。
(貸)繰越商品 期首商品棚卸高
(借)繰越商品 期末商品棚卸高
(貸)仕入 期末商品棚卸高
(貸)繰越商品 期首商品棚卸高
(借)売上原価 当期商品仕入高
(貸)仕入 当期商品仕入高
(借)繰越商品 期末商品棚卸高
(貸)売上原価 期末商品棚卸高
売上原価勘定による売上原価算定の仕訳は「浮く牛食う(うくうしくう)」という語呂で押さえるのが一番手っ取り早いです。興味のある方は日商簿記検定と語呂暗記ページをご覧ください。
本支店会計
本支店会計は「(一番の難所である)未達事項・内部利益の処理」が2016年度から試験範囲外になったことにより、第3問での出題可能性は低いと考えられていましたが、第149回でガッツリ出題されました。
短期間に何度も出題するほど重要な論点ではありませんが、第149回から少し間が空いているため完全に切ってしまうのはリスキーです。第149回の過去問をしっかり押さえておきましょう。
★絶対に解いておくべき過去問5題
第152回の第3問(貸借対照表)
第150回の第3問(貸借対照表)
第147回の第3問(損益計算書)
第146回の第3問(精算表)
第143回の第3問(損益計算書)
★できれば解いておくべき過去問
第153回の第3問(連結精算表)
第151回の第3問(連結精算表)
第149回の第3問(本支店会計)
第145回の第3問(貸借対照表)
第4問:出題間隔を考えると「単純個別原価計算」が本命、「費目別計算」が対抗!
144 | 145 | 146 | 147 | 148 | 149 | 150 | 151 | 152 | 153 | 154 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
費目別 | ★ | ★ | ◯ | ||||||||
単純個別 | ★ | ◎ | |||||||||
部門別 | ★ | ★ | ★ | ||||||||
本社工場 | ★ | ★ | |||||||||
標準 | ★ | ☆ | ☆ | △ | |||||||
直接 | ☆ | ★ | ☆ |
第4問では、費目別計算や単純個別原価計算、部門別計算、本社工場会計、標準原価計算、直接原価計算などが出題されます。
第154回に関しては、第153回で出題された本社工場以外は何が出題されてもおかしくない状況ですが…強いて挙げるとすれば、出題間隔が空いている【単純個別原価計算】になります。
単純個別原価計算
単純個別原価計算は、第127回・第128回・第133回(第5問)・第143回で出題されたような「勘定記入+α」の問題と、第138回・第148回で出題されたような「仕訳問題」の2パターンがあります。
よく問われるのは「勘定記入+α」のほうなので、第154回はこちらのパターンの過去問をメインに対策しつつ、余力があれば保険的な位置づけで「仕訳問題」のほうも解いておきましょう。
なお、単純個別原価計算は原価計算表を早く、正確に作れるかどうかが攻略のカギになります。また、「仕掛中」「完成済」「完成・引渡済」の各金額が、仕掛品勘定・製品勘定のどの部分に入るのかをきちんと押さえておきましょう。
費目別計算
費目別計算は、第136回・第150回で出題された仕訳問題や、第134回・第137回で出題された製造原価報告書を絡めた問題、第144回で出題された勘定記入の問題などが出題されます。
前回の出題が第150回なので、第154回で出題される可能性もじゅうぶんあります。第144回や第150回の過去問をしっかり押さえておきましょう。
なお、費目別計算は発生した費用の分類がポイントになります。以下に簡単にまとめておきますので、この機会に今一度、内容を確認しておきましょう(※赤字は特に間違えやすいもの)。
- 直接材料費
- 主要材料費
- 買入部品費
- 間接材料費
- 補助材料費
- 工場消耗品費
- 消耗工具器具備品費
- 直接労務費
- 直接工の直接作業時間にかかる賃金
- 間接労務費
- 直接工の間接作業時間・手待ち時間にかかる賃金
- 間接工の間接作業時間にかかる賃金
- 工場長や事務職員の給料
- 賞与
- 退職給付費用
- 法定福利費(従業員の社会保険料の会社負担分)
- 直接経費
- 外注加工賃
- 特許権使用料
- 間接経費
- 工場の機械・建物などの減価償却費
- 工場の水道光熱費
- 棚卸減耗損
- 工場の土地・建物にかかる租税公課(固定資産税)
- 工場事務用消耗品費
- 工員募集費
- 工員訓練費
- 福利厚生費(レクリエーション費用など)
- 福利施設負担額(工員用の社宅など)
標準原価計算
標準原価計算は第140回・第142回・第146回の第4問、第143回・第147回・第152回の第5問で出題されており、第142回・第143回・第152回のような「差異分析の問題」と、第140回・第146回・第147回のような「勘定記入+αの問題」の2つのパターンがあります。
第152回の第5問で出題されたばかりですが、第146回・第147回と2回連続で出題されたこともある頻出論点なので、差異分析・勘定記入のどちらの問題が出題されても対応できるように万全の準備しておきましょう。
直接原価計算
直接原価計算は標準原価計算と同様、第5問での出題がメインになりますが、第149回のように第4問で出題されることもあります。
頻出論点にも関わらず直近の最後の出題が第150回(第5問)なので、第154回あたりでそろそろ出題されてもおかしくないです。第5問の過去問を使って万全の対策をしておきましょう。
部門別計算
部門別計算は、直近では第135回・第139回・第145回・第151回・第152回で出題されています。
第151回・第152回で出題されたばかりなので、第154回で出題される可能性はそんなに高くないです。参考程度に直近の過去問を押さえておけばじゅうぶんです。
本社工場会計
本社工場会計は仕訳が問われます。解答のポイントは「問題で指定された勘定科目を使うこと」「勘定科目が本社側に設定されているのか、工場側に設定されているのかを正確に判断する」の2点です。
第153回でガッツリ出題されたので、第154回で本社工場会計の問題が出題される可能性はそんなに高くないですが、保険的な位置づけで第153回の問題を確認しておきましょう。
★絶対に解いておくべき過去問5題
第150回の第4問(費目別計算)
第149回の第4問(直接原価計算)
第146回の第4問(標準原価計算)
第144回の第4問(費目別計算)
第143回の第4問(単純個別原価計算)
★できれば解いておくべき過去問
第153回の第4問(本社工場会計)
第152回の第4問(部門別計算)
第151回の第4問(部門別計算)
第148回の第4問(単純個別原価計算)
第142回の第4問(標準原価計算)
第5問:本命は直接総合原価計算。CVPも大事だけど今回は全部原価計算を重点的に!
144 | 145 | 146 | 147 | 148 | 149 | 150 | 151 | 152 | 153 | 154 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
総 合 原 価 計 算 |
単純 | ★ | ★ | ◯ | ||||||||
工程別 | ★ | △ | ||||||||||
組別 | ★ | ★ | ||||||||||
等級別 | ★ | |||||||||||
標準原価計算 | ☆ | ★ | ★ | |||||||||
直接原価計算 | ★ | ☆ | ★ | ◎ |
第5問では、総合原価計算や標準原価計算、直接原価計算などがよく出題されます。
第154回に関しては、過去の出題頻度・出題間隔を勘案すると【直接原価計算】または【単純総合原価計算】の出題可能性が高そうです。
直接原価計算
直接原価計算は第141回・第150回で出題されたような「CVP分析を絡めた問題」と、第136回・第145回で出題されたような「全部原価計算を絡めた問題」の2パターンがあります。
前回の出題が第150回なので、第154回で出題される可能性はじゅうぶんあります。もし出題されるとしたら後者の全部原価計算を絡めた問題の可能性が高いので、第145回の過去問を完ぺきに押さえておきましょう。
なお、全部原価計算を絡めた問題を解くさいは「ぜんちょくまっしゅ(全直末首)」という語呂を覚えておくと便利です。知らない方はこの機会に覚えてしまいましょう。
- 全部原価計算の営業利益-直接原価計算の営業利益=期末仕掛品・製品に含まれる固定製造原価の金額-期首仕掛品・製品に含まれる固定製造原価の金額
総合原価計算
総合原価計算は、第140回・第151回で出題された「等級別」、第137回・第148回で出題された「組別」、第138回・第144回・第146回で出題された「単純」、第142回・第149回で出題された「工程別」の4種類に大別できます。
仮に、第154回で総合原価計算が出題されるのであれば…出題間隔が空いている単純総合原価計算の可能性が高いです。第144回・第146回の過去問を使ってきちんと対策しておきましょう。
総合原価計算の問題を解くさいのポイント
総合原価計算の過去問や予想問題を解くさいには、「原価の按分方法(平均法と先入先出法)」「減損・仕損の処理」「材料の投入地点による処理の違い」の3つを重点的に確認しておきましょう。
また、第123回で出題された工程別総合原価計算の「半製品(→第1工程完成品の一部を半製品として外部に販売)」のように少しひねられる可能性があります。問題資料をきちんと読んで解答することを心がけてください。
標準原価計算
標準原価計算は第140回・第142回・第146回の第4問、第143回・第147回・第152回の第5問で出題されています。なぜか最近よく出題されているので、第154回で出題される可能性もじゅうぶんあります。
出題パターンは、第142回・第143回・第152回のような差異分析の問題と、第140回・第146回・第147回のような勘定記入・仕訳などの問題の2つがありますが、第154回は勘定記入・仕訳の問題を重点的に押さえておきましょう。
★絶対に解いておくべき過去問5題
第150回の第5問(直接原価計算)
第149回の第5問(工程別総合原価計算)
第147回の第5問(標準原価計算)
第145回の第5問(直接原価計算)
第144回の第5問(単純総合原価計算)
★できれば解いておくべき過去問
第152回の第5問(標準原価計算)
第151回の第5問(等級別総合原価計算)
第146回の第5問(単純総合原価計算)