第4問 商品有高帳の作成問題。売上戻りの処理がポイントです。
第4問は【帳簿記入(商品有高帳)】の問題でした。
問題全体の難度はたいしたことがないものの、解き方を工夫しないと意外と時間がかかります。復習するさいは「なにが問われているのか」「どうすれば簡単に解けるか」を常に意識しましょう。
難易度アンケートでは、50%以上の方が「かなり簡単だった」「やや簡単だった」と回答しています。
(1)移動平均法による場合の商品有高帳
6月5日の仕訳
6月8日の仕訳
6月12日の仕訳
6月22日の仕訳
帳簿の締め切り
(2)移動平均法による場合の売上原価
(3)先入先出法による場合の次月繰越高
(1)移動平均法による場合の商品有高帳
6月5日の仕訳
(貸)売上 30,000
※1 @500円×60個=30,000円
商品有高帳の残高欄の「100 300 30,000」から、前月から繰り越されてきた商品の単価が@300円であることが分かります。5日の払出欄にもこの単価を記入しましょう。
6月8日の仕訳
(貸)売掛金など 5,000
※2 @500円×10個=5,000円
問題文に「8日の売上戻りについては、受入欄に記入すること」とあるので、返品された10個を受入欄に記入しましょう。単価は払出時の金額(@300円)をそのまま使います。
6月12日の仕訳
(貸)買掛金 46,200
※3 @308円×150個=46,200円
仕入れた商品を受入欄に記入します。残高欄は数量(200個)と金額(61,200円)を先に計算したうえで、単価(61,200円÷200個=@306円)を求めましょう。
6月22日の仕訳
(貸)売上 88,200
※4 @490円×180個=88,200円
売り上げた商品を払出欄に記入します。商品の単価は、ひとつ前の取引(12日の取引)の残高欄の金額(@306円)を使いましょう。
帳簿の締め切り
最後に、商品有高帳を締め切ります。
ひとつ前の取引(12日の取引)の残高欄の数量・単価・金額を、そのまま30日の払出欄に移記しましょう。
(2)移動平均法による場合の売上原価
移動平均法による場合の売上原価は、8日の売上戻りを考慮し忘れないように気をつけましょう。
- 売上高:(60個-10個)×@500円+180個×@490円=113,200円
- 移動平均法による場合の売上原価:(60個-10個)×@300円+180個×@306円=70,080円
- 移動平均法による場合の売上総利益:113,200円-70,080円=43,120円
(3)先入先出法による場合の次月繰越高
先入先出法による場合の次月繰越高は「先入先出法→最後に仕入れたものが残る」ことを理解していれば、最後に仕入れた12日の商品の単価(@308円)を使ってサクッと計算することができます。
20個×@308円=6,160円
最後に、先入先出法による場合の商品有高帳をご紹介いたします。参考までに記入内容をご確認ください。