第3問 ちょっと難しめの残高試算表作成問題。顧客負担の発送費の処理は難しい!

第3問は予想通り【試算表作成問題】でした。
処理すべき取引の量がやや多く、ICカードのチャージ&使用時の処理など、過去問ではあまり見かけない形の取引がいくつかあったので、「難しい」というよりも「解きにくい」と感じた方が多かったのではないでしょうか。
受験生アンケートでも「普通ぐらいだった」「やや難しかった」という回答が多く、時間を浪費してしまった&点数を取りこぼしてしまった受験生が多かったようです。
問題の解き方
下書用紙に各取引の仕訳を書いて、勘定ごとに集計しましょう。
本問は、問題文に「重複取引:(1)aと(4)a、(1)eと(2)a、(1)fと(3)a、(2)cと(6)b」とあるので、集計時にこれらをダブルカウントしないように気をつけてください。
(1) 現金に関する事項の仕訳
(2) 普通預金に関する事項の仕訳
(3) ICカードに関する事項の仕訳
(4) 売上げに関する事項の仕訳
(5) 仕入れに関する事項の仕訳
(6) その他の事項の仕訳
(1) 現金に関する事項の仕訳
(貸)売上 1,146,000
(貸)現金 3,000
収入印紙は購入時に租税公課で処理しておいて、決算時に残っている分があれば貯蔵品に振り替えます。本問は、購入時の処理が問われているので、全額を租税公課で処理します。
(貸)現金 2,000
顧客負担(得意先負担)の送料を立て替え払いした場合、売掛金または立替金の増加として処理します。
本問は、勘定科目に関する指示がありませんが、答案用紙の残高試算表に立替金がないので、消去法で「売掛金で処理する」と判断します。この処理は難しいので、出来なくてもしょうがないと思います。
- 送料を支払った場合の会計処理
- 当店負担の送料の支払った場合:発送費等で費用処理
- 顧客負担の送料を支払った場合:売掛金または立替金で処理(←本問)
(貸)現金 1,000
(貸)現金 1,180,000
(貸)現金 32,000
問題文の「ICカードへのチャージ(入金)を行ったさいには仮払金勘定で処理し、使用時に適切な費用の勘定へ振り替えている」という指示に従って、仮払金で処理します。
(2) 普通預金に関する事項の仕訳
(貸)現金 1,180,000
(貸)売掛金 50,000
(借)支払利息 4,000 ※1
(貸)借入金 1,200,000
※1 1,200,000円-1,196,000円=4,000円
普通預金に関する事項で与えられている資料は利息控除後の金額なので、他の事項から利息控除前の金額(元本)を探す必要があります。
どこに書かれているか探してみますと…(6)その他の事項b.に借り入れに関する詳細が書かれていますね。利息控除前の金額が1,200,000円なので、差額の4,000円を支払利息で処理しましょう。
(貸)普通預金 773,000
(貸)普通預金 350,000
(貸)所得税預り金 9,000
(貸)普通預金 155,000
※2 155,000円+9,000円=164,000円
所得税の源泉徴収額9,000円を控除したあとの金額が155,000円なので、逆算で控除前の給料の金額を求めましょう。
(貸)普通預金 45,000
源泉徴収時に貸方に計上した所得税預り金を借方に振り替えます。
(借)水道光熱費 15,000
(貸)普通預金 25,000
(貸)普通預金 120,000
(3) ICカードに関する事項の仕訳
(貸)現金 32,000
問題文の「ICカードへのチャージ(入金)を行ったさいには仮払金勘定で処理し、使用時に適切な費用の勘定へ振り替えている」という指示に従って、仮払金で処理します。
(貸)仮払金 18,000
問題文の指示に従って、仮払金を旅費交通費に振り替えます。
(貸)仮払金 10,000
問題文の指示に従って、仮払金を消耗品費に振り替えます。
(4) 売上げに関する事項の仕訳
(貸)売上 1,146,000
(貸)売上 60,000
(5) 仕入れに関する事項の仕訳
(貸)支払手形 60,000
(貸)買掛金 910,000
(貸)仕入 6,000
(6) その他の事項の仕訳
(貸)当座預金 100,000
(借)支払利息 4,000
(貸)借入金 1,200,000
(貸)未払金 15,000
請求書を受け取った時点では未払金で処理しておいて、代金を支払うタイミングで未払金を現金などの勘定に振り替えます。