第151回日商簿記3級 予想問題「簿記ナビ模試」第1問(仕訳問題)の解説

第1問 仕訳を制する者は簿記3級を制する!仕訳対策しないの、ダメ。ゼッタイ。

 簿記3級の第1問では毎回、仕訳が5問出題されますが、過去に出題された問題の類似問題がよく出題されるため、過去問対策が非常に効果的です。簿記検定ナビの仕訳問題対策や市販の教材・アプリなどを使って万全の対策をしておきましょう。

 今回の簿記ナビ模試の問題は、問2の「固定資産の売却・未収入金」や問4の「仮受金・償却債権取立益」の処理がやや難しかったかもしれませんが、5問全体で考えると平均的なレベルの問題です。

簿記ナビ模試3級の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
準備 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 見直し
普通 普通 難しい 普通 普通
5分 15分 10分 45分 15分 20分 10分

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第1問(仕訳問題)の解説

問1 債権の貸倒れ

重要度:★★☆ 難度:★☆☆

模範解答
(借)貸倒損失 300,000
 (貸)売掛金 300,000

 債権の貸倒れに関する問題です。

 債権の貸倒れは「債権の発生時期」がポイントです。具体的には、前期の決算をまたいでいるか(=前期末に貸倒引当金を設定しているか)どうかで判断しましょう。

  • 前期に発生した債権が貸倒れた場合:前期末に引当金を設定している→貸倒引当金をの取り崩して処理する(足りない分は貸倒損失で費用処理)
  • 当期に発生した債権が貸倒れた場合:前期末に引当金を設定していない→全額を貸倒損失で費用処理

 本問は、当期に発生した売掛金が貸倒れているので、全額を貸倒損失で処理します。問題文の「貸倒引当金の残高は ¥ 220,000 である」はダミーデータなので、引っかからないように注意しましょう。

問2 固定資産の売却・未収入金

重要度:★★★ 難度:★★☆

模範解答
(借)減価償却累計額 200,000 ※1
(借)当座預金 60,000 ※2
(借)未収入金 60,000 ※2
 (貸)備品 300,000
 (貸)固定資産売却益 20,000 ※3

※1 300,000円×4年/6年=200,000円

※2 120,000円÷2=60,000円

※3 200,000円+60,000円+60,000円-300,000円=20,000円(貸借差額)

 固定資産の売却・未収入金に関する問題です。

 固定資産の売却時に発生する売却損益は、売却金額と売却時の帳簿価額(=取得原価-減価償却累計額)との差額で算定しましょう。

  • 売却金額:120,000円(問題資料より)
  • 売却時の帳簿価額:100,000円(=300,000円-300,000円×4年/6年)
  • 売却損益:100,000円-80,000円=20,000円(売却金額>帳簿価額 → 売却益

 なお、本問は期首に売却しているので当期の減価償却費はゼロです。期首の1日分の減価償却費を計上する必要はありません。

 また、本問は売却代金の半分を当店振出小切手で受け取っているので、当座預金の増加として処理します。うっかり現金の増加として処理しないように気をつけましょう。

  • 他店振出小切手を受け取った場合 → 現金の増加
  • 当店振出小切手を受け取った場合 → 当座預金の増加
  • 他店振出小切手を受け取って、すぐに当座預金口座に預け入れた場合 → 当座預金の増加

問3 仕入取引・前払金・手形取引

重要度:★★★ 難度:★☆☆

模範解答
(借)仕入 400,000
 (貸)前払金 150,000
 (貸)支払手形 250,000 ※4

※4 400,000円-150,000円=250,000円(貸借差額)

 仕入取引・前払金・手形取引に関する問題です。

 本問は、取引を【手付金に関する取引】【手形取引に関する取引】に分けて仕訳を考えましょう。

手付金に関する取引

 問題文に「注文時に支払った手付金 ¥ 150,000 」とあるので、前払金の減少として処理します。仕訳をパッとイメージできない場合は、まず手付金支払時の仕訳を考えると分かりやすいです。

参考・手付金支払時の仕訳
(借)前払金 150,000
 (貸)現金など 100,000
仕訳①(手付金に関する取引)
(借)仕入 150,000
 (貸)前払金 150,000

手形取引に関する取引

 問題文に「残額は、伊沢商店あての約束手形を振り出して支払った」とあるので、残額の250,000円(=400,000円-150,000円)を支払手形の増加として処理します。

仕訳②(手形取引に関する取引)
(借)仕入 300,000
 (貸)支払手形 300,000

 以上、①②の仕訳をまとめると解答になります。

問4 仮受金・償却債権取立益

重要度:★★☆ 難度:★★☆

模範解答
(借)仮受金 30,000
 (貸)償却債権取立益 30,000

 仮受金・償却債権取立益に関する問題です。

 本問は、問題文に「仮受金として処理していた内容不明の当座入金額 ¥ 30,000 」とあるので、まずは当座入金時の仕訳を考えましょう。

参考・当座入金時の仕訳
(借)当座預金 30,000
 (貸)仮受金 30,000

 上記の仕訳を踏まえたうえで、問題文に「前期に貸倒れ処理していた売掛金の一部回収額であることが判明した」とあるので、仮受金を償却債権取立益に振り替えます。

  • 前期以前に貸倒れ処理した売掛金を回収した場合:償却債権取立益で処理
  • 当期に貸倒れ処理した売掛金を回収した場合:処理時の逆仕訳(→貸倒引当金や貸倒損失などで処理)

 なお、問題文の「貸倒引当金勘定の残高は ¥ 50,000 である」はダミーデータです。うっかり引っかからないように気をつけましょう。

問5 所得税の源泉徴収

重要度:★★★ 難度:★☆☆

模範解答
(借)預り金 179,340
 (貸)現金 179,340

 所得税の源泉徴収に関する問題です。

 会社が源泉徴収した所得税は、原則として徴収した日の翌月10日までに納付しなければなりません。

 ただし、給与の支給人員が常時10人未満で、源泉所得税の納期の特例の承認を受けている場合は、半年分ずつまとめて納付することができます。

  • 1月から6月までに源泉徴収した所得税:7月10日までに納付
  • 7月から12月までに源泉徴収した所得税:翌年1月20日までに納付

 今回はこの特例に関する問題ですが、適用要件の人数や納付期限は税法の世界のお話しなので覚える必要はありません。預り時に計上した預り金を減額することだけ押さえておけばOKです。

 なお、本問は問題に列挙されている勘定科目の中に所得税預り金がない(預り金はある)ので、預り金で処理すると判断します。うっかり所得税預り金で処理しないように気をつけましょう。

参考・すでに切った仕訳(※便宜的に6か月分をまとめた仕訳)
(借)給料 *****
 (貸)普通預金など *****
 (貸)預り金 179,340
解答・現金納付時の仕訳
(借)預り金 179,340
 (貸)現金 179,340

簿記3級の仕訳問題に関するQ&A

自分の解答と模範解答の勘定科目の上下が逆になっていました。不正解になりますか?
 仕訳は上下が逆になっていても正解です。

 本問ですと…例えば、問2の模範解答では借方が減価償却累計額・当座預金・未収入金の順番に並んでいますが、これらの勘定科目は上下が入れ替わっても構いません。その他の問題も同様です。
勘定科目の漢字を間違えた場合、部分点はもらえますか?
 部分点はもらえません。

 勘定科目の漢字を間違えた場合は金額があっていても不正解になりますので、ケアレスミスにご注意ください。また、問題に列挙されていない勘定科目を使って解答した場合も不正解になります。
金額にカンマ(コンマ)を付けないと不正解になりますか?
 不正解にはなりません。

 ただ、実務においてカンマを付けるのは当たり前のことですし、省略したからといって解答時間の短縮にはなりません。むしろ、見直しの時に見にくいだけです。

 このようにカンマを付けないデメリットはあってもメリットはありませんので、金額には必ずカンマを付けましょう。
2019年度から試験範囲外になる論点は2018年度の試験で出題されますか?
 2019年度から試験範囲外になる論点(有価証券の売買や手形の裏書き・割引き、売上・仕入の値引、消耗品購入時の資産処理など)が、2018年度の試験で出題される可能性は低いです。

 低いと考えられる理由は、試験の主催団体である日本商工会議所が「2018年度における出題は、2019年度以降も引き続き各級の範囲となっている内容から大きく外れないように配慮することといたします」とアナウンスしているからです。

 よって、試験範囲外になる論点は参考程度に押さえておけばじゅうぶんです。

 なお、簿記3級の試験範囲の改定に関する詳しい情報は、日商簿記3級 試験範囲(出題区分)の改定情報まとめページでまとめています。興味のある方はこちらもあわせてご確認ください。
管理人さんの仕訳問題の解き方を教えてください。
 私はまず、問題に列挙されている勘定科目群に線を入れて「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」「その他」などに分けて見やすくします。

 そのさいに気になる勘定科目があったらマルで囲んで目立たせておきます。今回の問題ですと「預り金」「貸倒引当金戻入」「償却債権取立益」あたりの勘定科目は要注意ですよね。

 次に、問題文を読んで解答のカギになりそうなところにアンダーラインを引きます。問1なら「当期に発生」、問2なら「5年目の期首」「売却代金の半分」、問4なら「前期に貸し倒れ処理していた」「内容不明の当座入金額」などです。

 このような準備をしたうえで解答仕訳を考えますが、答案用紙に勘定科目を書くさいには、問題に列挙されている勘定科目を毎回必ずチェックして打ち消し線を引くことを徹底しています。

 ひと手間を加えるだけで「指定されていない勘定科目で解答してしまう」という非常にもったいないケアレスミスをなくすことができますので、ぜひ参考にしてください。

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