第151回日商簿記2級 予想問題「簿記ナビ模試」第1問(仕訳問題)の解説

第1問 仕訳を制する者は簿記2級を制する!仕訳対策しないの、ダメ。ゼッタイ。

 簿記2級の第1問では毎回、仕訳が5問出題されますが、過去に出題された問題の類似問題がよく出題されるため、過去問対策が非常に効果的です。簿記検定ナビの仕訳問題対策や市販の教材・アプリなどを使って万全の対策をしておきましょう。

 今回の簿記ナビ模試の仕訳問題は、全体的に難しめに作っています。1回目は点数を気にする必要はありませんので、2回目で20点満点が取れるようにきちんと復習しておきましょう。

簿記ナビ模試2級の「各問題の難度」と「解答時間の目安」
準備 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 見直し
難しい 難しい 難しい 簡単 普通
5分 15分 25分 35分 15分 15分 10分

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第1問(仕訳問題)の解説

問1 外貨建取引

重要度:★★☆ 難度:★★☆

模範解答
(借)売掛金 30,000 ※1
 (貸)為替差損益 30,000

※1 (@115円-@112円)×10,000ドル=30,000円

 外貨建取引に関する問題です。

 本問はまず、商品販売時の仕訳を考えたうえで、為替予約時の仕訳を考えましょう。

 問題文の「米国の得意先に対して商品10,000ドルを掛けで販売し、同日の直物為替相場で記帳処理していた」「販売時の直物為替相場:1ドル ¥ 112」から、以下のような仕訳を切っていたことが分かります。

参考・販売時の仕訳
(借)売掛金 1,120,000
 (貸)売上 1,120,000

 上記の仕訳を踏まえたうえで、為替予約時の仕訳を考えましょう。

 為替予約を付すことによって決済額が確定するため、「販売時の直物為替相場による円換算額」と「為替予約時の先物為替相場による円換算額」との差額30,000円を為替差損益で処理します。

  • 販売時の直物為替相場による円換算額:@112円×10,000ドル=1,120,000円
  • 為替予約時の先物為替相場による円換算額:@115円×10,000ドル=1,150,000円
    • 差額:1,150,000円-1,120,000円=30,000円
解答仕訳
(借)売掛金 30,000
 (貸)為替差損益 30,000

参考・決算時&決済時の仕訳

 上述のとおり、為替予約を付すと決済額が確定するため、為替相場に変動があっても決算時・決済時に為替差損益は発生しません。参考までに仕訳をご確認ください。

参考・決算時の仕訳
仕訳なし
参考・決済時の仕訳
(借)現金など 1,150,000
 (貸)売掛金 1,150,000

問2 不渡手形

重要度:★★☆ 難度:★★☆

模範解答
(借)現金 200,000
(借)貸倒引当金 500,000
(借)貸倒損失 120,000 ※3
 (貸)不渡手形 820,000 ※2

※2 800,000円+20,000円=820,000円

※3 820,000円-200,000円-500,000円=120,000円(貸借差額)

 不渡手形に関する問題です。

 本問はまず、償還請求時の仕訳をイメージしたうえで、【他店振出小切手による回収に関する仕訳】と【貸倒れ処理に関する仕訳】の2つに分けて考えましょう。

 なお、償還請求時の仕訳は、償還請求費用(本問は20,000円)を不渡手形に含めて処理するのがポイントです。

参考・償還請求時の仕訳
(借)不渡手形 820,000
 (貸)受取手形 800,000
 (貸)現金など 20,000

他店振出小切手による回収に関する仕訳

 問題文に「¥ 200,000 を他店振出小切手で回収した」とあるので、償還請求時に計上した不渡手形のうち、200,000円を現金に振り替えます。

 「小切手=当座預金」と早合点して、当座預金で処理しないように気をつけましょう。

  • 他店振出小切手を受け取った場合:現金の増加(本問)
  • 当店振出小切手を受け取った場合:当座預金の増加
  • 他店振出小切手を受け取って、すぐに当座預金口座に預け入れた場合:当座預金の増加
解答①
(借)現金 200,000
 (貸)不渡手形 200,000

貸倒れ処理に関する仕訳

 問題文に「残額については回収の見込みがないため貸倒れ処理をした。なお、貸倒引当金の残高は ¥ 500,000 である」とあるので、不渡手形の残り620,000円のうち、500,000円は貸倒引当金を取り崩して処理し、120,000円は貸倒損失で費用処理します。

解答②
(借)貸倒引当金 500,000
(借)貸倒損失 120,000
 (貸)不渡手形 620,000

 以上、①②の仕訳をまとめると解答になります。

問3 連結会計

重要度:★★★ 難度:★★☆

模範解答
(借)買掛金 100,000
 (貸)売掛金 100,000
(借)貸倒引当金 3,000 ※4
 (貸)貸倒引当金繰入 3,000
(借)非支配株主に帰属する当期純利益 600 ※5
 (貸)非支配株主持分 600

※4 100,000円×3%=3,000円

※5 3,000円×20%=600円

 連結会計(アップストリームの処理)に関する問題です。

 親子会社間の商品の売買は、連結グループ全体で考えるとグループ内で商品が移動しただけなので、連結財務諸表の作成にあたって「(子会社の)親会社に対する売上」と「(親会社の)子会社からの仕入」を相殺消去します(※本問ではこの処理は問われていません)。

参考・子会社の売上と親会社の仕入を相殺消去する仕訳
(借)売上 *****
 (貸)仕入 *****

 同様に、期末に残っている「(子会社の)親会社に対する売掛金」と「(親会社の)子会社に対する買掛金」も、連結グループ全体で考えるとプラスマイナスゼロなので、連結財務諸表の作成にあたって相殺消去します(※本問ではこの処理が問われています)。

解答①(子会社の売掛金と親会社の買掛金を相殺消去する仕訳)
(借)買掛金 100,000
 (貸)売掛金 100,000

 また、子会社が「親会社に対する売掛金」に貸倒引当金を設定している場合は、連結財務諸表の作成にあたって貸倒引当金の金額を修正します。

解答②(子会社の貸倒引当金繰入の仕訳を相殺消去する仕訳)
(借)貸倒引当金 3,000
 (貸)貸倒引当金繰入 3,000

 さらに、本問はアップストリームの処理が問われているので、貸倒引当金繰入の減少分を非支配株主にも負担させます。

 貸倒引当金繰入の減少額3,000円に非支配株主の持ち分20%を乗じて計算した600円を、非支配株主に帰属する当期純利益および非支配株主持分で処理しましょう。

解答③(貸倒引当金繰入の減少分を非支配株主に負担させる仕訳)
(借)非支配株主に帰属する当期純利益 600
 (貸)非支配株主持分 600

 以上、①②③の仕訳をまとめると解答になります。

問4 リース取引

重要度:★★☆ 難度:★★☆

模範解答
(借)支払リース料 20,000 ※6
 (貸)未払費用 20,000

※6 40,000円×6か月/12か月=20,000円

 リース取引(オペレーティング・リース取引)に関する問題です。

 本問はリース料支払日と決算日が異なるので、決算において契約締結日(10月1日)から決算日(3月31日)までの6か月分のリース料を未払計上します。

 問題文に「支払リース料を月割りで未払計上した」とあるので、リース料(年額)を月割りで計算しましょう。

 なお、本問は問題に列挙されている勘定科目の中に未払リース料がない(未払費用はある)ので、未払費用で処理すると判断します。うっかり未払リース料で処理しないように気をつけましょう。

問5 返品調整引当金

重要度:★☆☆ 難度:★★☆

模範解答
(借)返品調整引当金 300,000 ※7
(借)仕入 700,000 ※8
(借)売上 800,000
 (貸)売掛金 1,800,000 ※9

※7 1,000,000円×30%=300,000円

※8 1,000,000円×70%=700,000円

※9 300,000円+700,000円+800,000円=1,800,000円(貸借差額)

 返品調整引当金に関する問題です。

 本問は【前期販売分に関する仕訳】と【当期販売分に関する仕訳】に分けて考えましょう。

前期販売分に関する仕訳

 前期に販売した商品が返品された場合、原価部分については新たな仕入があったと仮定して処理するとともに、利益部分については返品調整引当金が設定されていれば返品調整引当金を取り崩して処理します。

  • 原価部分:700,000円(=1,000,000円×原価率70%)は仕入で処理
  • 利益部分:300,000円(=1,000,000円×利益率30%)は返品調整引当金で処理
仕訳①(前期販売分の返品に関する仕訳)
(借)返品調整引当金 300,000
(借)仕入 700,000
 (貸)売掛金 1,000,000

 なお、返品調整引当金が設定されていない場合、利益部分については前期損益修正損などで処理しますが、2級の試験範囲ではないのでこの処理を覚える必要はありません。

当期販売分に関する仕訳

 当期中に販売した商品が返品された場合、原価部分・利益部分を分けることなく売上時の逆仕訳をします。うっかり仕入・返品調整引当金を使わないように気をつけましょう。

参考・売上時の仕訳
(借)売掛金 800,000
 (貸)売上 800,000
仕訳②(当期販売分の返品に関する仕訳)
(借)売上 800,000
 (貸)売掛金 800,000

 以上、①②の仕訳をまとめると解答になります。

簿記2級の仕訳問題に関するQ&A

文字数の多い勘定科目は2行で書いても大丈夫ですか?
 問題に列挙されている勘定科目に合わせて書くことをおすすめします。

 本問の場合、「非支配株主に帰属する当期純利益」「非支配株主に帰属する当期純損失」は1行で書かれているので、解答するさいは横幅を詰めて1行で書きましょう。
自分の解答と模範解答の勘定科目の上下が逆になっていました。不正解になりますか?
 仕訳は上下が逆になっていても正解です。

 本問ですと…例えば、問2の模範解答では借方が現金・貸倒引当金・貸倒損失の順番に並んでいますが、これらの勘定科目は上下が入れ替わっても構いません。その他の問題も同様です。
勘定科目の漢字を間違えた場合、部分点はもらえますか?
 部分点はもらえません。

 勘定科目の漢字を間違えた場合は金額があっていても不正解になりますので、ケアレスミスにご注意ください。また、問題に列挙されていない勘定科目を使って解答した場合も不正解になります。
金額にカンマ(コンマ)を付けないと不正解になりますか?
 不正解にはなりません。

 ただ、実務においてカンマを付けるのは当たり前のことですし、省略したからといって解答時間の短縮にはなりません。むしろ、見直しの時に見にくいだけです。

 このようにカンマを付けないデメリットはあってもメリットはありませんので、金額には必ずカンマを付けましょう。
管理人さんの仕訳問題の解き方を教えてください。
 私はまず、問題に列挙されている勘定科目群に線を入れて「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」「その他」などに分けて見やすくします。

 そのさいに気になる勘定科目があったらマルで囲んで目立たせておきます。今回の問題ですと「未払費用」「支払リース料」「非支配株主に帰属する当期純利益・当期純損失」あたりの勘定科目は要注意ですよね。

 次に、問題文を読んで解答のカギになりそうなところにアンダーラインを引きます。問1なら「当期の損益」、問2なら「他店振出小切手」、問3なら「80%」「3%」、問4なら「オペレーティング・リース」「月割り」、問5なら「前期」「70%」「当期」「75%」などです。

 このような準備をしたうえで解答仕訳を考えますが、答案用紙に勘定科目を書くさいには、問題に列挙されている勘定科目を毎回必ずチェックして打ち消し線を引くことを徹底しています。

 ひと手間を加えるだけで「指定されていない勘定科目で解答してしまう」という非常にもったいないケアレスミスをなくすことができますので、ぜひ参考にしてください。

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