第154回日商簿記検定3級 第4問(語群選択)の過去問分析

第4問 語群選択の問題。語句そのものではなく番号で解答しましょう!

第4問の難度アンケート結果

 第4問は【語群選択】に関する問題でした。

 5.の「損益法と財産法の計算方法」は、市販テキストではほとんど紹介されていない論点なので間違えてもしょうがないです。逆に、その他の5つはすべて基本的な内容なので、絶対に落としてはいけません。

 難易度アンケートでは、60%弱の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。合格するためには、最低でも10点(6問中5問正解)は取りたい問題です。

模範解答

(ア) (イ) (ウ) (エ) (オ) (カ)

本問は(ア)~(カ)に当てはまる語句を語群から選択して番号で解答する問題です。うっかり語句そのもので解答すると(内容があっていても)すべて不正解になります。解答するさいはじゅうぶんご注意ください。

各文章の解説

1. 貸倒れ債権の回収

 前期以前に貸倒れ処理された売掛金を回収した場合、その回収額を償却債権取立益で処理します。

  • 前期以前に貸倒れ処理された債権:償却債権取立益で処理
  • 当期に貸倒れ処理された債権:貸倒損失や貸倒引当金の金額を修正

2. 準備金の積み立て

 繰越利益剰余金を配当財源として配当を行った場合、会社法で定められた上限額まで利益準備金を積み立てる必要があります。

  • 配当の財源が繰越利益剰余金の場合:利益準備金を積み立てる
  • 配当の財源がその他資本剰余金の場合:資本準備金を積み立てる(※2級で学習します)

3. 帳簿の種類

 帳簿は、必ず作成しなければならない「主要簿」と、必要に応じて作る「補助簿」の2種類があります。主要簿は仕訳帳と総勘定元帳の2つで構成されます。

  • 仕訳帳:簿記上の取引を仕訳という形で日付順に記録する主要簿
  • 総勘定元帳:各勘定科目の金額の増減を記録する主要簿
  • 得意先元帳(売掛金元帳):得意先ごとの売掛金の増減を記録する補助簿
  • 仕入先元帳(買掛金元帳):仕入先ごとの買掛金の増減を記録する補助簿

4. 修繕・改良にかかる費用

 有形固定資産の修理・改良などに要した費用のうち、その有形固定資産の価値を高めるような支出を「資本的支出」といいます。一方、機能を維持するための支出は「収益的支出」といいます。

  • 資本的支出:耐用年数を延長させたり、その価値を高めるような支出 → 固定資産の増加として処理
  • 収益的支出:定期修繕など固定資産の諸機能を維持するための支出 → 修繕費で費用処理

5. 当期純利益の計算方法

 当期の収益の合計額から費用の合計額を差し引いて当期純利益(または当期純損失)を求める計算方法を「損益法」といいます。

 一方、期末の純資産から期首の純資産を差し引いて当期純利益(または当期純損失)を求める計算方法を「財産法」といいます。

  • 損益法による計算式:収益-費用=当期純利益(または純損失)
  • 財産法による計算式:期末の純資産-期首の純資産=当期純利益(または純損失)

6. 仕訳帳と総勘定元帳

 仕訳の内容を勘定に記入する手続きを転記といいます。

参考:出題の意図

【出題の意図】
1.前期以前に貸倒れとして処理した売掛金の一部を当期に回収したときに用いる勘定科目を理解しているかを問いました。

2.株式会社が繰越利益剰余金を財源として配当を行ったときに、積み立てなければならない項目を理解しているかを問いました。なお、繰越利益剰余金の配当は、範囲改定によって追加された論点です。

3.帳簿には主要簿と補助簿があり、主要簿の内容を理解しているかを問いました。

4.すでに取得済みの有形固定資産に関する支出は2つあり、それぞれの会計処理を理解しているかを問いました。

5.当期純利益(または当期純損失)を算定する方法は2つあり、それぞれの方法の名称や内容を理解しているかを問いました。

6.簿記には色々な手続きがあり、その一つとして仕訳の内容を勘定口座に記入する手続きを理解しているかを問いました。
引用元:出題の意図・講評(日本商工会議所)


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