第2問 まさかまさかの空欄推定問題!ここでしっかり点数を稼ぎましょう。
第2問は【空欄推定】に関する問題です。
空欄に入れる語句は語群から選択する形だったので自力で一から考える必要がなく、しかも問題自体の難度も高くないため、短い解答時間で高得点が狙えるラッキーな問題です。
受験生アンケートでも、約60%の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。第3問の難度を考えますと…最低でも16点、できれば20点満点を取りたい問題です。
模範解答
本問は、問題文に「語句については…記号で答えなさい」という指示があるので、金額を解答する⑩以外は問題資料の語群の記号で解答しましょう。
指示を読み落としてうっかり語句そのもので解答してしまうと、(仮に内容が合っていたとしても)すべて不正解になります。じゅうぶんご注意ください。
① | ② | ③ | ④ | ⑤ |
---|---|---|---|---|
テ (益金) |
ケ (税込) |
オ (租税公課) |
ネ (検収) |
ク (無形固定資産) |
⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ |
ヒ (特別利益) |
ハ (満期保有目的の債券) |
ウ (取得原価) |
ツ (償却原価) |
994,000 |
(1)の内容:税金
課税所得は、1年間に得られた益金から損金を差し引いて求めます。
- 収益-費用=(会計上の)当期純利益
- 益金-損金=(税法上の)課税所得
消費税の記帳方法は、税抜方式と税込方式があります。税込方式は、納付すべき消費税を租税公課勘定の借方に記入します。
(貸)仮払消費税 ×××
(貸)未払消費税 ×××
(貸)未払消費税 ×××
(2)の内容:収益の認識基準
収益の認識基準には、出荷基準や引渡基準、検収基準、回収基準など複数のものがあります。
本問で問われている3つの収益基準(出荷基準・引渡基準・検収基準)のうち、最も早いタイミングで収益を計上するのが出荷基準、最も遅いタイミングで収益を計上するのが検収基準です。
- 出荷基準:得意先が商品を出荷したタイミングで売上を計上する
- 引渡基準:得意先に商品が引き渡されたタイミングで売上を計上する
- 検収基準:得意先が商品を検収したタイミングで売上を計上する
- 回収基準:当社が商品代金を受け取ったタイミングで売上を計上する
(3)の内容:合併
合併時に借方に計上した「のれん」は、貸借対照表の無形固定資産の区分に記載します。また、貸方に「負ののれん発生益」を計上した場合は、損益計算書の特別利益の区分に記載します。
(借)のれん ×××
(貸)諸負債 ×××
(貸)資本金 ×××
(貸)諸負債 ×××
(貸)資本金 ×××
(貸)負ののれん発生益 ×××
(4)の内容:有価証券
有価証券は、保有目的により「売買目的有価証券」「満期保有目的(の)債券」「子会社株式及び関連会社株式」「その他有価証券」に分類されます。
- 有価証券の保有目的による分類
- 売買目的:売買目的有価証券
- 満期保有目的:満期保有目的債券
- 影響力行使目的:関連会社株式
- 支配目的:子会社株式
- 上記のいずれにも該当しない(ex.長期保有目的):その他有価証券
満期保有目的債券は、原則として取得原価をもって貸借対照表価額とします。
ただし、取得原価と債券の額面金額との差額が金利の調整と認められる場合は、償却原価法を適用して帳簿価額を増減します。
例えば、×1年4月1日に社債1,000,000千円(償還期日:×6年3月31日)を額面100円につき99円で取得した場合、償却原価法(定額法)を適用して評価替えを行うと、各年度末の帳簿価額(貸借対照表価額)は以下の金額になります。
- 取得原価:1,000,000千円×@99円/@100円=990,000千円
- 1年あたりの帳簿価額の増減:(1,000,000千円-990,000千円)÷5年=2,000千円
- ×1年度末(×2年3月31日)の帳簿価額:990,000千円+2,000千円=992,000千円
- ×2年度末(×3年3月31日)の帳簿価額:992,000千円+2,000千円=994,000千円
- ×3年度末(×4年3月31日)の帳簿価額:994,000千円+2,000千円=996,000千円
- ×4年度末(×5年3月31日)の帳簿価額:996,000千円+2,000千円=998,000千円
- ×5年度末(×6年3月31日)の帳簿価額:998,000千円+2,000千円=1,000,000千円