第152回日商簿記2級 予想問題「簿記ナビ模試」第4問(単純個別原価計算)の解説

第4問 「直接作業時間の把握」と「原価計算表の正確な読み取り」がポイントです!

 単純個別原価計算に関する問題です。

 本問は「実際直接作業時間の把握」と「問題資料(原価計算表)の正確な読み取り」の2点がポイントになります。ケアレスミスに気をつけて速く・正確に解答しましょう。

簿記ナビ模試2級の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
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 簿記検定ナビでは、2019年6月9日に行われる第152回日商簿記2級の出題予想を公開しています。

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第4問(単純個別原価計算)の解説

 本問は、問題資料の原価計算表に直接材料費・直接労務費の金額しか載っていないので、製造間接費の金額を自分で求める必要があります。

実際直接作業時間の計算

 問題文に「直接工の1時間あたりの実際賃率3,000円に直接作業時間を乗じて計算している」とあるので、各製造指図書の直接労務費を実際賃率@3,000円で除して実際直接作業時間を求めましょう。

 なお、問題資料で与えられている4月末時点の原価計算表データは、3月分の原価を含んだ金額になっている点にご注意ください。No.1~No.4に関しては、3月末時点と4月末時点との差額が4月分の製造原価になります。

  • 3月の実際直接作業時間:1,490時間
    • No.1:1,770,000円÷@3,000円=590時間
    • No.2:1,140,000円÷@3,000円=380時間
    • No.3:1,260,000円÷@3,000円=420時間
    • No.4:300,000円÷@3,000円=100時間
  • 4月の実際直接作業時間:1,510時間
    • No.1:(1,770,000円-1,770,000円)÷@3,000円=0時間
    • No.2:(1,560,000円-1,140,000円)÷@3,000円=140時間
    • No.3:(1,590,000円-1,260,000円)÷@3,000円=110時間
    • No.4:(1,680,000円-300,000円)÷@3,000円=460時間
    • No.4-2:60,000円÷@3,000円=20時間
    • No.5:1,500,000円÷@3,000円=500時間
    • No.6:840,000円÷@3,000円=280時間

予定配賦率・予定配賦額の計算

 問題文に「直接作業時間を配賦基準として各製造指図書に予定配賦している」「製造間接費予算額(年間)は72,000,000円、正常直接作業時間(年間)は18,000時間である」とあるので、上で求めた実際直接作業時間に予定配賦率を乗じて製造間接費の予定配賦額を求めましょう。

予定配賦率:72,000,000円÷18,000時間=@4,000円

  • 3月の製造間接費:5,960,000円
    • No.1:590時間×@4,000円=2,360,000円
    • No.2:380時間×@4,000円=1,520,000円
    • No.3:420時間×@4,000円=1,680,000円
    • No.4:100時間×@4,000円=400,000円
  • 4月の製造間接費:6,040,000円
    • No.1:0時間×@4,000円=0円
    • No.2:140時間×@4,000円=560,000円
    • No.3:110時間×@4,000円=440,000円
    • No.4:460時間×@4,000円=1,840,000円
    • No.4-2:20時間×@4,000円=80,000円
    • No.5:500時間×@4,000円=2,000,000円
    • No.6:280時間×@4,000円=1,120,000円

3月の製造状況

3月の原価計算表・仕掛品&製品ボックス
3月の原価計算表・仕掛品&製品ボックス
  • 3月末の仕掛品有高:11,080,000円(=4,210,000円+4,280,000円+2,590,000円)
  • 3月末の製品有高:5,600,000円

 No.2・No.3・No.4は、3月末時点で未だ完成していないので、製造原価の合計額11,080,000円が3月末時点の仕掛品有高になります。

 また、No.1は、3月末時点で完成しているものの引き渡しがまだ行われていないので、製造原価の合計額5,600,000円が3月末時点の製品有高になります。

4月の製造状況

4月の原価計算表・仕掛品&製品ボックス
4月の原価計算表・仕掛品&製品ボックス

 No.6は、4月末時点で未だ完成していないので、製造原価の合計額3,640,000円が4月末時点の仕掛品有高になります。

 No.5は、4月末時点で完成しているものの引き渡しがまだ行われていないので、製造原価の合計額4,760,000円が4月末時点の製品有高になります。

 なお、No.4-2の正常仕損については、通常、仕損が発生した製造指図書(No.4)に直接経費として賦課します。ただ、本問の答案用紙の仕掛品勘定に仕損費が出てこないので、下記の2本の仕訳をすべて相殺したと考えましょう。

1.まず仕損費を抜き出します
(借)仕損品 224,000
 (貸)仕掛品 224,000
2.直接経費として賦課します
(借)仕掛品 224,000
 (貸)仕損品 224,000

各勘定の金額

 売上原価勘定の製造間接費配賦差異は、4月の予定配賦額(予定配賦率×4月の実際直接作業時間)と4月の実際発生額との差額で求めましょう。

  • 予定配賦額:6,040,000円(=@4,000円×1,510時間)
  • 実際発生額:6,100,000円(※問題資料より)
    • 製造間接費配賦差異:6,040,000円-6,100,000円=▲60,000円(不利差異)

  • 仕掛品勘定の前月繰越:11,080,000円(=3月末の仕掛品有高)
  • 仕掛品勘定の直接材料費:3,024,000円
  • 仕掛品勘定の直接労務費:4,530,000円
  • 仕掛品勘定の製造間接費:6,040,000円
  • 仕掛品勘定の製品(当月完成高):21,034,000円(=5,190,000円+5,050,000円+6,034,000円+4,760,000円)
  • 仕掛品勘定の次月繰越:3,640,000円(No.6の製造原価)
  • 製品勘定の前月繰越:5,600,000円(=3月末の製品有高)
  • 製品勘定の仕掛品:21,034,000円(=仕掛品勘定の当月完成高)
  • 製品勘定の売上原価:21,874,000円(=5,600,000円+5,190,000円+5,050,000円+6,034,000円)
  • 製品勘定の次月繰越:4,760,000円(No.5の製造原価)
  • 売上原価勘定の製品:21,874,000円(=製品勘定の売上原価)
  • 売上原価勘定の製造間接費配賦差異:60,000円
  • 売上原価勘定の月次損益:21,934,000円(=21,874,000円+60,000円)

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