第4問 本社工場会計の基本的なルールに従って機械的に処理しましょう!
第4問は【本社工場会計】に関する問題です。
今回は工場の仕訳だけでなく本社の仕訳も問われましたが、基本的なルール(=使用できない勘定は「本社」または「工場」で処理する)に従って処理する点は過去問と同様です。
受験生アンケートでも、60%以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。第3問の難度を考えますと…最低でも16点、できれば20点満点を取りたい問題です。
(1) 材料の購入
(貸)買掛金 900,000
材料の仕入時の仕訳が問われています。
問題資料の残高試算表に示されている勘定(=工場で使用できる勘定)の中に「材料」があるので、工場は「材料」の増加として処理します。なお、相手科目は「本社」になります。
一方、「買掛金」は工場で使用できる勘定の中に含まれていないため、本社が「買掛金」の増加として処理します。なお、相手科目は「工場」になります。
(貸)本社 900,000
(貸)買掛金 900,000
(2) 賃金の支払い
(貸)現金 2,000,000
賃金の支払時の仕訳が問われています。
問題資料の残高試算表に示されている勘定(=工場で使用できる勘定)の中に「賃金・給料」があるので、工場は賃金・給料の増加として処理します。なお、相手科目は「本社」になります。
一方、「現金」は工場で使用できる勘定の中に含まれていないため、本社が現金の減少として処理します。なお、相手科目は「工場」になります。
直接工賃金を仕掛品、間接工賃金を製造間接費…と考えた方もいらっしゃるかもしれませんが、それは賃金の消費額を計上する仕訳です。混同しないように気をつけましょう。
(貸)本社 2,000,000
(貸)現金 2,000,000
※1 1,400,000円+600,000円=2,000,000円
(3) 工場清掃作業料金の支払い
(貸)当座預金 120,000
工場清掃作業料金の支払時の仕訳が問われています。
外部業者による工場清掃作業料金は、工場の間接経費になるため製造間接費で処理します。
問題資料の残高試算表に示されている勘定(=工場で使用できる勘定)の中に「製造間接費」があるので、工場は「製造間接費」の増加として処理します。なお、相手科目は「本社」になります。
一方、「当座預金」は工場で使用できる勘定の中に含まれていないため、本社が「当座預金」の減少として処理します。なお、相手科目は「工場」になります。
(貸)本社 120,000
(貸)当座預金 120,000
(4) 減価償却費の計上
(貸)機械減価償却累計額 300,000
減価償却費の計上時の仕訳が問われています。
工場の機械にかかる減価償却費は、工場の間接経費になるため製造間接費で処理します。
問題資料の残高試算表に示されている勘定(=工場で使用できる勘定)の中に「製造間接費」があるので、工場は「製造間接費」の増加として処理します。なお、相手科目は「本社」になります。
一方、「機械減価償却累計額」は工場で使用できる勘定の中に含まれていないため、本社が「機械減価償却累計額」の増加として処理します。なお、相手科目は「工場」になります。
(貸)本社 300,000
(貸)機械減価償却累計額 300,000
(5) 売上原価の振り替え
(貸)製品 8,000,000
売上原価の振り替えに関する仕訳が問われています。
問題資料の残高試算表に示されている勘定(=工場で使用できる勘定)の中に「製品」があるので、工場は「製品」の減少として処理します。なお、相手科目は「本社」になります。
一方、「売上原価」は工場で使用できる勘定の中に含まれていないため、本社が「売上原価」の増加として処理します。なお、相手科目は「工場」になります。
(貸)製品 8,000,000
(貸)工場 8,000,000