第154回日商簿記検定3級 第2問(帳簿組織)の過去問分析

第2問 複数の帳簿から取引を推定する仕訳問題。25日の取引はやや難しいです!

第2問の難度アンケート結果

 第2問は【帳簿組織】に関する仕訳問題でした。

 問題資料の現金出納帳・売上帳・買掛金元帳からひとつひとつの取引(仕訳)を推定しますが、各取引が複数の帳簿にまたがっているので、ケアレスミスしないように慎重に解答しましょう。

 難易度アンケートでは、約60%の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。

2月5日の取引

解答仕訳
(借)仕入 203,000 ※1
 (貸)買掛金 200,000
 (貸)現金 3,000

※1 200,000円+3,000円=203,000円(貸借差額)

 現金出納帳の「多摩商店からの仕入の引取運賃支払い 3,000」と、買掛金元帳の「仕入れ 200,000」から、仕入時に諸掛り(付随費用)が発生していることが分かります。

 本問のように、諸掛り(付随費用)をどちらが負担するのか明示されていない場合は、当社が負担すると考えて仕入原価に含めて処理します。

  • 仕入時の諸掛り
    • 当社負担:仕入原価に含めて処理
    • 仕入先負担:立替金で処理or買掛金から差し引いて処理
  • 売上時の諸掛り
    • 当社負担:発送費などで費用処理
    • 得意先負担:立替金で処理or売掛金に含めて処理

仕入原価=商品代金+付随費用=200,000円+3,000円=203,000円

2月14日の取引

解答仕訳
(借)現金 400,000
 (貸)売上 400,000

 現金出納帳の「臨時店舗売上げ」と、売上帳の「臨時店舗売上 現金 400,000」から、チョコレート40個を400,000円で販売して現金を受け取ったことが分かります。

2月25日の取引

解答仕訳
(借)買掛金 52,000
 (貸)仕入 50,000 ※2
 (貸)現金 2,000

※2 52,000円-2,000円=50,000円(貸借差額)

 現金出納帳の「返品運賃支払い(多摩商店負担、掛代金から差し引く) 2,000」と、買掛金元帳の「返品商品の代金、運賃 52,000」から、仕入戻しを行ったさいに仕入先負担の運賃を立て替えて支払ったことが分かります。

  • 仕入時の諸掛り
    • 当社負担:仕入原価に含めて処理
    • 仕入先負担:立替金で処理or買掛金から差し引いて処理
  • 売上時の諸掛り
    • 当社負担:発送費などで費用処理
    • 得意先負担:立替金で処理or売掛金に含めて処理

 解答仕訳を考えるさいは、【返品運賃を立て替えて支払った仕訳】と【仕入戻しに関する仕訳】の2つに分けて考えましょう。

 現金出納帳に「多摩商店負担 掛代金から差し引く」とあるので、現金の減少および買掛金の減少として処理しましょう。

解答①(返品運賃を立て替えて支払った仕訳)
(借)買掛金 2,000
 (貸)現金 2,000

 上記の解答①の仕訳と、買掛金元帳の「返品商品の代金、運賃 52,000」から、減少した買掛金52,000円のうち2,000円は返品運賃を立て替えにかかる分であることが分かります。

 よって、残額の50,000円(=52,000円-2,000円)が返品した商品の代金であることが分かるため、仕入時の逆仕訳をして適切に処理します。

解答②(仕入戻しに関する仕訳)
(借)買掛金 50,000
 (貸)仕入 50,000

 以上、①②の仕訳をまとめると解答仕訳になります。

2月28日の取引

解答仕訳
(借)現金 1,000 ※3
 (貸)現金過不足 1,000

※3 326,000円-325,000円=1,000円

 売上帳の14日の記載内容(または2月14日の仕訳)から、現金出納帳の14日の収入欄に「400,000円」が入ることが分かるので、まずは現金出納帳の残高欄の空欄部分を埋めましょう。

  • 14日の残高欄の金額:277,000円+400,000円=677,000円
  • 15日の残高欄の金額:677,000円-350,000円=327,000円
  • 25日の残高欄の金額:327,000円-2,000円=325,000円

 なお、25日以降は現金に関する取引がないため、上記の25日の残高欄の金額(325,000円)がそのまま28日時点の現金の帳簿残高になります。

 28日時点の帳簿残高を求めることができたら実際有高と比較して、差額を現金過不足で処理しましょう。なお、金額を合わせるときは必ず帳簿残高を調整して実際有高に合わせます。

  • 帳簿残高:325,000円
  • 実際有高:326,000円(※問題文より)
  • 差額:326,000円-325,000円=1,000円

参考:出題の意図

【出題の意図】
 補助簿から取引を読み取る問題です。今回のポイントは25日と28日の処理です。
 25日の商品の返品取引については、返品の運賃をいったん当社が支払った上で、多摩商店(仕入先)負担のため運賃も含めて買掛金を減額する取り扱いとなっています。イレギュラーな取引についても補助簿の記載内容から取引内容を想像できるかを問う意図で出題しています。
 また、28日の現金過不足は補助簿に直接の記載がないものの、現金出納帳と問の文書から処理を行います。現金過不足のチェックは、現金の受払いがどの程度の頻度で生じるかに応じて、現金出納帳(もしくは総勘定元帳の現金勘定)を見て毎日、毎週、月次など定期的に行います。
 なお、本問では月中の取引の記載が完了し、月次(月末)の現金のチェックをこれから行う状態となっていますが、チェック後に現金過不足についても現金出納帳への記載が必要となることに留意してください。
引用元:出題の意図・講評(日本商工会議所)


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