第154回日商簿記検定3級 第1問(仕訳問題)の過去問分析

第1問 5問とも簡単な仕訳問題。特に問1と問5はテキストの確認問題レベルです!

第1問の難度アンケート結果

 第1問は今回も【仕訳問題】でした。

 新論点からの出題は問2の「売上取引・消費税・受取商品券」だけで、残りの4問は過去に何度も出題されたことのある形式の簡単な問題でした。

 市販されている仕訳教材や簿記検定ナビの仕訳対策教材できちんと対策していれば、短い解答時間で20点満点が取れたと思います。

 難易度アンケートでも、70%以上の受験生が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。

問1 手形取引

模範解答
(借)買掛金 270,000
 (貸)支払手形 270,000

 手形取引に関する問題です。

 買掛金を決済するために手形を振り出しているので、買掛金の減少および支払手形の増加として処理します。

問2 売上取引・消費税・受取商品券

模範解答
(借)現金 7,600
(借)受取商品券 10,000 ※1
 (貸)売上 16,000
 (貸)仮受消費税 1,600

※1 16,000円+1,600円-7,600円=10,000円(貸借差額)

 売上取引・消費税・受取商品券に関する問題です。

 売上の対価として「現金」と「共通商品券」を受け取っているので、現金の増加および受取商品券の増加として処理します。

 また、消費税については税抜方式で処理する旨の指示があるため、売上に含めずに仮受消費税で処理しましょう。

  • 税抜方式:消費税分を仮払消費税または仮受消費税で処理する
  • 税込方式:消費税分を仕入や売上などに含めて処理する(※簿記2級で学習します)

問3 仮払金

模範解答
(借)旅費交通費 2,600
(借)消耗品費 700
 (貸)仮払金 3,300 ※2

※2 2,600円+700円=3,300円(貸借差額)

 仮払金に関する問題です。

 問題文に「チャージ時に仮払金勘定で処理している」とあるので、先にチャージ時の仕訳を考えましょう。

参考:チャージ時の仕訳
(借)仮払金 *****
 (貸)現金など *****

 上記の仕訳を踏まえたうえで、ICカードの使用時には(チャージ時に借方に計上した)仮払金を適切な勘定科目(旅費交通費および消耗品費)に振り替えます。

問4 固定資産の売却

模範解答
(借)備品減価償却累計額 561,000
(借)現金 3,000
(借)固定資産売却損 96,000 ※3
 (貸)備品 660,000

※3 660,000円-561,000円-3,000円=96,000円(貸借差額)

 固定資産の売却に関する問題です。

 売却時の帳簿価額と売却価額との差額を固定資産売却損で処理します。

  • 売却時の帳簿価額:取得原価660,000円-減価償却累計額561,000円=99,000円
  • 売却価額:3,000円
  • 固定資産売却損:99,000円-3,000円=96,000円

 なお、本問は当期の減価償却に関する指示がないため、減価償却費を計上する必要はありません。

問5 利息の受け取り

模範解答
(借)普通預金 300
 (貸)受取利息 300

 利息の受け取りに関する問題です。

 受け取った利息を受取利息で処理するとともに、入金額を普通預金の増加として処理します。

参考:出題の意図

【出題の意図】
問1:買掛金の決済として、約束手形を振り出した取引です。買掛金の決済取引と手形の振出取引を理解しているかを問いました。

問2:商品販売(消費税の授受あり)によって、商品券を受け取った取引です。「消費税(税抜方式)」と「受取商品券」は、範囲改定によって追加された論点です。税抜方式の意味、消費税を受け取った取引を理解しているかを問いました。

問3:営業用のICカードを用いて、業務上の費用を支払った取引です。チャージ時にどのような仕訳が行われたかを考え、使用時には仮払金勘定から適切な勘定に振り替えられるかを問いました。

問4:備品を売却した取引です。取得原価と減価償却累計額との差額で帳簿価額を求め、帳簿価額と売却価額との差額で固定資産売却損益を求めることができるかを問いました。

問5:普通預金口座に利息が入金された取引です。振り込まれた利息の処理ができるかを問いました。
引用元:出題の意図・講評(日本商工会議所)


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