第5問 平均レベルの財務諸表作成問題。勘定科目と表示科目の違いに気をつけて!
第5問は【財務諸表】の作成問題でした。
難度・ボリュームともに平均レベルなので、きちんと時間をかけて丁寧に解答すれば高得点が狙える問題だと思います。
難易度アンケートでも、50%以上の受験生が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。初見でも7割以上(21点以上)は取りたい問題です。
解答手順
決算整理事項等1(現金過不足)
決算整理事項等2(仕訳の訂正)
決算整理事項等3(未処理取引)
決算整理事項等4(貸倒引当金の設定)
決算整理事項等5(売上原価の算定)
決算整理事項等6(減価償却)
決算整理事項等7(消費税の計算)
決算整理事項等8(利息の未払い)
決算整理事項等9(家賃の前払い)
解答手順
本問は、問題資料(2)の決算整理事項等の各取引の仕訳を下書きしたうえで、各勘定の金額を集計して答案用紙の貸借対照表・損益計算書を完成させましょう。
決算整理事項等1の仕訳
(借)雑損 1,900 ※1
(貸)現金 4,000
※1 4,000円-2,100円=1,900円(貸借差額)
決算において、現金の実際有高と帳簿残高にズレが生じていることが判明した場合、まずは金額のズレを調整します。帳簿残高を実際有高に合わせるのがポイントです。
- 現金の実際有高:179,000円(問題資料2より)
- 現金の帳簿残高:183,000円(問題資料1より)
- ズレ(差額)=183,000円-179,000円=4,000円
そのうえで、原因が判明したものについては適切に処理し、原因が判明しなかった残り(貸借差額)については雑損または雑益で処理します。
決算整理事項等2の仕訳
(貸)売掛金 36,000
62,000円と記帳するところを誤って26,000円と記帳していたことが発覚した場合、差額の36,000円(=62,000円-26,000円)を追加計上します。
決算整理事項等3の仕訳
(貸)当座預金 3,500
未処理のままになっていた当月分の水道光熱費を適切に処理するだけです。
決算整理事項等4の仕訳
(貸)貸倒引当金 8,800
※2 (491,000円-36,000円)×2%-300円=8,800円
決算整理事項2の仕訳で売掛金が減っているので、売掛金の期末残高は455,000円(=491,000円-36,000円)になります。
決算整理事項等5の仕訳
(貸)繰越商品 200,000
(借)繰越商品 174,000
(貸)仕入 174,000
解答にあたって、上記の仕訳を考える必要はありません。以下のような商品ボックスをササッと書いて、解答に必要な売上原価の金額を把握しましょう。
- 期首商品棚卸高:200,000円(問題資料1の「繰越商品 200,000」より)
- 当期商品仕入高:3,000,000円(問題資料1の「仕入 3,000,000」より)
- 期末商品棚卸高:174,000円(問題資料2の「期末商品棚卸高は ¥ 174,000 」より)
- 売上原価:200,000円+3,000,000円-174,000円=3,026,000円
なお、期末商品棚卸高は貸借対照表では商品という表示科目を使って表示します。繰越商品ではありませんのでご注意ください。
決算整理事項等6の仕訳
(貸)備品減価償却累計額 150,000
※3 1,200,000円÷8年=150,000円
備品の取得原価1,200,000円を、耐用年数8年で除して1年分の減価償却費を計算します。
決算整理事項等7の仕訳
(貸)仮払消費税 240,000
(貸)未払消費税 200,000 ※4
※4 440,000円-240,000円=200,000円(貸借差額)
問題資料1に「仮払消費税 240,000」と「仮受消費税 440,000」があるので、両者を相殺して貸方残の200,000円を未払消費税で処理します。
決算整理事項等8の仕訳
(貸)未払利息 8,000
※5 400,000円×6%×4か月/12か月=8,000円
決算において、前回の利払日の翌日から決算日までの4か月間(12月1日~3月31日)の利息を未払計上します。
なお、未払利息は貸借対照表では未払費用という表示科目を使って表示します。
決算整理事項等9の仕訳
(貸)支払家賃 25,000
※6 150,000円×1か月/6か月=25,000円
決算において、翌期に属する1か月分(×2年4月分)を前払計上します。
なお、前払家賃は貸借対照表では前払費用という表示科目を使って表示します。